こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【かかとのカサカサやジクジク水虫】ティートゥリーアロマオイルの効果をご紹介したいと思います。
日本人の20〜30%が水虫にかかっているとされ、もしかしたら自分も水虫ではないかとお悩みの方も多いのではないでしょうか?
かかとが白くなりカサカサしたり、水ぶくれができてかゆい、指の間の皮がむけて赤くなってきた、そのような症状は水虫の可能性があります。今回は水虫に対するアロマテラピーの研究をご紹介するとともに、水虫を予防するためのアロマオイルのレシピや使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
水虫の原因
水虫は白癬菌(はくせんきん)といわれるカビの一種が原因となっておこります。皮膚科学会の発表によると5人に1人が白癬菌を有していると発表されており、最近では水虫になる女性が増加、男性と同じもしくは女性のほうが多いとも言われています。白癬菌をもっているからといって、必ずしも水虫になるのでななく、白癬菌が付いている状態で、菌が繁殖することによって、水虫になっていきます。高温多湿の環境であると菌は繁殖しやすいため、梅雨の時期や夏場に多いのもそのせいです。
女性に多いのは、つま先の細い靴で指先が密集して蒸れたり、ブーツなどを履く機会が多いことが理由のひとつです
簡単な水虫対策
たとえば、スポーツジムなどで他の人の菌が付着し、つま先の細い靴など蒸れやすい靴を毎日履いていたとすると・・・菌にとっては絶好の繁殖できる場所になってしまうわけです!水虫が心配の方はまずは下記を実施してみてください。
毎日同じ靴を履かない | 毎日こまめに洗う(できれば入浴する) |
蒸れやすい靴をさける(通気性の良い靴下・靴を選ぶ) | 共同で使う施設では素足にならない |
部屋の掃除をする |
【水虫に対する研究】ティートゥリーアロマオイルの効果
ティートゥリーのアロマオイル(精油)を使ったフットバス(足浴)や、アロマオイルを足に塗ることによって、水虫の症状を改善する効果が研究論文で発表されました。
研究内容①
デイケア・訪問看護利用中の患者を対象に、ティートゥリーのアロマオイルによる足浴を実施し、水虫の症状の変化を検討した。足浴の方法は1回5分、1ヶ月の間に4〜8回実施した。湯量を足首程度としティートゥリーのアロマオイルを3滴加えた。結果として趾間(しかん:足の指と指の間)の発赤が6/6名、表皮剥離が5/9名、乾燥が5/8名、湿潤が5/7名で症状が改善した。また踵(かかと)などの部分での発赤が3/6名、表皮剥離が3/9名、乾燥が10/10名で症状が改善した。
参照:白癬菌に対するアロマオイル足浴の抗菌効果
研究内容②
水虫患者3名対象に、ティートゥリーのアロマオイルをホホバオイルに10%濃度で希釈したオイルを1日2回塗布した。結果として爪の白濁が取れ、厚みが薄くなった。また使用した患者さんの感想として「皮膚がカサつかずにツルツルになる」と実感。(山下内科医院の山下えり子先生の学会報告)水虫患者5名を対象に、外用薬の1%塩酸テルビナフィン液や1%塩酸ブテナフィン液に、5%濃度でティートゥリーのアロマオイルを混ぜたものを使用した。結果として3/5名で症状が改善した(スザカ皮膚科クリニックの竹重量子先生の学会報告)
研究①で報告された「表皮剥離」は、水むぶれなどができ皮膚が剥がれてしまう症状であり、「湿潤」は液がでてジュクジュクした患部の症状のことを表します。水虫のタイプによる症状を詳しく知りたい場合はこちらの記事を参考にしてみてください→これって水虫⁉︎水虫の原因と治療【4つの効果的なアロマオイル】
水虫に対するティートゥリーの有効成分
ティートゥリーのアロマオイル(精油)には、抗菌・抗真菌作用に優れた「モノテルペンアルコール類」とよばれる成分を多く含んでいます。
ティートゥリーは抗菌作用に優れており、海外ではさまざまな感染症予防に使用され「アロマテラピーのスター」ともよばれています。ご紹介した研究では水虫による赤みや、ジュクジュク、かかとのカサカサなど多くの症状を改善しています。
私が水虫にアロマテラピーをオススメする理由としては「白癬菌や水虫の症状に効果がある」「肌の状態を整える効果で足の裏のカサカサを改善してくれる」「アロマオイルの香りを楽しめる」などが期待できるためです。
ティートゥリーを使った効果的なアロマテラピーの使い方
ここからはティートゥリーのアロマオイル(精油)を使った、効果的なアロマテラピーの使い方と使う場面をご紹介したいと思います。
