こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【手作りアロマでダニ対策】ダニ駆除に効果的な5種類のアロマオイルをご紹介したいと思います。
寝ている間、アウトドアをしているときなど、目には見えないけれど忍びよってくるダニ。噛まれてしまうと腫れたり、かゆみを感じて、不快な思いをしたことがあるのではないでしょうか？そんなときはアロマテラピーによる対策がオススメ。アロマオイルにはダニ避け作用があることは有名ですが、ダニを駆除する殺虫作用もあるのです。なかには82種類ものアロマオイルの殺虫作用を調べた研究があるほど。今回はそのなかでも効果的な5種類のアロマオイルと、アロマテラピーの使い方をご紹介したいと思います。
ダニ駆除に効果的な5種類のアロマオイル
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル（精油）には、心地よい香りで癒しを届けてくれるだけでなく、有効成分がさまざまな心身のトラブル解決に働きかけてくれます。そんな嬉しい作用をもったアロマオイルは、人にとっては心地よく感じる香りであっても、ダニには大敵なのです。ダニ駆除に用いたいアロマオイルは、マジョラム、ジュニパー、ゼラニウム、ウィンターグリーン、シナモンの5種類。
マジョラム
別名スイートマジョラム、和名マヨラナとよばれるマジョラム。幸せを象徴し、長寿を与えるハーブとして、古くから民間薬としてヨーロッパなどを中心に用いられてきました。爽やかでスパイシーな香りは、自律神経を整える作用に優れ、ストレスから心を開放してくれます。その作用は仕事を終えたあとに使用することで疲労を回復させたり、睡眠の質を向上させる研究報告があるほど。ダニにとっては大敵となるマジョラムには、1日で60%のダニを死滅させ、3日で100%の殺虫作用が認められた研究があります。ダニ対策に加え、自律神経を整えて疲労を回復させてくれる作用があるため、仕事終わりやテレワークのときに使いたいアロマオイルのひとつ。甘味が強い香りやフローラルな香りが、あまり好きでない人に好まれやすい香りです。
こんな時に使いたいマジョラム
- 爽やかなスパイシーな香りが好き（甘い香りが苦手）
- テレワークの疲れを癒したい、仕事でクタクタ
- 眠れない夜がある
ジュニパー
常緑の針葉樹であるジュニパー。お酒のジンの香り付けにも用いられる植物で、アロマオイルはウッディでほろ苦い森林の香りがします。ヨーロッパでは宗教儀式の悪魔祓いのハーブとして、また感染症予防の空気浄化のためにも使われてきました。そんな多くの用途で使われてきたジュニパーには、優れたダニの駆除作用があり、アロマオイルを使用して2時間でダニを100%殺虫する効果が認められた研究があるほど、ダニの駆除対策には心強い味方となってくれます。ジュニパーのアロマオイルには、森林浴気分が楽しめるため、心のリフレッシュとして使ったり、カラダの滞りを解消する作用によって、むくみや冷え性にも効果的であるため、心身のケアにも使いたいアロマオイルです。
こんなときに使いたいジュニパー
- ほろ苦い森林のような香りでリフレッシュしたい
- しっかりとダニを駆除したい
- 冷えやむくみにも使いたい
ゼラニウム
ゼラニウムはニオイゼラニウムあるいは、ローズのような甘美でセクシャルな香りを持つことからも、ローズゼラニウムとも呼ばれています。ゼラニウムのアロマオイルはローズの香りに、ミントのようなグリーン調がアクセントとして加わったような香りが特徴で、その心地よい香りにはホルモンバランスを整えてくれる作用があります。イライラしてしまうなどの月経前症候群、ホットフラッシュなどの更年期障害の症状緩和にも効果的。ゼラニウムに含まれる香り成分のゲラニオールには、皮膚にハリを与え美しい肌にしてくれる作用や、皮脂のバランスを整えてくれる作用があるため、スキンケアとしても世の女性に広く愛用されてきました。ゼラニウムのアロマオイルには、使用してから60分後には、ダニを100%死滅される効果が認められており、その濃度は1.562%でも有効であるほど優れたダニ駆除作用があります。
こんなときに使いたいゼラニウム
- ローズのような甘美な香りが好き
- 生理前のイライラ、更年期障害などの女性特有のトラブルに悩んでいる
- スキンケアにも使いたい
ウィンターグリーン
カナダ、アメリカなどで生育する植物で、赤い実をつけることからもティーベリーともよばれるウィンターグリーン。サリチル酸メチルを98%以上含んでいる、少し変わったアロマオイルですが、関節、筋肉、健に対する作用は絶大。その理由はウィンターグリーンに含まれる、サリチル酸メチルにあり、湿布剤のサロンパスに使用されるほど、サリチル酸メチルは炎症や痛みに対して、高い有効性を持っています。その香りも湿布のようなメントール系の香りで、心を刺激し元気を与えてくれるため、眠気覚ましにもピッタリ。ダニの殺虫効果を調べた研究において、82種類の中でもトップクラスの優れた効果が認めらています。
