こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【骨折の痛みを緩和したい】痛みに効果的なアロマオイルレシピに関してご紹介したいと思います。
骨折をすると慢性的な痛みや、体を動かしたときの痛み、うっかり患部をぶつけてしまったときの激痛、それだけでも大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか?そのような骨折の痛みに対するアロマテラピーの研究があります。研究の内容と普段の生活にも使えるアロマテラピーの方法をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
骨折の痛みに効果的なアロマオイルレシピ
オレンジのアロマオイル(精油)の香り、ジンジャー、マジョラム、イランイランのブレンドオイルでトリートメントを行うことによって、骨折の痛みを緩和した研究があります。
骨折に関する情報と研究内容をご紹介しますが、内容に興味がない方は最後の項目の「アロマテラピーの使い方」をご覧いただき、日々の生活でのアロマテラピーの使い方の参考にしてみてください。
骨折が治るまで
骨折が治るまでには「炎症期」「修復期」「再形成期(リモデリング期)」の3つの段階があります。
炎症期
骨折直後〜3週間の期間があり、骨折による痛みを経験するのはほとんどが「炎症期」になります。ダメージを受けた組織や骨の破片、内出血した血液などが免疫系の細胞によって掃除されます。骨折した後、骨折した部位の周辺が腫れてズキズキと痛みますが、これは免疫系の細胞の活動と血流量の増加が原因です。
修復期
ヒビが入ったり、折れてしまった骨が徐々に新しい骨「仮骨(かこつ)」に置き換わっていきます。炎症期が終わった後から数週間〜数ヶ月の期間があります。
再形成期(リモデリング期)
骨が元の正常な状態に修復されていく期間です。この期間では「修復期」にできた仮骨が少しずつ強い骨に置き換わっていき、骨が本来もっていた正常な形や構造が回復されていきます。骨折した場所などにより異なりますが、数ヶ月〜数年の期間があります。
骨折をしたときに病院から痛み止めが処方されますが、多くは「消炎鎮痛剤」であり「痛み」と「炎症」を抑える2つの作用で効果的に骨折の痛みを軽減します。
骨折の痛みに対するアロマテラピー研究
ここでは骨折の痛みに対する2つのアロマテラピーの研究内容をご紹介したいと思います。
研究①「オレンジのアロマオイルの香り」
骨折で救急病棟に入院している60名を対象に、オレンジのアロマオイル(精油)の香りを吸入した群と、アロマオイルを使用しなかった群での痛みの程度(VAS)を比較した。アロマオイルは4滴パッドに垂らし1時間ごとに新しいものに交換して使用した。結果としてアロマオイルを使用した群において、時間が経過するごとに有意な痛みの軽減が確認された。
研究②「ジンジャー、マジョラム、イランイランでのトリートメント」
骨折手術を行なった30名を対象に、ジンジャー、マジョラム、イランイランのブレンドオイルでトリートメントを行なった群、保湿クリームを使用した群、何も行わない群での鎮痛剤の使用数を比較した。ブレンドオイルはアロマオイル各2滴を保湿クリーム15gに加え、術後翌日から2週間まで1日1回10分間トリートメントとして使用した。結果としてアロマトリートメントを行なった群において、他の群と比較して鎮痛剤の使用回数が減少し、術後1週間〜2週間では有意に使用回数が少なかった。
研究①参照:The Effect of Aromatherapy with the Essential Oil of Orange on Pain and Vital Signs of Patients with Fractured Limbs Admitted to the Emergency Ward: A Randomized Clinical Trial、研究②参照:Journal of Japanese Society of Aromatherapy Vol.12 No.1:012-019
アロマテラピーが骨折の痛みを軽減できる理由
- オレンジのアロマオイル(精油)の香り
- ジンジャー、マジョラム、イランイランのアロマオイルでのトリートメント
上記の2つのアロマオイルレシピによって、骨折の痛みを軽減する効果が期待できます。オレンジに含まれる成分「d-リモネン」には炎症を抑制するとともに、精神的にリラックスさせる作用があるため、痛みを軽減する効果が確認された可能性があります。またジンジャーのアロマオイルには鎮痛・抗炎症作用が報告されており、マジョラムに含まれる成分「テルピネン-4-オール」にも鎮痛・抗炎症作用があります。イランラインには鎮痛・抗炎症作用に加え、抗不安作用など精神面での効果が優れており、このような作用が混じり合うことで研究の結果のように痛みを軽減できたのだと考えられます。
【骨折の痛みを緩和する】効果的なアロマテラピーの使い方
ここからは日々の生活での効果的なアロマテラピーの使い方をご紹介します。簡単な方法になっていますので、ぜひ試してみてください。
オレンジのアロマオイルの香り
オレンジのアロマオイル(精油)は香りを使うだけですので、アロマディフューザーやアロマストーンを使ったり、ティッシュやハンカチにアロマオイルを垂らして香りを楽しむ方法が簡単でオススメです。研究ではオレンジのアロマオイル4滴を使うことで効果が確認されましたので、痛みを感じたときに4滴使ってみてください。深呼吸をするように香りを嗅ぐと効果的で、オレンジの爽やかでフレッシュな香りが気分を明るくさせてくれます。アロマテラピーの研究では合成香料より精油を使う方が効果が良いことも確認されていますので、購入される際は精油を選ぶようにしてください。
合成香料と精油の違いや見分け方はこちら→【アロマオイル/エッセンシャルオイル/精油】3つの違いと注意点
ニールズヤード 「アップリフティング」
ニールズヤードから発売されている「アップリフティング」は、オレンジやグレープフルーツ、ローズマリーなどのアロマオイルがブレンドされています。リードディフューザーやスプレータイプのものがあり、柑橘系の香りとローズマリーのフレッシュですっきりとした香りが気持ちを明るくさせてくれます。元気を与えてくれるアロマオイルが多く含まれていますので、日中に使うことがオススメです。
ジンジャー、マジョラム、イランイランのアロマトリートメント
研究で使用されたアロマトリートメントを作ることも簡単で、ジンジャー2滴、マジョラム2滴、イランイラン2滴を15gのジェルにブレンドするだけで作ることができます。作ったジェルを1日1回10分間優しく塗って使ってみてください。病院から痛み止めの塗り薬が処方されている場合は、処方されて薬を使うようにしましょう。ジェルはアロマ雑貨店などで購入が可能で、プラナロム/ケンソーの「ジェルナチュレ」がサッパリとした使用感でオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【骨折の痛みを緩和したい】痛みに効果的なアロマオイルレシピ」をご紹介させていただきました。骨折の痛みでお悩みの方への身体的・精神的サポートとして、少しでもお役に立てると嬉しいです。他にも痛みに効果的なアロマテラピーがありますので、よろしければこちらの記事もご覧ください。