こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。【生理痛を和らげるアロママッサージ】5種類の効果的なブレンドレシピをご紹介したいと思います。
多くの女性を悩ませる生理痛。キリキリとした痛みを感じたり、痛みで眠れないなどの症状を感じながらも、女性だから仕方ないとあきらめていませんか？そのような悩みにはアロマテラピーがおすすめ。アロマテラピーの心地よい香りと優れた作用で、生理痛を緩和される研究報告が発表されています。どのようなアロマオイルのブレンドレシピが効果的なのか、またマッサージオイルの簡単な使い方もご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
【生理痛を和らげるアロマ】5種類の効果的なブレンドレシピ
- ラベンダー
- ローズ
- ラベンダー ＋ クラリセージ ＋ マジョラム
- ラベンダー ＋ クラリセージ ＋ ローズ
- シナモン ＋ クローブ ＋ ローズ ＋ ラベンダー
これら５種類のアロマオイル（精油）のブレンドレシピを使った研究において、生理痛を軽減する効果が報告されています。アロマオイルには痛みを和らげる作用に優れている種類があり、また心地よい香りが、痛みや日々のストレスを優しく包み込み癒しを与えてくれます。ブレンド量や使い方を研究をもとにご紹介していきたいと思います。
ご紹介する研究では、生理痛にアロマオイル（精油）を使用していますが、医薬品ではありませんのでご注意ください
【生理痛を和らげる】ラベンダーのアロママッサージ研究
80名の学生を対象にラベンダーのアロマオイルを、スイートアーモンドオイルで2%濃度希釈したブレンドオイルを使用した期間と、スイートアーモンドオイルのみを使用した期間での「痛みのスコア（VAS）」を比較。マッサージを15分間行い、30分後の痛みに変化があるかを計測したところ、ラベンダーオイルを使用した期間では、アロマオイルを使用しない期間に比べ、生理の痛みを有意に軽減させる結果が得られた。
スイートアーモンドオイル10mlに、ラベンダーのアロマオイルを4滴加えるだけで、簡単に2%濃度のマッサージオイルを作ることができます。15分間マッサージで、30分後に痛みが軽減しているので、生理痛を感じたときに行なっても、効果が期待できそうな研究結果ですね
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれている「ラベンダー」。なかでも真正ラベンダー（ラベンダー・アングスティフォリア）の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、鎮痛作用を持っています。また癒しの香りの代表格でもあるラベンダーに含まれる、リナロールや酢酸リナリルによって、不安やストレスを軽減するだけでなく、安眠へと導いてくれる効果が複数の研究で発表されています。生理によっておこる痛み、心の不調にもオススメしたいアロマオイルのひとつです。痛みを感じたとき、また寝る前のマッサージとして使うことも良いでしょう。
【生理痛を和らげる】ローズのアロママッサージ研究
75名の学生を対象に、ローズのアロマオイルを希釈してマッサージする群、アーモンドオイルでマッサージする群、オイルを使わずマッサージする群に分け、2回の生理期間の初日にマッサージを実施。3つの群での痛みのスコアを比較したところ、ローズのアロマオイルでマッサージすることによって、1、2回目の生理期間の痛みを有意に軽減する効果が認められた。1回目の生理期間では、ローズのアロマオイルによるマッサージと、アーモンドオイルによるマッサージでの、効果に差は認められなかったが、2回目の生理期間においては、ローズのアロマオイルを使用した群で、アーモンドオイルでマッサージする群よりも痛みの軽減効果が優れていた。
ローズのアロマオイルを2回の生理期間の初日で、継続して使うことによって高い効果が認められました。アロマオイルは継続して使うと効果的なのかもしれません
ローズ
甘く気品あふれる香りで多くの女性を魅了する「ローズ」。心身のトラブルを心地よい花の香りで癒す作用に優れており、生理痛だけでなく、生理前のイライラなどの月経前症候群（PMS）、更年期障害においても、改善する効果があることが研究報告されています。水蒸気蒸留法で採油されてものをローズオットー、溶剤抽出で採油されてものをローズアブソリュートといい、ローズオットーは16℃以下になると固化していきます。採油量の少ないローズオットーのほうが高価であるため、偽物が流通することがあり、本物の天然ローズであることを見分けるために、冷蔵庫などで冷やして固化するかどうかで見分けることもあります（固化しても手などで温めれば液体に戻ります）。ローズを使ったアロママッサージは、ご自身の好きな時間帯で使うと良いでしょう。
