こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【咳が出るときに使いたい4種類のアロマ】喘息や気管支炎に効果的な成分についてご紹介したいと思います。
ほこりや花粉、寒暖差、気圧の変化などの刺激でおこる咳。喉がイガイガしたり、かゆみを感じるなどツラい症状も。咳はもともとは気道に入ってきた異物を追い出すためにおこる防御反応ですが、周りからの冷たい目線に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?そんなときはアロマテラピーがおすすめ。アロマテラピーで用いるアロマオイルには、咳の原因に対して有効な成分を含んでいるものがあります。咳が出るとき、また咳を予防するためのアロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
咳が出るときに使いたい4種類のアロマオイル
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイル(精油)には、心地よい香りで人々を癒すだけでなく、咳がでる原因に対して効果的な有効成分を含んでいます。アロマテラピーを活用することで、咳がでてしまったたときや、咳を予防するために働きかけてくれるため、咳でお悩みの方にとって心強い味方となってくれるでしょう。
咳がでるとき、咳を予防するために使いたいアロマオイル
- ユーカリ
- ラヴィンツァラ
- ローズマリー
- スペアミント
咳が出る原因とは?
カゼ、ほこり、花粉、寒暖差、気圧の変化などの、さまざまな異物による刺激によって咳がおこります。咳は外から入ってきた異物を気道から取り除こうとする生体防御反応です。咽頭や気管、気管支など気道内に侵入した異物を、気道のセンサー(咳受容体)が認識し、その信号が脳にある咳中枢に伝えられることで咳が出ます。異物のほかにも気道に炎症がおこることで咳が発生したり、心因的なストレスが咳中枢をコントールする大脳皮質に刺激となることでも、咳が発生するとされています。
喘息と気管支炎の違い
喘息は慢性的に続く気道の炎症によって、咳や痰などの症状が出る病気です。慢性的な炎症がおこることで気道が敏感になり、また気道が狭くなっている状態になることで、ホコリ、タバコ、ストレスなどのアレルゲンによる刺激が加わり、発作が起きてしまいます。
気管支炎はウイルスや細菌などの病原微生物が、気管や気管支といった場所にダメージを与えることによって、気管支に炎症が起きている状態です。症状では喘息と気管支炎は判断がしずらいですが、気管支炎の場合、原因がカゼや細菌性のウイルスであるという点が異なります。
咳を予防するためにも、ホコリや花粉などのアレルゲンを避けるようにしましょう。またカゼなどの感染症予防をしたり、ストレスケアを行うことも大切です
咳の原因に効果的なアロマオイルの成分
ユーカリ、ラヴィンツァラ、ローズマリー、スペアミントのアロマオイル(精油)には、咳がでる原因に働きかけてくれる有効成分が含まれており、炎症を抑えたり、感染症予防に効果が期待できるだけでなく、心地よい香りでストレスを癒すことで心のケアも行ってくれます。これらのアロマオイルを活用して、咳がでて落ち込んでしまった気持ちをすっきりリフレッシュさせましょう。
咳の原因に有効なアロマオイルの成分 「1•8シネオール」
ユーカリやラヴィンツァラなどに含まれる「1•8シネオール」は、気管支など気道におこる炎症を抑える作用や、粘液を溶解させ痰を減らす作用に優れており、古くからトローチなど医薬品の成分として用いられてきました。喘息患者さん247名を対象にした研究においては、喘息による咳や、呼吸困難を減少させるだけでなく、肺機能を改善する効果が認められています(研究①)。また1•8シネオールは感染症予防にも効果的で、細菌やウイルスの抑制作用が認められており、咳でお悩みの方にとって、ぜひ活用したいアロマオイルの有効成分なのです。
咳の原因に有効なアロマオイルの成分 「ロスマリン酸」
ロスマリン酸はローズマリーから発見されたポリフェノールの一種で、スペアミント、レモンバームなどの、シソ科ハーブ類の植物に多く含まれる成分です。強い抗酸化作用や抗炎症作用があり、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など、炎症によって症状がおこる病気に対して効果が認められた研究があります(研究②)。うつや不安を軽減する作用もあるため、咳によって落ち込んでしまった気持ちを癒す効果も期待できるため、さまざまな角度から咳を抑えたり、予防するために働きかけてくれます。
ユーカリ
オーストラリア原産の植物で700種類以上存在するとされるほど、多くの品種があるユーカリ。オーストラリア原住民のアボリジニが、感染症予防などの治療薬として用いるなど、古くからその効果が期待され使用されてきました。豊富な種類が存在するユーカリであるため、アロマオイルも複数ありますが、咳がでたときや、予防したいときには「ユーカリ•ラディアタ」の品種が良いでしょう。ツーンとしてスッキリした香りが特徴的で、1•8シネオールを多く含んでいる品種です。炎症を抑える作用、感染症を予防する作用が期待でき、スッキリした香りで気分を高めてくれるため、咳の対策には嬉しいアロマオイルのひとつです。
ラヴィンツァラ(ラベンサラ)
「ラヴィンツァラ」はマダガスカル語で、カラダに良い葉ともよばれるほど、カゼやインフルエンザなどの感染症予防や症状緩和作用など、幅広い効能があることが知られています。フランス語でラベンサラと呼ばれる植物と混同されることが多く、ラヴィンツァラが正式名称となりました。ユーカリ•ラディアタと同じように、1•8シネオールを豊富に含んでいるアロマオイルであり、スーとした爽やかな香りがします。その心地よい香りは気分をリラックスさせたり、安眠へと導いてくれる作用もあるため、咳で眠れないツラい夜などに使うと良いでしょう。