こんなときに使いたいウィンターグリーン
- 湿布のようなメントールの香りで気合を入れたい
- 筋肉痛、肩こり、膝の痛みに悩んでいる
シナモン
世界最古のスパイスともよばれるシナモンは、紀元前4000年頃前からミイラの防腐剤として、エジプトで使われ始めました。甘く気分を高揚させてくれる香りが特徴的で、日本では正倉院に宝物として奉納され、「薬物」としても古くから利用されてきました。非常に強い抗菌作用・抗ウイルス作用があることでも有名で、香り成分であるベンズアルデヒドが、ダニを駆除する有効成分の中でも、特に効果が高いことがわかっています。シナモンの樹皮から採油したアロマオイルには、ケラチンやコラーゲンの生合成を促す作用もあり、爪や指先のケアとしても使いたいアロマオイル。シナモンのアロマオイルの香りはとても強いため、フランキンセンスやスパイス系のアロマオイルとブレンドすることもオススメです。
こんなときに使いたいシナモン
- 甘い香りで元気を取り戻したい
- 感染症予防や家の掃除にも使いたい
ダニを退治したあとは、ダニを寄せ付けないための対策が必要です。ダニはどんな環境を好むのか、またダニ避けのためのアロマはこちらを参考にしてみてください→【アロマでダニ対策】研究で効果があったアロマオイルのダニよけスプレー
ダニ駆除に効果的なアロマテラピーの使い方
マジョラム、ジュニパー、ゼラニウム、ウィンターグリーン、シナモンのアロマオイル（精油）を使って、香りを楽しみながらダニを駆除しましょう。効果的な方法としては、部屋でアロマディフューザーを使って、心地よい香りで部屋を満たしてあげる方法と、アロマスプレーを使って、布団や枕、カーペットなど、ダニが多く潜む場所にシュッとスプレーする方法がオススメです。アロマディフューザーを使う場合は、熱や水を加えない超音波タイプのものを使うと良いでしょう。アロマオイル本来の香りと有効成分を届けることができます。
ダニ駆除アロマスプレーの作り方
【用意するもの】
- 無水エタノール：10ml
- 精製水：20ml
- アロマオイル：18滴
- スプレー容器（30ml用）
【作り方】
- スプレー容器に無水エタノール入れる
- スプレー容器にアロマオイルを加え、軽く容器振る
- 精製水を加え、容器に蓋をして、再度混ぜ合わせる
【保存方法】
- 使用前に振ってから使う
- 2〜4週間を目安に使い切る
【ポイント】
- 無水エタノールや精製水は薬局、ドラッグストア、アロマ専門店、ネットで購入可能
- （精製水が購入できない場合は浄水器の水、もしくは水道水で代用）
- （無水エタノールが購入できない場合は、市販のウォッカで代用）
- ダニの種類によって駆除効果が異なる場合があるので、2〜3種類のアロマオイルをブレンドしましょう
アロマスプレーのオススメレシピ
布団や枕のダニを駆除しながら、グッスリ眠れるレシピ
- マジョラム、ジュニパー、オレンジ
マジョラムの爽やかでスパイシーな香りに、森林浴を思わせるジュニパー、フレッシュなオレンジの香りがマッチしたブレンドです。しっかりとダニへの駆除作用がありながらも、安眠を導いてくれる嬉しい香り。
カーペット、畳のダニを駆除しながら心を整える
- ゼラニウム、サンダルウッド
ゼラニウムの甘美でローズのような香りを楽しみながら、ほのかな甘味のなかに奥ゆかしさのあるサンダルウッドの香りで、ストレスから解放してくれるブレンドです。嫌なことがあった日や、イライラしてしまうときにも、心を落ち着かせてくれるでしょう。
いかがだったでしょうか？
「【手作りアロマでダニ対策】ダニ駆除に効果的な5種類のアロマオイル」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分を活用したアロマテラピーには、ダニを駆除してくれるだけでなく、人にとっては嬉しい作用がたくさんあります。アロマオイルは精油もしくはエッセンシャルオイルを使うようにしてください。100円均一などのアロマオイルは、合成香料が使われているため、ダニ駆除作用が期待できません。アロマ専門店のプラナロム/健草医学舎、生活の木、ニールズヤードなどからアロマオイルを購入されると良いでしょう。良質なアロマオイルで心地よい香りを楽しみながら、ダニ対策を行えるアロマテラピーをぜひ試してみてください。
研究参照：Acaricidal activity against Ixodes ricinus nymphs of essential oils from the Libyan plants Artemisia herba alba, Origanum majorana and Juniperus phoenicea、植物精油のマダニ類幼虫 に対する忌避効果、精油の揮散成分によるヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニおよびケナガコナダニに対する殺ダニ効果