ご紹介した研究では、ティートゥリーのアロマオイルをアロマフットバス(足浴)や足に塗ることで、症状を改善する効果が認められました。研究①ではプラナロム/ケンソーのアロマオイルが使用されています。プラナロム/ケンソーはオーガニックであり、有効成分の管理も徹底されている高品質なオイルを扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。私もよくプラナロム/ケンソーのアロマオイルを使いますが、しっかりと効果を実感したいときにはオススメです。
アロマフットバスの方法
大きめの洗面器かバケツ、浴槽に熱めのお湯を注ぎます。バスオイルなどの乳化剤に「ティートゥリー」のアロマオイルを洗面器であれば1〜2滴、バケツや浴槽の場合は2〜3滴を加え、よくかき混ぜてから足をくるぶしぐらいまで5分間お湯につけます。ティートゥリーはフレッシュでスパイシーな香りが特徴で、アロマフットバスで使うことによって、ティートゥリーの抗菌作用だけでなく、香りを楽しむことができます。またフットバスには全身の血流を促進して身体を温める効果や、足に溜まった老廃物の排泄を促す効果も期待できます。お湯の温度が下がってきたら、熱いお湯を足して調整してみてください。
敏感肌の方のアロマフットバス
アロマオイルの原液に触れることで、刺激を感じることがありますので、特に敏感肌の方はプラナロム/ケンソーから発売されている「バスオイル」などの乳化剤に、アロマオイルを混ぜて使用することがオススメです。バスオイル5mlにアロマオイル2〜3滴を垂らし、洗面器等に加えてみてください。ティートゥリーのアロマオイルだけでなく、ラベンダーやオレンジなどの柑橘系のアロマオイルをブレンドすることで香りの変化を楽しむことができるので、よかったら試してみてください。
ブレンドオイルの作り方
ご紹介した研究②では、ティートゥリーのアロマオイルをホホバオイルなどのキャリアオイルで希釈して、患部に塗る方法で行われました。ティートゥリーは皮膚への刺激が強いアロマオイルではないので10%濃度でも良いですが、はじめて使う場合はパッチテストを実施してから、2〜3%濃度で使用するほうが良いと思います。2%濃度の場合はキャリアオイル20mlに対してアロマオイルを8滴、3%濃度の場合はキャリアオイル20mlに対してアロマオイルを12滴加えると作ることができます。加えるアロマオイルの半分ぐらいをティートゥリーのアロマオイルを使い、半分はラベンダーやパルマローザ、柑橘系のアロマオイルをブレンドすると、より香りを楽しむことができます。お風呂上がりなどに使用すると良いでしょう。
プラナロム/ケンソー 「マッサージオイル」
プラナロム/ケンソーから発売されている「マッサージオイルSタイプ」は、ティートゥリーやラベンダー、パルマローザなどのアロマオイルがブレンドされたマッサージオイルです。優しく癒しを与えてくれる香りになっており、はじめてアロマテラピーを使う方にも馴染みやすい香りになっています。アロマテラピーをやったことがなかったり、アロマオイルをお持ちでない方はまずはこのマッサージオイルを試してみて、アロマテラピーが良いなと感じたらいろいろなアロマオイルを購入されるのも良いと思います。足の裏だけでなく、全身のマッサージ用としても使うことができます。
アロマテラピーを使う場面
アロマテラピーには素晴らしい効果がありますが、医薬品として日本では使用することができません。そのためオススメのアロマテラピーを使う場面としては、最近足が臭いなと思うタイミングや、梅雨や夏場、またブーツで足が蒸れる季節などに、水虫にならないように毎日のケアで使うと良いと思います。私自身も日々のケアとして足の裏にもアロマオイルを塗っています。そのほかにも水虫の治療を終えた後に、再発しないように日々のケアとして使うにもオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【かかとのカサカサやジクジク水虫】ティートゥリーアロマオイルの効果」をご紹介させていただきました。水虫でお悩みの方に少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーを使うときは有効成分が入った「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載されているものを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルを香りを楽しむのにはいいのですが、合成香料を使っているため効果は期待できません。私はフットケアとしてはプラナロムのアロマオイルを使っています。みなさんもよかったら試してみてください。