こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです。今回は幸せホルモン「オキシトシン」をアロマテラピーで増やす方法をご紹介したいと思います。オキシトシンは、化粧品メーカーも注目しているホルモンであり、幸せを感じる「心」に対する効果だけでなく、美容やダイエットのための「身体」に対しても効果が期待できるホルモンです。
- 最近疲れやストレスがたまっている
- オキシトシンが何なのかわからない
そのような方におすすめの記事になっていますので、ぜひ読んでみてください!
オキシトシンとは
オキシトシンとは「幸せホルモン」、「愛情ホルモン」、「思いやりホルモン」など、さまざまな名前がある、下垂体後葉から放出されるホルモンです。
オキシトシンは、女性の妊娠・出産時に大量に分泌されるホルモンとして医療業界で注目され、分娩の際の子宮収縮や母乳の分泌を促す働きがあります。医療業界での研究から、オキシトシンのさまざまな効果が注目され、近年ではストレス軽減や肌の美容効果、脂肪燃焼などのダイエット効果などの分野で研究が行われてきました。
オキシトシンの「心」に対する効果
オキシトシンは精神的な安らぎを与えるといわれる「セロトニン作動性ニューロン」の働きを促進したり、抑制系のニューロンで知られる「GABAニューロン」を活性化するなどして、ストレス反応を抑える効果が研究結果として発表されています。
- 幸せな気分になる
- 脳・心が癒され、ストレスが緩和する
- 不安や恐怖心が減少する
- 他者への信頼の気持ちが増す
- 学習意欲と記憶力向上
オキシトシンはパートナーとのスキンシップや、キス、性行為などによって分泌が増えることがわかっております。母親が赤ちゃんを「愛おしい」「守りたい」と感じる母性愛、パートナー間の絆を深める、ペットとのふれあいによっても増加することから「愛情ホルモン」とも呼ばれています。最近では、自閉症など社会生活に適応できない人にオキシトシンを投与すると、コミュニケーション能力が向上することが明らかになり、幅広い分野で使用されています。
オキシトシンの「身体」に対する効果
オキシトシンは「心」に対する効果が有名ですが、「身体」に対する効果も注目されており、皮膚の幹細胞を活性化されることで、肌表面のキメを整え、肌の若返りをサポートしてくれるほか、皮膚の中のセラミドなどの保湿成分の分泌を促す効果があります。
- 肌への美容効果
- 食欲を抑えるなどのダイエット効果
- 脂肪を燃焼させる
オキシトシンは「求心性迷走神経」を活性化して脳へ情報を伝達し、摂食を抑制することが研究で発表されており、BMIが30以上の方に投与すると10%の体重の減少、肥満ラットに投与することで皮下脂肪が15〜20%も減少したとも報告されています。
幸せホルモン「オキシトシン」を増やす8種類のアロマオイル
ラベンダー、ネロリ、ジャスミン、カモミール・ローマン、クラリセージ、サンダルウッド、ローズ、バイオレットの8種類のアロマオイルに、オキシトシンを増加される効果が研究で発表されました。
オキシトシンを増やすアロマテラピー研究①
閉経後の女性15人を対象に10種類のアロマオイル(精油)を、1日1種類20分間香りを与え、香りを与える前後での唾液中のオキシトシン濃度を測定した。結果として、ラベンダー、ネロリ、ジャスミン、カモミール・ローマン、クラリセージ、およびインディアンサンダルウッドのアロマオイルの香りによって、唾液中のオキシトシンが有意に増加することが確認された。(※研究で使用されたアロマオイル:ローズオットー、オレンジスイート、ラベンダー、ネロリ、フランキンセンス、ジャスミン、イランイラン、カモミール・ローマン、クラリセージ、インディアンサンダルウッド)
オキシトシンを増やすアロマテラピー研究②
ローズ、オレンジフラワー(ネロリ)、バイオレットなどのアロマオイル(精油)を含む香りを女性に与え、5分後の唾液中のオキシトシン濃度を測定した。結果として、ローズ、オレンジフラワー(ネロリ)、バイオレット香りを与えることで、唾液中のオキシトシン濃度が上昇した。
【参照】研究①:The Journal of Alternative and Complementary MedicineVol. 26, No. 3:「The Effects of Essential Oil on Salivary Oxytocin Concentration in Postmenopausal Women」、研究②:第32回 日本分子生物学会 (2009)
心と美容に効果的な「オキシトシン」のためのアロマテラピーの使い方
ラベンダー、ネロリ、ジャスミン、カモミール・ローマン、クラリセージ、サンダルウッド、ローズ、バイオレットの8種類のアロマオイル(精油)に、オキシトシンを増加される効果があります。
アロマテラピーによる香りは嗅覚と通して、ダイレクトに脳へと伝わります。そのため頭で考える前に「好き、嫌い」などの情動的な行動や判断を下すことがあり、みなさんもよく知らない人だけれども、その人の香りだけで好感を持ったり、生理的に無理だなと感じたことがあるのではないでしょうか?
