こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【アロママッサージが癒す関節リウマチ】痛みと疲労に効果的なレシピをご紹介したいと思います。
朝に手がこわばる、関節が腫れて痛い、だるくて疲れを感じるなど、さまざまな症状をきたす関節リウマチ。ツラい症状は日常生活に支障をきたすだけでなく、気分までも落ち込ませてしまいます。そのようなときはアロママッサージがおすすめです。アロマオイルの心地よい香りが心身を癒すだけでなく、痛みなどの症状に対しても有効であることが、多くの研究で発表されています。どのようなアロマオイルにそのような効果があるのか、また日々のケアとしての、アロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
【関節リウマチの痛みと疲労を癒す】効果的なアロマオイル
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイル(精油)を使った、アロママッサージを行うことで、関節リウマチの痛みや疲労を改善する効果が多くの研究で報告されています。海外ではアロマテラピーを取り入れた治療が医療として用いられており、心地よい香りと有効成分が関節リウマチのツラい症状を包み込んでくれます。日本では医療としてアロマテラピーを取り入れたり、アロマオイルを薬のように使うことはできませんが、日々のケアとして用いることがオススメです。
リウマチ性疾患に対してのアロマテラピー研究①
リウマチ性疾患に対する13個のアロマテラピー研究を解析した結果、1つの研究を除き、12個の研究において、アロマテラピーがリウマチ性疾患の症状に対して有効であったことがわかりました。36〜78歳までの患者さんが対象になっており、リウマチ性疾患を患ってから1〜12年と幅広い層に対して研究が行われました。それらの研究では2〜12週間アロマテラピーが使用されています。
リウマチ性疾患に多く使用されたアロマオイル
- ラベンダー
- ジンジャー
- ローズマリー
- ローズマリー・シネオール
関節リウマチに対してのアロマテラピー研究②
関節リウマチ患者51名を対象に、アロママッサージを行う群、リフレクソロジーを行う群、何も行わない対照群の3つにわけ、痛みと倦怠感への効果を比較検討した。アロママッサージは両膝に30分間行われ、結果としてアロママッサージを行う群と、リフレクソロジーを行う群において、6週間後の痛みと倦怠感の大幅な改善が認められた。
関節リウマチの原因と症状とは
関節リウマチは自己免疫性疾患のひとつでもあり、関節だけでなく、全身にさまざまな症状がみられます。日本では70万人以上が関節リウマチを患っていることがわかっていて、その多くが30〜50歳代で病気を発症します。また関節リウマチは、女性がかかりやすい病気されており、全体の70%以上が女性の患者さんです。
関節リウマチの原因
関節リウマチで生じる腫れと痛みなどは、免疫の働きに異常が起こることによって、引き起こされると考えられています。人のからだには、細菌やウイルスなどの外敵から守るしくみ「免疫」がありますが、その免疫に異常がおこることで、自分自身の細胞や関節を守る組織、骨、軟骨を誤って外敵とみなして攻撃してしまいます。そのことによって関節内に炎症を引き起こし、痛みなどの症状がおこるのです。免疫に異常をきたし、自己を攻撃してしまう病気のことを「自己免疫疾患」とよび、なぜ免疫に異常をきたすのかは完全にはわかっていませんが、生活習慣、遺伝、ストレスなどが関与しているとされています。
関節リウマチの症状
朝のこわばり
関節リウマチの特徴的な症状です。朝起きてすぐに手が開きにくい、体を動かしにくいなどの症状をきたし、それらは30分程度で消えていきます。
関節炎
関節に痛みが生じたり、熱をもって腫れたりします。手首、手の指の付け根、第二関節、足の指の付け根などの小さな関節をはじめ、足首、肩、ひじ、ひざなどの関節におこることがあります。またそれらは左右対称に生じることがあります。
微熱、倦怠感
37℃代の微熱や倦怠感が続きます。場合によっては食欲不振もおこります。
関節リウマチの対策
関節リウマチは原則として、一生付き合っていく病気になります。そのため進行を抑え、症状を改善するために日々の心身のケアも大切になります。体力を維持するために、栄養バランスの良い食事を心がけるようにして、骨のためにカルシウムやビタミンDを積極的にとると良いでしょう。また十分な睡眠をとり、無理をせず休むことも大切です。喫煙は関節リウマチと強い関係があるので、喫煙習慣のある方は禁煙しましょう。日常生活で行うリハビリとして、適度な運動は筋力を保つ、筋肉が縮むのを防ぐ、関節が硬くなったり、変形しないように予防する目的に効果的です。散歩したり、家事をしたり、プール内で関節に負担をかけずに歩行することも良いリハビリになります。
関節リウマチの治療薬は日々進歩しており、関節の炎症を引き起こす免疫細胞などの働きを抑える「メトトレキサート」、炎症を引き起こすサイトカインを標的にする「生物学的製剤」、サイトカインの情報伝達を担う酵素を阻害する「JAK阻害剤」などが使われるようになっています。関節リウマチを専門にするクリニックもあるので、専門の先生に相談するとよいでしょう
関節リウマチの痛みと疲労に良いアロママッサージ
日々のケアとしてアロママッサージを取り入れることによって、天然有効成分と心地よい香りが、関節リウマチの痛みや疲労などを癒してくれます。アロママッサージは、なでたり軽く揉んだりするように優しく行うことがよく、アロマオイル(精油)の香りが心を落ち着かせ、気持ちを明るくしてくれます。
