こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。【ヘルペスに効果的なアロマ軟膏】唇や顔の再発を防ぐスキンケアご紹介したいと思います。
唇や顔などにできるヘルペス。ピリリと痛みを感じたり、かゆみや違和感を感じるなどしてから数日で水ぶくれに。一度ヘルペスにかかると再発しやすく、疲れやストレスがたまっているときに、再発する人もいらっしゃるのではないでしょうか?そんなときはアロマテラピーがオススメです。アロマテラピーで用いられるアロマオイルには、ヘルペスに対して効果的なものがあり、原因ウイルスの増殖を防ぐために働きかけてくれるだけでなく、心地よい香りで疲れやストレスを緩和してくれます。効果的なアロマオイルとアロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
ヘルペスに効果的なアロマオイル
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル(精油)は、心地よい香りで人々に癒しを届けてくれるだけでなく、ウイルスや菌などの微生物に効果的であることがわかっており、古くから感染症予防や緩和を目的に用いられてきました。京都府立医科大学の大西先生らが行なった研究では、1%濃度のアロマオイルを用いることで、ヘルペスウイルスを減少させる効果が認められています。
ヘルペスに効果的な10種類のアロマオイル
- サイプレス
- ティートリー
- ペパーミント
- マジョラム
- ユーカリ
- ラヴィンツァラ
- 真正ラベンダー
- レモン
- ローズマリー
- レモングラス
研究内容
サイプレス、ジュニパー、トロピカルバジル、ティートリー、ペパーミント、マジョラム、ユーカリ、ラヴィンツァラ、真正ラベンダー、レモン、ローズマリー、レモングラスの12種類のアロマオイルを用いて、単純ヘルペスウイルス1型に対しての抗ウイルス作用を検討した。各アロマオイルは1%、0.1%、0.05%、0.01%、0.005%濃度を添加してウイルス数を計測。
研究結果
アロマオイル1%濃度においてジュニパー、トロピカルバジルを除く、10種類のアロマオイルでウイルスの増殖抑制効果が認められた。
今西先生はユーカリ、ペパーミント、真正ラベンダー、レモングラスに、ヘルペスに対する優れた効果があると考察しており、とくにレモングラスは0.05%、0.005%でも抑制作用があるとおっしゃっています
唇や顔にできるヘルペスとは
唇や顔にできるヘルペスは「単純ヘルペスウイルス1型」が原因となり、水ぶくれなどができる感染性の病気です。単純ヘルペスウイルス1型は多くの場合、子どもの頃に初めて感染しますが無症状であることが多く、気が付かないこともあります。感染する理由として、パートナーとのキスなどによる口から口への感染や、感染者と同じタオルを使うことによっても感染します。その他にもくしゃみや咳、会話中のウイルスを含んだ唾などでも感染の可能性があり、単純ヘルペスウイルス1型は非常に強い感染力を持っています。
ヘルペスの症状
症状が現れる前兆としてチクチク、ピリピリしたかゆみやほてりが出てきます。前兆からおよそ半日以内に赤い腫れが起こり、1〜3日後に腫れた場所が小さな水ぶくれになります。水ぶくれはただれのようになることもありますが、通常はかさぶたになり1~2週間で治っていきます。よく起こる部位は唇ですが、鼻の周りや頬、眼の周りの顔にできることもあり、まれに発熱などの全身症状を伴います。ヘルペスは症状が治っても、感染するとその後ずっと体内に潜伏して、風邪などで体力や抵抗力が落ちたときや、ストレスや疲れがたまってしまったときに、再び活性化して症状をみせる(再発する)という特徴があります。
口唇ペルペスの治療
医療機関での口唇ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬の外用薬(塗り薬)や内服薬が使用されます。市販薬でも口唇ヘルペスの治療薬がありますが、それらは再発したときに使用するものであるため、初めて発症した場合は、自己判断せず医療機関を受診するようにしましょう。
ヘルペスは再発をくり返す病気であるため、日々のスキンケアやストレスケアが大切になります
ヘルペスに効果的なアロマ軟膏
ヘルペスに効果的なサイプレス、ティートリー、ペパーミント、マジョラム、ユーカリ、ラヴィンツァラ、真正ラベンダー、レモン、ローズマリー、レモングラスを使って、アロマ軟膏を作ってみましょう。アロマ軟膏はヘルペスの増殖を抑えるために働きかけてくれるだけでなく、心地よい香りで疲れやストレスを癒してくれます。心身のケアをしてくれるアロマ軟膏は、ヘルペス対策としてピッタリなのです。
アロマ軟膏の作り方
【用意するもの】
- ホホバオイル:10g
- ミツロウ:3g
- アロマオイル(精油):4滴
- リップスティックケース2〜3本、もしくはクリーム容器20ml
【作り方】
- 使用する道具や容器をアルコールで消毒する
- 耐熱容器にミツロウとホホバオイルを入れ湯せんする(電子レンジも可)
- ミツロウが溶けたらアロマオイルを加え混ぜ合わせる
- 粗熱が取れたらリップケースに流し込む
【保存方法】
- 常温で1ヶ月程度使用可能
【ポイント】
