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アロマの基礎知識

【アロマオイルの成分で効能•効果を見分ける】12種類の芳香成分類一覧

 

こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【アロマオイルの成分で効能•効果を見分ける】12種類の芳香成分類一覧をご紹介したいと思います。

オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル。それぞれのアロマオイルにどのような素晴らしい作用があるのかを見分けるためには、含まれている有効成分を理解することが大切です。そのために必要な知識と、代表的な芳香成分類をご紹介します。ご自身がアロマオイルを購入するときにも参考になると思うので、ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

アロマオイル有効成分の基礎知識

 

アロマオイルの心地よい香りは、人々に癒しを届けてくれるだけでなく、心身のトラブルを解消するために有効成分が働きかけてくれます。アロマテラピーの素晴らしい作用は、海外では医療としても用いられ、アロマテラピーを使った研究は1000報以上の論文が報告されるほど。日本だけでなく世界中で愛されているアロマテラピーを有効活用するために、しっかりと基礎知識を身につけましょう。

 

アロマオイルに含まれる成分

アロマオイルには数多くの有効成分を含まれていて、一般的にアロマオイルの有効成分は「芳香成分類」と「芳香分子」によって表されます。芳香分子は1つ1つの有効成分のことであり、芳香分子は芳香成分類というグループに所属しています。たとえばラベンダーを例にしてみると、芳香成分類であるモノテルペンアルコール類の、リナロールという芳香分子を含んでいます。モノテルペンアルコール類には、抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫調整作用などの効能・効果があり、リナロールには鎮静作用、血圧降下作用、抗不安作用などがあります。ラベンダーのアロマオイルは、芳香成分類のモノテルペンアルコール類の特性と、芳香分子のリナロールの特性を併せ持つのです。

  • ラベンダー:アロマオイル名
  • モノテルペンアルコール類:芳香成分類
  • リナロール:芳香分子

 

芳香成分類と芳香分子を簡単に考えると

芳香成分類と芳香分子、すでに呪文のように聞こえますよね…。もっと簡単に考えるためにアイドル業界に例えてみたいと思います。芳香成分類をジャニーズの嵐(ARASHI)としたとき、芳香分子はメンバーの二宮さんなどになります。ジャニーズにはさまざまなグループがあり、それぞれのグループにコンセプトや特色があります。そのなかでもメンバー1人1人は個性や特徴を持っており、グループのコンセプトや特色、メンバー1人1人の個性や特徴によって、嵐全体のイメージができあがりますよね?それと同じでメンバーとしてのリナロールが、モノテルペンアルコール類と呼ばれるグループに所属しており、リナロールとモノテルペンアルコール類の成分によって、ラベンダーのアロマオイル全体の特徴を形作るのです。

 

ふみや
ふみや

芳香成分類:アイドルグループの名前(例:嵐)、芳香分子:アイドルグループのメンバー(例:二宮さん)とイメージするとわかりやすいと思います

 

 

 

 

 

芳香成分類を理解して効能・効果を見分ける

 

ここでは代表的な12種類の芳香成分類についてご紹介したいと思います。アロマオイルには1つの芳香成分類だけでなく、複数種類の芳香成分類を含んでいることが大半です。芳香成分類を理解することで、大まかなアロマオイルの効能・効果を見分けることができます。

 

ふみや
ふみや

芳香分子を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【アロマオイルの作用を成分で理解する】芳香分子の効能一覧表

 

 

【モノテルペン炭化水素類】

多くのアロマオイルに含まれる芳香成分類であるモノテルペン炭化水素類。とくに柑橘系果皮から採油されるアロマオイルや、樹木から採油されるアロマオイルに多く含まれます。分子量が小さいことが特徴で、揮発性が高いため香り立ちが早く、肌への浸透もしやすいと言われています。

