こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【乾燥肌のかゆみに効果的なアロマオイル】ボディークリームの作り方に関してご紹介したいと思います。
肌から水分や皮脂が失われて乾燥してしまうと、肌荒れだけでなく、カサカサしてかゆくなってしまいお悩みの方も多いのではないでしょうか?そのような乾燥肌トラブルに対して、効果的なアロマオイル(精油)をご紹介したいと思います。アロマオイルを使ったボディークリームの作り方もご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
乾燥肌のかゆみに効果的なアロマオイル
カモマイルローマン、カモマイルジャーマン、ティートゥリー、ローズウッド、サンダルウッド、ゼラニウム、ラベンダーのアロマオイル(精油)を使った研究では、かゆみを軽減する効果が認められました。またカモマイルローマンにはかゆみを抑えるだけでなく、肌の水分量を増やす研究結果もあります。
研究内容①
茨城西南医療センター病院で実施された研究で、かゆみがある人工透析患者を対象に、カモマイルローマンのアロマオイルをホホバオイルに混ぜたローションでトリートメントを実施。結果として開始2週間後に皮膚の水分量が2.4%上昇し、基礎水分量は20%から30%に改善、掻痒感(そうようかん)のスコアも改善した。
研究内容②
池田回生病院の田水先生の学会発表によると、アトピー性皮膚炎患者を対象に、ティートゥリー、ラベンダー、カモマイルローマン、カモマイルジャーマンなどのアロマオイルを、ワセリンやキャリアオイルに混ぜ1日1回使用することで、2〜3週間でかゆみは減少し症状は改善した。
研究内容③
入院中の高齢者を対象に、ローズウッド、サンダルウッド、ゼラニウムなどのアロマオイルをキャリアオイルに混ぜ、週3回4週間使用することで、肌の水分量が増加し、かゆみの症状が有意に改善した。
アロマテラピーはさまざまな原因からおこる、かゆみに対しての研究が国内・海外でも行われています
乾燥肌のかゆみにアロマテラピーが効果的である理由
乾いた肌はバリア機能が低下しているため、外からの刺激に敏感になってしまっている状態です。そのためホコリ、花粉、細菌などのちょっとした外部刺激に対しても、アレルギーや炎症を引き起こす「ヒスタミン」が放出され、かゆみを感じやすくなってしまいます。またかゆみを感じて掻いてしまうと、肌を傷つけてしまったり、炎症が悪化し、かゆみの症状がひどくなってしまう悪循環をひき起こします。
乾燥が原因のかゆみを抑えるポイント
- しっかりと保湿する
- 肌のバリア機能をもどしてあげる
- かゆみの原因である炎症を抑える
上記の3つが乾燥肌のかゆみを抑えるために大切なポイントです。
アロマオイル(精油)の成分
カモマイルローマンは保湿効果や炎症を抑える作用のある「エステル類」を多く含んでいます。カモマイルジャーマンも同じように炎症を抑える作用があり、特に「カマズレン」とよばれる成分は、アレルギーやヒスタミンを抑える優れた効果があり医薬品にも使用される成分です。その他にもティートゥリーにふくまれる「テルピネン4オール」による抗炎症作用や、ローズウッドの肌の再生を活性化される作用や「テルピネオール」の抗アレルギー作用、ゼラニウムの肌のバランスを整える作用や炎症を抑える作用があります。
このようにご紹介したアロマオイルには、保湿作用や肌のバリア機能をもどす作用、炎症を抑える作用などがあり、乾燥によるかゆみに対して効果的なのです。
乾燥肌のかゆみに効果的なアロマボディークリームの作り方
ここからは乾燥肌のかゆみに効果的なアロマボディークリームの作り方をご紹介していきたいと思います。作り方はとてもシンプルで、キャリアオイルにアロマオイル(精油)を加えるだけです。
アロマボディークリームの作り方
アロマボディークリームとして肌に使う場合は、アロマオイルの濃度が3%程度が良いと思います(敏感肌の方は2%濃度から使ってみてください)。作り方はキャリアオイル20mlに対して、アロマオイル12滴(2%濃度の場合は8滴)加えて混ぜるだけです。キャリアオイルはシアバターがオススメです。シアバターはオレイン酸を多く含み保湿効果が高く、肌の乾燥を防いでくれます。また角質化した肌の再生を促す作用があるため、肌を柔らかくして老化によるシワを予防してくれます。アロマオイルは研究でかゆみに効果的であったカモマイルローマン、カモマイルジャーマン、ティートゥリー、ローズウッド、サンダルウッド、ゼラニウム、ラベンダーの中から数種類組み合わせて使ってみてください。数種類のアロマオイルを使うことで、さまざまな角度から乾燥肌のかゆみや肌トラブルを改善する効果が期待できます。
アロマ薬剤師ふみやのオススメブレンド
カモマイルローマン3滴 + カモマイルジャーマン3滴 + ゼラニウム4滴 + ラベンダー2滴
ハーブのような香りに甘くフローラルな香りが加わったブレンドです。乾燥肌のかゆみに対しての効果だけでなく、香りによるリラックス作用のあるアロマオイルを使っているため、お風呂上がりに使ったり、リラックスタイムに使うことがオススメです。
ローズウッド4滴 + サンダルウッド2滴 + クラリセージ4滴 + オレンジ2滴
ウッディな香りの中にフローラルな香りが加わったブレンドです。気持ちを落ち着かせてくれる作用のあるアロマオイルを使っているため、仕事や家事で疲れていたり、イライラしてしまったときに使うのがオススメです。ローズウッドは乱獲により入手困難になっていますので、同じ成分を含むホーウッドで代用しても良いです。
アロマボディークリームの注意点
アロマボディークリームを手作りするときは、ご自身の肌にアレルギー反応がおこらないか確認するために、少量のアロマボディークリームを身体の一部に塗るなどしてパッチテストを行なってから、広い部分に使用するようにしてください。またアロマオイルは精油など品質の良いものを選ぶように注意をしてください。品質の悪いアロマオイルを使うと、肌トラブルを引き起こす原因となってしまいます。パッチテストの内容や方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください→アロマオイルにも注意が必要!パッチテストの方法と判定時間、品質の良いアロマオイルを見分ける方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【アロマオイル/エッセンシャルオイル/精油】3つの違いと注意点
ニールズヤード ゼラニウム&オレンジハンドクリーム
ニールズヤードから発売されている「ゼラニウム&オレンジハンドクリーム」は、美容成分を豊富に含む、数種のオーガニック植物オイルやミツロウがブレンドされています。乾燥が気になる手肌に潤いを与え、ふっくらと柔らかな手肌にしてくれます。ゼラニウムとオレンジの甘い香りが、気分をリラックスさせてくれるので、職場や外出先でかゆみによるイライラを感じたときなどに使用することがオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【乾燥肌のかゆみに効果的なアロマオイル】ボディークリームの作り方」をご紹介させていただきました。みなさんのお悩みの解決に少しでもお役に立てると嬉しいです!アロマボディークリームには「しっかりと保湿する」「肌のバリア機能を改善する」「かゆみの原因である炎症を抑える」効果が期待できますので、よかったら使ってみてください。
参照:研究①人工透析患者の皮膚掻痒感の緩和に向けた援助:カモミールローションを使用して、研究②池田回生病院 田水智子先生 学会発表、研究③Effects of aroma massage on pruritus, skin pH, skin hydration and sleep in elders in long-term care hospitals