アロママッサージオイルの作り方
アロママッサージオイルは、ガラス瓶にキャリアオイルを20mlいれ、アロマオイルを8滴加えて、軽くガラス瓶を振って混ぜ合わせることで簡単に作ることができます。アロマオイルは「精油」もしくは「エッセシャルオイル」を記載された良質なオイルを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されているため、精油本来の有効成分が入っていません。私のおすすめとしては「プラナロム/健草医学舎」のアロマオイルが良いと思います。プラナロム/健草医学舎はオーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されている、高品質なアロマオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気が高いブランドです。アロマオイルとキャリアオイルをブレンドすることによって、アロマオイルの有効成分をしっかりと身体に届けることができます。
アロマオイルは優れた作用をもっていて、さまざまな効果が期待できる一方で注意も必要です。作ったアロママッサージオイルにアレルギー反応が起きないか、パッチテストを行ってから全身に使うようにしてください。パッチテストはアロママッサージオイルを少量腕に垂らして、すぐに拭き取り、翌日に赤くなったり、アレルギー反応が起きないかを試すテストで、簡単に行うことができるので実施するようにしましょう。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。関節リウマチは炎症によって痛みなどを生じますが、ラベンダーの優れた抗炎症作用や鎮痛作用によって、古くからリウマチの治療に用いられてきました。またラベンダー・アングスティフォリアは、癒しのアロマオイルの代表格でもあり、リナロールや酢酸リナリルの成分を多く含んでいるため、疲労やストレスなどにもよく、心地よい眠りをサポートしてくれることも多くの研究からもわかっています。関節リウマチによっておこる症状の、日々心身ケアに心強い味方となってくるので、お風呂上がりや夜のリラックスタイムに使うと良いでしょう。
ジンジャー
日本はもちろん、世界中でスパイスや薬用と用いられてきた生姜。その生姜の根から採油される「ジンジャー」のアロマオイルは、ピリッとしたスパイシーな香りが特徴的で、その香りには落ち込んだ気持ちを明るく盛り上げてくれる効果があります。ジンジャーのアロマオイルに含まれる、ジンギベレンなどに優れた抗炎症作用があり、炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成を担う、COXの阻害作用もあるとされています。COXを抑える作用は多くの医薬品にも取り入れられていて、鎮痛作用や抗炎症作用を発揮します。またジンジャーのアロマオイルには身体を温める作用があり、筋肉をほぐし血流をよくすることでも、慢性的な痛みに効果的であり、マッサージオイルにブレンドしたいアロマオイルのひとつです。
ローズマリー
「ローズマリー」は和名でマンネンロウとよばれ、「海のしずく」を意味するラテン語から由来しています。ローズマリーの品種は数多くあり、シネオール、ベルベノン、カンファーなどがあります。スッキリとした香りが特徴で、集中力や記憶力を向上させてくれる働きを持っています。その作用は認知症患者さんの認知機能を改善するほど。シネオールの品種に多く含まれる「1・8シネオール」には、優れた抗炎症作用があり、リウマチ治療薬などの医薬品の成分としても用いられてきました。元気を与えてくれる香りなので、日中に使うことが良いでしょう。ジンジャーとの香りの相性がよく、ジンジャーとブレンドして使うのもオススメです。
マッサージオイルCタイプ
プラナロム/健草医学舎から販売されている「マッサージオイルCタイプ」は、ラベンダー、ローズマリーシネオール、イランイランなどのアロマオイルが9種類もブレンドされたマッサージオイルです。フローラルで優しい香りと、スッキリとした香りがバランスよくマッチしており、心身に安らぎをあたえ、リラックスさせてくれます。アロマテラピーを使ったことがない方は、まずはマッサージオイルCタイプを使ってみて、アロマテラピーを試してみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「【アロママッサージが癒す関節リウマチ】痛みと疲労に効果的なレシピとは」をご紹介させていただきました。朝に手がこわばる、関節が腫れて痛い、だるくて疲れを感じるなど、さまざまな症状をきたす関節リウマチは、日常生活に影響を及ぼすだけでなく、精神面での負担も増加させてしまいます。オーガニックの有効成分を活用したアロマテラピーは、それらの症状を癒す作用があり、日々の心身ケアにおすすめです。簡単な方法でもアロマテラピーは使えますので、よかったら試してみてください。
参照:研究①Essential oil therapy in rheumatic diseases: A systematic review、研究②The Effects of Aromatherapy Massage and Reflexology on Pain and Fatigue in Patients with Rheumatoid Arthritis: A Randomized Controlled Trial