アロマオイルの心地よい香りは「幸せ」だと直感的に感じさせてくれたり、また香りが伝わる脳の大脳辺縁系の近くに下垂体があるため、ホルモンの分泌にも影響をおよぼします。8種類のアロマオイルはいずれも癒しを与えてくれ、ストレスを包み込んでくれるような、香りが人気のラインナップになっています。アロマオイル香りを嗅ぐだけで「オキシトシン」を増加させることができるのであれば、ぜひとも試したいところですよね。
アロマオイルを選ぶ時の注意点
アロマテラピーはストレスを軽減したり、ホルモンの分泌を増加させるなど、さまざまな効果が研究で認められています。それらの研究では、天然で品質が良いアロマオイル(精油)が使用されており、有効成分を多く含む精油だからこそ効果があるとされています。100円均一などで販売されているアロマオイルは合成香料が使用されており、精油本来の効果を得ることはできません。香りを楽しむだけであれば、安価なアロマオイルでも良いと思いますが、しっかりとした効果を実感したいときは、少し値段が高くても品質の良い、「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載されているアロマオイルを選ぶようにしてください。どのブランドのアロマオイルを購入してよいかわからないときは、プラナロム/健草医学舎、ニールズヤードがオススメ。オーガニックでありながら有効成分の管理も徹底されている高品質なアロマオイルを取り扱っており、アロマテラピー経験者からも人気の高いブランドです。
ラベンダー・アングスティフォリア
真正ラベンダーとも呼ばれ、ラベンダーの中でも最もラベンダーの香りと評価されるラベンダー・アングスティフォリア。爽やかな酸味のある甘酸っぱい香りが特徴で、心を落ち着かせて癒しを届けてくれます。柑橘系のアロマオイルや、クラリセージとの香りの相性もよく、ブレンドしてお好みの香りにすることもオススメです。
クラリセージ
和名はオニサルビアで、ラテン語では「健康・無事」と「明るい・澄んでいる」を意味する植物のアロマオイルです。クラリセージは甘く優しい香りが印象的なアロマオイルで、憂鬱な気分を忘れさせてくれます。オキシトシンを増やすだけでなく、女性ホルモンのバランスを整える作用があります。ゼラニウムなどとブレンドすると、フローラルな香りを楽しむことができるのでオススメです。
ネロリ、ジャスミン、カモミール・ローマン、サンダルウッド、ローズは、「幸せ」を届けてくれるような香りで人気ですが、単独で購入するには値段が少し高いので、それらがブレンドされた商品を使うことがオススメです。アロマテラピー中級者以上になった時に購入されると良いと思います。
ニールズヤード「アロマパルスナイトタイム」
NEAL’S YARD(ニールズヤード)から発売されている「アロマパルスナイトタイム」は、ラベンダー、ネロリ、カモミール、ダマスクローズのアロマオイルがブレンドされており、ハーブガーデンの中にいるような優しい香りのロールオンフレグランスです。パルスポイント(脈打つ部分)とよばれる、手首の内側や耳の後ろ、膝の後ろなどに塗るだけで香りを楽しむことができます。コンパクトでオシャレなデザインになっており、持ち運びにも便利なので、リラックスしたい仕事終わりや、ストレスを感じた時にも、サッと塗って使うことができます。心地良い眠りをサポートしてくれる香りなので、寝る前に使うこともオススメです。
プラナロム/健草医学舎「フェイシャルトリートメントオイル ローズ」
プラナロム/健草医学舎から発売されている「フェイシャルトリートメントオイル ローズ」は、ローズ、カモミール・ローマンがブレンドされており、高級感あふれる香りのフェイシャルトリートメントオイルです。オキシトシンの効果は「心」だけでなく、「身体」である肌の美容効果も期待できるため、心身のお手入れに最適です。プラナロム/健草医学舎は100%オーガニックであり、品質の高い商品を取り扱っているため、アロマテラピー経験者にも人気の高いブランドです。
いかがだったでしょうか?
「心と美容に効果的な「オキシトシン」を増やす8種類のアロマオイル」をご紹介させていただきました。みなさんの心身のケアのために少しでもお役に立てると嬉しいです!ぜひご紹介した8種類のアロマオイルを使ったアロマテラピーを楽しんでみてください。