ローズマリー
ローズマリーは和名でマンネンロウとよばれ、「海のしずく」を意味するラテン語から由来していています。ローズマリーの品種は、シネオール、ベルベノン、カンファーなどがあり、スッキリとしたハーブ調の香りが、シャキッと心身を元気にさせてくれます。その作用は脳を活性化させ、集中力や記憶力を向上させてくれるほど。ロスマリン酸が含まれていることに加え、「ローズマリー・シネオール」には、1.8シネオールが含まれているため、2つの作用によって咳を緩和するためにアプローチしてくれます。覚醒作用があり、元気を高めてくれるアロマオイルなので日中に使うと良いでしょう。カラダがダルい、気分が落ち込んでやる気がでないときに、ピッタリのアロマオイルです。
スペアミント
ミドリハッカ、オランダハッカともよばれる「スペアミント」。ミントティーといえば一般的にスペアミントが用いられるほど、古くから人々に親しまれてきました。スペアミントのアロマオイルは、甘味のある清涼感をもった香りが特徴的で、気持ちを落ち着かせながらも、スッキリとした香りが頭をクリアにしてくれる作用を持っています。ロスマリン酸を含んでいるため、咳を予防・緩和してくれる効果が期待でき、ミントの香りが好きな方にはオススメのアロマオイルです。
アロマテラピーで用いられるアロマオイルは、海外では治療として用いられるほどの作用を持っています。咳のケア、心のケアに優れているので日々の生活で有効活用しましょう。ただし咳が長引く場合(2週間程度)や、症状が強い場合は医療機関を受診し、医師に相談するようにしてください
咳が出るとき、咳を予防したいときのアロマテラピーの使い方
ほこり、花粉、寒暖差、気圧の変化などの刺激や、カゼなどの感染症、喘息、気管支炎など、さまざまな原因でおこる咳。アロマテラピーの有効成分を活用して、しっかりと咳のケアや予防を行いましょう。心地よい香りが気分をリフレッシュしたいときにも優しく働きかけてくれます。
咳が出たときのアロマテラピーの使い方
どんなに予防しても咳は出てきてしまうもの。そんなときは咳が落ち着いたときに、アロマオイル(精油)をコットンやティッシュに2滴程度垂らして、深呼吸するように香りを吸入すると良いでしょう。心地よい香りと有効成分が咳を抑えるために働きかけてくれます。
そのほかにはキャリアオイルにアロマオイルをブレンドして、胸のあたりを優しくマッサージする方法もオススメです。キャリアオイルとブレンドすることによって、アロマオイルの有効成分を浸透させ、咳の原因へとアプローチしてくれます。キャリアオイルがベタつくと感じるかたは、プラナロム/健草医学舎から販売されている「ケンソージェルナチュレ」にアロマオイルをブレンドすると良いでしょう。無色透明の中性ジェルでサラリとした使い心地です。ブレンドオイルの作り方は、キャリアオイルもしくはジェルナチュレ10mlに、アロマオイルを4滴加えるだけで簡単に作ることができます。
咳を予防したいときのアロマテラピーの使い方
咳を予防したいときは、アロマディフューザーでアロマオイルの香りと有効成分を、部屋に満たしてあげると良いでしょう。炎症を抑える作用や、感染症を予防してくれる効果も期待できます。そのほかの方法として、アロマスプレーを作って、マスクの外側にシュッとひと吹きする方法もオススメです。心地よい香りと有効成分を持ち運ぶことができ、外出先でのさまざまな刺激から守ってくれます。アロママスクスプレーの作り方はこちらを参考にしてみてください
アロマテラピーの注意点
アロマテラピーとしてアロマオイルを使う場合は、「精油」もしくは「エッセシャルオイル」と記載された良質なオイルを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されているため、精油本来の有効成分が入っていません。香りを楽しむだけであれば、100円均一のアロマオイルも良いのですが、効果を期待して使う場合には、良質な精油を使うようにしましょう。プラナロム/健草医学舎、生活の木、ニールズヤードなど、アロマ専門店から購入するのがオススメです。
私がカゼや咳のケアとして最も使っているのは、「プラナロム/健草医学舎」のアロマオイルです。プラナロム/健草医学舎はオーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されている、高品質なアロマオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気が高いブランドです
いかがだったでしょうか?
「【咳が出るときに使いたい4種類のアロマ】喘息や気管支炎に効果的な成分」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分を活用したアロマテラピーは、咳を抑えたり、予防するために働きかけるだけでなく、心地よい香りで癒しを届けてくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。
参照:研究①Patients with asthma benefit from concomitant therapy with cineole: a placebo-controlled, double-blind trial、研究②Extract of Perilla frutescens enriched for rosmarinic acid, a polyphenolic phytochemical, inhibits seasonal allergic rhinoconjunctivitis in humans