主な作用

抗菌作用、抗ウイルス作用、鬱滞除去作用、抗炎症作用、コーチゾン様作用(※鬱滞除去(うったいじょきょ):血液や体液を取り除く、むくみの解消など。※コーチゾン様:抗アレルギー作用など)

非常に多く含むアロマオイル(80%以上程度)

オレンジ、レモン、ジュニパー、サイプレス、フランキンセンス

多く含むアロマオイル(50%前後)

ティートゥリー、ブラックスプルース、ベルガモット、ローズマリーカンファー、ネロリ、オレガノ

主な芳香分子

δ-3-カレン、テルピネン、サイメン、ピネン、フェランドレン、ミルセン、リモネン

 

 

【セスキテルペン炭化水素類】

モノテルペン炭化水素と同じように、C(炭素)とH(水素)のみで構成された炭化水素です。モノテルペン炭化水素より分子量は大きくなるため、香り立ちが中〜遅程度のアロマオイルが多くなります。

 主な作用

鎮静作用、抗炎症作用、抗ヒスタミン作用、抗アレルギー作用、強壮刺激作用、鬱滞除去作用(※強壮刺激:体全体を元気にする作用)

多く含むアロマオイル(10〜30%程度)

カモマイルジャーマン、パチュリー、ヘリクリサム、シダーウッド

主なな芳香分子

エレメン、カマズレン、ジンギベレン、セスキフェランドレン

 

 

【モノテルペンアルコール類】

炭化水素に水酸基(-OH)がついたモノテルペンアルコール類。抗菌作用、抗ウイルス作用に優れていて、肌への刺激も少ないため使いやすいことが特徴です。スキンケアや肌トラブルの解消に嬉しい成分です。

主な作用

抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫調整作用、鎮静作用、神経強壮作用、(※鎮静:興奮を落ち着かせる作用)

多く含むアロマオイル(30%以上程度)

ゼラニウムエジプト、ティートゥリー、パルマローザ、ペパーミント、ホーウッド、マジョラム、ラベンダーアングスティフォリア、ラベンダースピカ、

主な芳香成分

ゲラニオール、シトロネロール、ツヤノール、テルピネオール、テルピネン-4-オール、ネロール、ボルネオール、メントール、リナロール

 

 

【セスキテルペンアルコール類】

モノテルペンアルコール類より分子量が大きく粘性があります。ホルモン様作用を持っていることが特徴であり、主には女性ホルモンのエストロゲンに作用します。そのためホルモン依存性癌疾患(乳癌、子宮内膜癌など)を患っている方や、乳腺症の方は使用を避けるように注意が必要です。

主な作用

ホルモン様作用(主にエストロゲン様作用)、鬱血除去作用、強壮刺激作用

多く含むアロマオイル(30%以上程度)

サンダルウッド、パチュリー

主な芳香分子

カロトール、サンタロール、セドロール、ネロリドール、パチュロール、ビサボロール、ビリジフロロール

 

 

【ジテルペンアルコール類】

炭素を20個持っており分子量が大きいです。ホルモン様作用を持っていることが特徴であり、主には女性ホルモンのエストロゲンに作用します。そのためホルモン依存性癌疾患(乳癌、子宮内膜癌など)を患っている方や、乳腺症の方は使用を避けるように注意が必要です。

 主な作用

エストロゲン様作用(主にエストロゲン作用)、強壮刺激作用

多く含むアロマオイル(微量〜20%程度)

ジャスミン、クラリセージ

主な芳香分子

スクラレオール

 

 

【エステル類】

果実のような甘くフルーティーな香りに、フローラル調が合わさったような香りが特徴です。化学的に中性的な性質をもつことからも、心身のバランスを整え、心を落ち着かせてくれる作用に優れます。作用が穏やかで刺激が少なく、安全性が高い性質も持っています。

主な作用

鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用、鎮痙攣作用、血圧降下作用

多く含むアロマオイル(30%以上程度)