日々のスキンケアや唇のケアとして使ってみてください。アロマオイルに含まれる有効成分がヘルペスを抑えるために働きかけてくれるため、精油もしくはエッセンシャルオイルと記載された、良質なアロマオイルを選ぶようにしましょう。100円均一などのアロマオイルには合成香料が使用されているため、ご紹介したような効果が期待できません。しっかりとヘルペス対策をするときには、良質なアロマオイルを選んでください。プラナロム/健草医学舎や生活の木などのアロマ専門店では、良質なアロマオイルが販売されており、アロマ軟膏を作るグッズもありますので、どのお店で購入していいかわからないときにオススメです。
アロマ軟膏を作るときは数種類のアロマオイルをブレンドすると、さまざまな角度からヘルペス対策をしてくれるので、2種類以上使うと良いでしょう
ユーカリ
オーストラリア原産の植物で700種類以上存在するとされるほど、多くの品種があるユーカリ。オーストラリア原住民のアボリジニが、感染症予防などの治療薬として用いるなど、古くからその効果が期待され薬用としても使用されてきました。豊富な種類が存在するユーカリであるため、アロマオイルも複数ありますが、ヘルペス対策にオススメなのがユーカリ•ラディアタの品種。抗ウイルス作用に優れている「1•8シネオール」の成分を多く含んでおり、アレルギー性鼻炎や花粉症対策にも効果的。ツーンとスッキリした香りが爽快感を与えてくれ、気分をリフレッシュさせてくれます。
ユーカリはこんな人にオススメ
- ツーンとスッキリした香りでリフレッシュしたい
- ヘルペス対策だけでなく、アレルギー性鼻炎や花粉症対策にも使いたい
- 香りの相性が良いアロマオイル:ローズマリー、ラベンダー、タイム
ペパーミント
スッキリとした爽快感のある香りで、多くの人に親しまれるペパーミントは、歯磨き粉やガムなどに用いられることでもお馴染み。スペアミントとウォーターミント交配種であるとされ、古くから食用や薬用としても活躍してきました。爽やかな香りは気分のリフレッシュやリラックスにもピッタリで、元気を与えてくれるとともに集中力を向上させてくれます。そのほかにも吐き気や頭痛を抑えてくれるなど、人にとって嬉しい効果が多くの研究で報告されています。元気を与えてくれる香りなので、お昼の時間帯に使うことがオススメ。
ペパーミントはこんな人にオススメ
- スッキリした爽やかな香りに元気をもらいたい
- 頭痛や吐き気に悩まされることがある
- 香りの相性が良いアロマオイル:柑橘系、ゼラニウム、ラベンダー
真正ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。ウイルスの増殖を抑えながらも、肌の再生を促す作用がありスキンケアとして嬉しい効果を持っています。ストレス緩和と安眠に導く代表格でもあるラベンダーには、「リナロール」や「酢酸リナリル」が含まれ、不安や緊張で揺らぐ心を穏やかに保ってリラックスさせてくれます。心身のケアにピッタリのアロマオイル。安眠作用があるので、就寝時や夜のリラックスタイムなどに用いることもオススメです。
ラベンダーはこんな人にオススメ
- 爽やかな甘酸っぱい香りで包まれたい
- 疲れやストレスがためっている、眠れない夜がある
- 香りの相性が良いアロマオイル:ユーカリ、オレンジスイート、クラリセージ
レモングラス
レモングラスはレモンソウ、レモンガヤともよばれるインド原産の植物。伝統医学であるアーユルヴェーダに薬効のあるハーブとして使用されたり、タイの代表的なスープであるトムヤンクンの香り付けなどに用いられるなど、さまざまな用途で多くの人に親しまれてきました。ご紹介した研究では最もヘルペスに高い抗ウイルス作用を持っているとされています。レモングラスのアロマオイルは、その名の通り強いレモンに似た香りと、甘みのあるグリーン調の香りを合わせ持つ、リラックスにも使いたいアロマオイルのひとつです。少し香りが独特と感じる人もいますので、少量から使ってみることがオススメ。
レモングラスはこんな人にオススメ
- レモンのようなグリーン調の香りでリラックスしたい
- しっかりヘルペス対策をしたい
- 香りの相性が良いアロマオイル:柑橘系、シトロネラ、コリアンダー
ニールズヤード 「ローズヒップ&シアバターリップバーム」
ニールズヤードから販売されている「ローズヒップ&シアバターリップバーム」は、ヘルペスに効果的なラベンダーがブレンドされたリップクリームです。ビタミンの宝庫ともよばれるローズヒップがふっくらとしてなめらかな唇をつくるとともに、シアバターの濃厚な潤いが乾燥を長時間防いでくれます。爽やかなレモンの香りで、唇や口の周りのケアとしてもオススメ。アロマテラピーを使ったことがない人はまずは、ローズヒップ&シアバターリップバームを試してみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「【ヘルペスに効果的なアロマ軟膏】唇や顔の再発を防ぐスキンケア」をご紹介させていただきました。再発をくり返すヘルペス。それは疲れやストレスによっても起こります。アロマ軟膏はヘルペスウイルスに効果的なだけでなく、疲れやストレスを癒して心身のケアに心強い味方となってくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。
参照:The Inhibitory Effect of Essential Oils on Herpes Simplex Virus Type-1 Replication In Vitro