【生理痛を和らげる】ブレンドレシピのアロママッサージ研究①
月経困難症で産婦人科に通院する48名を対象に、ラベンダー：クラリセージ：マジョラムのアロマオイル（天然精油）を、2：1：1の割合でブレンドした3%濃度のクリームでマッサージする群と、合成アロマオイルでマッサージした群で、痛みのスコアと痛みの持続期間を比較した。マッサージの期間は生理期間後から開始し、次の生理期間が始まるまで毎日実施。結果として天然精油のラベンダー、クラリセージ、マジョラムのアロマオイルをブレンドした群において、生理の痛みを軽減するとともに、生理の痛みの持続期間を2.4日から1.8日に短縮させる効果が認められた。合成アロマオイルを使用した群では、生理の痛みを軽減することができたが持続期間は短縮できなかった。
月経困難症（生理痛などの総称）で、通院するほど痛みがあっても、アロマテラピーの効果が確認できた素晴らしい研究報告です。生理前から複数のアロマオイルをブレンドして、ケアしておく方法も良さそうですね
クラリセージ
和名はオニサルビアとよばれ、女性特有のトラブルに優れた作用をもつ「クラリセージ」。クラリセージに含まれるスクラレオールは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持っており、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。「女性のためのハーブ」ともよばれるほどの植物で、アロマオイルの香りは甘みのある優しい香りに、少しスパイシーな香りを併せ持ちます。香りによって憂鬱な気持ちを忘れさせてくれ、明るく前向きな気分にさせてくれます。生理による痛みや、気分が優れないときには心強い味方に。またクラリセージは幸せホルモンとよばれる「オキシトシン」を増やす作用も持っているので、女性に嬉しいアロマオイルです。
マジョラム
スイートマジョラムとよばれ、和名ではマヨラナである「マジョラム」は、古くからヨーロッパなどで民間薬としても使用されてきました。鎮痙攣、去痰、健胃、駆風などの作用があり、爽やかでスパイシーな香りは、ストレスから心を解放させてくれます。直接的な鎮痛作用もありますが、精神面からおこる痛みを得意としているため、ストレスによって生理痛がひどくなってしまう方や、甘い香りのアロマオイルが得意でない方にオススメのアロマオイルです。マジョラムはラベンダーと同じように心地よい睡眠も促してくれます。
【生理痛を和らげる】ブレンドレシピのアロママッサージ研究②
67名の学生を対象に、ラベンダー：クラリセージ：ローズのアロマオイルを、2：1：1の割合でブレンドした4%濃度のオイルでマッサージする群、アーモンドオイルでマッサージする群、マッサージのみの群で痛みのスコアを比較検討した。結果としてラベンダー、クラリセージ、ローズのアロマオイルをブレンドした群では、他の群と比較して、生理初日と2日目の痛みを有意に軽減する効果が認められた。
【生理痛を和らげる】ブレンドレシピのアロママッサージ研究③
95名の学生を対象に、シナモン：クローブ：ローズ：ラベンダーのアロマオイルを、1.5：1.5：1：1の割合でブレンドした、5%濃度のオイルでマッサージする群と、スイートアーモンドオイルでマッサージする群での、痛みのスコア、痛みの持続期間、過度の出血割合を比較検討した。マッサージは生理前7日間、毎日10分間実施し、結果としてシナモン、クローブ、ローズ、ラベンダーのアロマオイルを使用した群において、生理痛の軽減、痛みの持続期間の短縮、過度の出血割合を改善する効果が認められた。
5%濃度と比較的高濃度のアロマオイルを使用していること、また痛みに対して効果的なアロマオイルがふんだんに使われているレシピです。痛みや痛みの持続期間だけでなく、過度の出血まで改善するほどの効果が認められていますね
シナモン
料理やお菓子作りにスパイスとして使われることでもお馴染みの「シナモン」。古くから世界中で利用され、最古のスパイスとよばれるひとつでもあります。シナモンは身体を温める作用とともに、優れた鎮痛作用を表すことでも知られており、甘いニッキの香りは気分を明るくさせてくれます。強い抗菌作用によって、肌のトラブルを改善することでも知られていますが、効果が高いために肌への刺激が強く、敏感肌の方は十分に希釈して使うようにしましょう。