イランイラン、ウインターグリーン、カモマイルローマン、クラリセージ、ジャスミン、プチグレン、ベルガモット、ラベンダーアングスティフォリア

主な芳香分子

アントラニル酸ジメチル、蝶酸シトロネリル、酢酸ネリル、酢酸ベンジル、酢酸ボルニル、サリチル酸メチル

 

 

【ケトン類】

脂肪溶解作用があることから、ダイエットを目的にしたマッサージに適しています。そのほかにも新しい細胞を促進する働きもあるとされ、スキンケアに効果的です。ケトン類には神経系への作用があるため、乳幼児や妊婦、高齢者への使用には注意が必要です。

主な作用

粘液溶解作用、脂肪溶解作用、胆汁分泌促進作用、去痰作用、瘢痕形成作用(※去痰:たんの除去。※瘢痕形成(はんこんけいせい):傷を治したり、かさぶたを作る作用)

多く含むアロマオイル(微量〜)

カモマイルローマン、ペパーミント、ヘリクリサム、ラベンダースピカ、ローズマリーカンファ、ローズマリーシネオール

特徴的な芳香分子

カルボン、カンファー、クリプトン、β-ジオン、ベルベノン、メントール

 

 

【フェノール類】

非常に強い抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用を持つことから、感染症予防やカビ、害虫対策などに効果的です。一方で皮膚への刺激も強いため、低濃度・短期間での使用にとどめることが必要です。

主な作用

抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、抗寄生虫作用、強壮刺激作用、免疫刺激作用

多く含むアロマオイル(50%以上程度)

オレガノ、クローブ

主な芳香分子

オイゲノール、チモール

 

 

【芳香族アルデヒド類】

フェノール類と同じく、非常に強い抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用を持つことが特徴です。皮膚への刺激も強いため、十分に希釈して短期間で用いるようにしましょう。

主な作用

抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、抗寄生虫作用、免疫刺激作用、神経強壮作用

多く含むアロマオイル(50%以上程度)

シナモンカッシア

主な芳香分子

クミンアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、ベンズアルデヒド

 

 

【フェノールメチルエーテル類】

筋肉や神経組織のけいれんを抑制したり、硬直をほぐす作用に優れます。皮膚への刺激があるため、希釈してから使用してください。

主な作用

鎮痙攣作用、鎮痛作用、抗炎症作用、筋肉弛緩作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用

多く含むアロマオイル

アニス、バジル

主な芳香分子

アネトール、チャビコールメチルエーテル

 

 

【テルペンアルデヒド類】

炎症を抑える作用に優れます。虫除けとしても効果的で、強い香りと殺菌力が特徴です。皮膚への刺激があるため、希釈してから使用してください。

主な作用

抗炎症作用、鎮痛作用、結石溶解作用、鎮静作用、昆虫忌避作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用

多く含むアロマオイル(50%以上程度)

ユーカリレモン、リトセア、レモングラス、メリッサ

特徴的な芳香分子

シトロネラール、ゲラニアール、ネラール

 

 

【酸化物・オキサイド類】

揮発性が高く、強い爽快感のある香りを持ちます。優れた去痰作用、抗炎症作用を持つことから、呼吸器感染症やアレルギー性疾患に効果的。

主な作用

去痰作用、抗炎症作用、免疫調整作用、粘液溶解作用、抗カタル作用、抗ウイルス、免疫調整作用(※抗カタル:咳やのどの痛みなど、風邪にみられる作用を沈める)

多く含む精油(30%以上程度)

カモマイルジャーマン、ユーカリラディアタ、ラヴィンツァラ、ラベンダースピカ、ローズマリーシネオール、ローレル

特徴的な芳香分子

1,8シネオール、ビサボロールオキシド

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

「【アロマオイルの成分で効能•効果を見分ける】12種類の芳香成分類一覧」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイルを活用するためには、それぞれの作用を理解する必要があります。正しい知識を持ってアロマテラピーを楽しむために、ご紹介した内容が少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマオイルを購入されるときの参考にしてみてください。

 

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