こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回はダイエットに苦戦している方にオススメな、香りで食欲を抑えるアロマオイルと使い方についてご紹介したいと思います。
香りだけで食欲を減らせるの?
そのように疑問に思われるかもしれませんが、香りと食欲の関係やアロマテラピーの使い方もご紹介しますので、よかったら読んでみてください。
香りで食欲を抑えるアロマオイル(精油)
食欲を抑える効果が期待できるアロマオイル(精油)は、ペパーミント、グレーフルーツ、ローズマリー、カモマイル・ローマン、金木犀(キンモクセイ)になります。
それぞれ使う場面が違いますので、「食欲」と「脳」、また「香り」との関わりをご紹介したのちに、使い方をお伝えしたいと思います。
「食欲」と「脳」と「香り」:コントロールするのは脳の中心部分
視床下部
「脳」といってもさまざまな部位がありますが、食欲を制御しているのは脳の中心部に近い視床下部という部分にあります。
視床下部内には食欲を増進させる「摂食中枢」と食欲を抑制する「満腹中枢」が存在し、中枢神経系や自律神経系によって、両者がバランスを保ちながら共存しています。お腹が空いたり満腹感を感じたりするのは「血糖値」が関係しており、血糖値が低下すると摂食中枢が刺激され、空腹感が生まれることで食欲がわいてきます。逆に食べ物が消化して血液中の血糖値が高くなると、満腹中枢に働きかけ摂食を抑えるのです。
交感神経が強く働いている時(脳が活発な状態、興奮していたり、緊張している時)は、アドレナリンが分泌され、身体に蓄えられているグリコーゲンからグルコースが作られ血糖値が上昇します。仕事で集中している時やスポーツをしている時にはあまりお腹が空いたと感じないのではないでしょうか?それは交感神経が強く働き血糖値が高くなるためお腹が空いたと感じにくいためです。逆に仕事がひと段落した時やスポーツを終えた後には急に空腹を感じることがありますが、それはリラックスして副交感神経が活発になったからともいえます。
大脳辺縁系
大脳辺縁系は感情や生理的欲求(好き嫌い、心地よい不快、食べたい食べたくないなど)と記憶に対する主要な役割を持っています。
大脳辺縁系は嗅覚からの刺激の影響を直接的に受けるため、好きな食べ物の香りを嗅ぐと食事の記憶が呼び起こされ、生理的欲求が高まることで、食べたい!と感じるのです。アロマテラピーによる香りも大脳辺縁系に対して直接的な働きかけをするため、食べたい!などの生理的欲求に関係したり、心地よいと感じリラックスさせたりしてくれます。つまり香りによって直接的に食欲を抑えたり、食べたい欲求を我慢している時の「イライラ」を抑えることができるのです。また大脳辺縁系と視床下部は相互に影響を与え合うため、香りの刺激が大脳辺縁系に伝わり視床下部にも影響を及ぼします。アロマテラピーの香りはそのような経路をたどることでも、交感神経を活発にさせ空腹を感じにくくする作用もあります。
嗅覚に関して詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください→嗅覚の3つ特徴を理解してアロマテラピーの香り効果を楽しむ方法
【ダイエットに効果的】食欲を抑えるアロマオイル
ここからは食欲を抑えるのに効果的なアロマオイル(精油)をご紹介したいと思います。
先ほどの「食欲」と「脳」と「香り」の部分でもご紹介しましたが、アロマオイルの香りには3つの作用が期待できますので、3つの作用からアロマオイル(精油)を使う場面をご紹介していきたいと思います。
- 直接的に食欲を抑える
- 交感神経の働きを高め、空腹を感じさせにくくする
- 食べたいイライラを香りで癒す
ペパーミント
ペパーミントはスーとした爽快感のある香りから気分をリフレッシュさせてくれます。そのため食べたいイライラを感じた時にも有効ですし、交感神経を高める働きもあるので、空腹を感じにくくさせてくれる効果も期待できます。アメリカのウィーリンジーザス大学の研究では、ペパーミントの香りで食欲を抑えることで、5日間の総摂取カロリーが3,485kcalも減少したとの研究結果も発表されています。私自身もファスティングの際にペパーミントとの相性がよかったのでオススメのアロマオイルです。ファスティングの詳細はこちらを参考にしてみてください→【ファスティング体験】アロマの香りで食欲抑制できるのか?
グレーフルーツ
グレープフルーツには「ヌートカトン」と呼ばれる香りの成分を含んでおり、花王生物科学研究所の研究(マウスに対して)で、エネルギー消費量を増加させるとともに、脂肪の燃焼効果も増加させる効果が発表されています。交感神経を高める作用があり、空腹を感じにくくさせる効果が期待できるので、仕事中や休憩中などの日中に香りに使用することが良いでしょう。
ローズマリー
ローズマリーのアロマオイルには多くの研究で、交感神経を高め記憶力や集中力がアップしたとの報告があります。交感神経を高め空腹を感じにくくさせてくれるとともに、記憶力や集中力をアップさせる効果があるため、仕事中や勉強中に使用することが特にオススメです。
カモマイル・ローマン
カモマイル・ローマンはリンゴのような甘い香りには高いリラックス効果があります。食べたいイライラを強く感じた時や、お腹が空いて眠れない時などに香りを使うことで気持ちを癒してくれ、イライラから開放してくれます。
金木犀(キンモクセイ)
キンモクセイには食欲を増進させる「オレキシン」を抑制する効果があるとされています。睡眠を促す効果もあるため、仕事終わりや寝る前のリラックスタイムに使用すると良いでしょう。
【ダイエットに効果的】食欲を抑えるアロマテラピーの使い方
アロマテラピーの使い方としては、ティッシュやアロマストーンにアロマオイル(精油)数的垂らして香りを楽しむ方法や、アロマスプレーを作って使用するのもオススメです。
私がファスティングで実践していた方法としては、空腹を感じにくくするために仕事中はアロマスプレーで香りを使い、空腹を感じた時はアロマストーンにアロマオイルを2滴垂らし、深呼吸するように香りを嗅ぎました。アロマスプレーの作り方は下記を参考にしてみてください。
【用意するもの】
- 無水エタノール:30ml
- 精製水:20ml
- アロマオイル:10滴
- スプレー容器(50ml用)
【作り方】
- スプレー容器に無水エタノール入れる
- スプレー容器にアロマオイルを加え、軽く容器振る
- 精製水を加え、容器に蓋をして、再度混ぜ合わせる
おすすめブレンド
ご紹介した各アロマオイルを購入して使用することも良いですが、いろいろなアロマオイルがブレンドされたものを使用することもオススメです。
ブレンドオイルを使うと様々な効果が期待できますし、香りのバランスがよく毎日使っても香りを楽しむことができます。アロマオイルをお持ちでない方は、まずは市販のブレンドオイルを試してみるのも良いと思います。
アロマフレグランス コンセントレート
プラナロム/ケンソーから発売されている「コンセントレート」は交感神経を高め、集中力をアップさせるローズマリーやペパーミントがブレンドされています。アロマフレグランスになっているので、仕事の休憩中などにティッシュに含ませて香りを楽しめば、食欲を抑えるためだけでなく、仕事にも集中できる効果が期待できます。
いかがだったでしょうか?
「【ダイエットに効果的】香りで食欲を抑える5種類のアロマオイル」をご紹介させていただきました。皆さんのダイエットの悩みに少しでもお役に立てると嬉しいです!アロマテラピーの香りによる食欲への効果は、私自身も実証済みですのでぜひ皆さんも試してみてください。