クローブ
日本では丁子（チョウジ）として昔から知られていたスパイスである「クローブ」。エキゾチックで甘く濃厚な香りが特徴的で、歯医者さんの匂いとも表現されます。ヨーロッパなどでは歯の痛みなどにも使用され、優れた鎮痛作用と麻酔作用を持っています。シナモンと同じように、強い抗菌作用があるため、水虫などにも効果的ですが、肌への刺激が強いため十分に希釈して使うようにしてください。
【まとめ】5種類のアロママッサージの使い方と注意点
【レシピ①】 2%濃度のラベンダーオイル
【レシピ②】 ローズオイル
【レシピ③】 ラベンダー：クラリセージ：マジョラムを2：1：1の割合でブレンドした3%濃度クリーム
【レシピ④】 ラベンダー：クラリセージ：ローズを2：1：1の割合でブレンドした4%濃度オイル
【レシピ⑤】 シナモン：クローブ：ローズ：ラベンダーを1.5：1.5：1：1の割合でブレンドした5%濃度オイル
軽度の痛み
軽度の痛みである場合は、レシピ①、②のラベンダーやローズのアロマオイル（精油）を使った、アロママッサージブレンドが良いでしょう。生理初日に腹部を優しく10分間マッサージしてあげてください。
ひどい痛み、痛みが長引く
いつも痛みがひどい方には、レシピ③、④、⑤レシピが良いと思います。複数のアロマオイルをブレンドすることによって、痛みを緩和する成分が多方面から効果を発揮してくれます。ただしレシピ③、④、⑤はアロマオイルの濃度が3%以上と、比較的に高い濃度となっているため、マッサージを行う前にパッチテストを実施するようにしてください。マッサージは生理がはじまる7日前から、毎日10分間行うと良いでしょう。パッチテストの方法はこちらを参考にしてみてください→アロマオイルにも注意が必要！パッチテストの方法と判定時間
ご紹介した内容の以外にも、生理痛に対する効果的なアロマテラピーがありますので、よかったらこちらの記事も参考にしてみてください。【記事まとめ】ひどい生理の痛みをアロマテラピーで和らげる方法とレシピ
プラナロム/健草医学舎「マッサージオイル」
プラナロム/健草医学舎から発売されているマッサージオイルの「タイプA
アロマテラピーは生理中トラブルだけでなく、生理前トラブルを緩和する嬉しい作用がたくさんあります。よかったらこちらの記事も読んでみてください。【生理前/中のアロマ記事まとめ】生理痛、イライラなど症状別7レシピ
いかがだったでしょうか？
「【生理痛を和らげるアロママッサージ】5種類の効果的なブレンドレシピ」をご紹介させていただきました。アロマテラピーには優れた天然有効成分と、心地よい香りを利用することで、さまざまな角度から、女性特有のトラブルを緩和させてくれる作用を持っています。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。皆さんのお悩みに少しでもお役に立てると嬉しいです。
研究①「The effect of aromatherapy massage with lavender oil on severity of primary dysmenorrhea in Arsanjan students」、研究②「The effect of self-aromatherapy massage of the abdomen on the primary dysmenorrhoea」、研究③「Pain relief assessment by aromatic essential oil massage on outpatients with primary dysmenorrhea: A randomized, double‐blind clinical trial」、研究④「Effect of aromatherapy on symptoms of dysmenorrhea in college students: A randomized placebo-controlled clinical trial」、研究⑤「The Effect of Aromatherapy Abdominal Massage on Alleviating Menstrual Pain in Nursing Students: A Prospective Randomized Cross-Over Study」
