こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【アトピー性皮膚炎に効果的なアロマオイル】ストレスを感じると痒くなるをご紹介したいと思います。
かゆみを伴う湿疹によって、夜ゆっくり眠れない、仕事や勉強に集中できないなどと、生活に影響を及ぼすアトピー性皮膚炎。そのようなアトピー性皮膚炎に対するアロマテラピーの研究があります。その研究をもとにアロマテラピーの使い方もご紹介していきますので、ぜひ読んでみてください。
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。
アトピー性皮膚炎は、もともと気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎などのアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多くみられる皮膚の炎症をともなう病気です。主な症状は「湿疹」と「かゆみ」であり、多くの場合は思春期前に軽快しますが、10〜20%の方は成人になっても継続します。
アトピー性皮膚炎ができやすい部位
赤みのある湿疹、プツプツと盛り上がりのある湿疹、ジクジクと水分の多い湿疹、ゴツゴツしたしこりのような湿疹がよくみられ、掻くことによって皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたができたりします。湿疹ができやすい部位は個人差がありますが、顔、耳や首回り、わきの下やひじの内・外側、ももの付け根、ひざの表・裏側などに多くみられます。
アトピー性皮膚炎の悪化要因
アトピー性皮膚炎では「皮膚のバリア機能」が弱まっているため、外部の異物が簡単に皮膚の中まで入り込みやすい状態になっています。そのため唾液、汗、髪の毛の接触、衣類との摩擦、掻破による刺激、外用薬、化粧品、金属、シャンプーやリンスなどのかぶれ、ダニ、ほこり、花粉、ペットの毛などによって症状が悪化することがあります。またそれらを吸入したり、食物を食べたり、ストレスを感じたときにも症状が悪化することがあります。
アトピー性皮膚炎のかゆみやストレスケアに関する研究
ティートゥリー、ラベンダー、ブラックスプルース、カモマイルジャーマン、カモマイルローマン、ヨーロッパアカマツ、スギなどのアロマオイル(精油)を使うことで、アトピー性皮膚炎の症状を緩和した研究結果があります。
研究内容①
池田回生病院の田水先生が行なった研究によると、ティートゥリーのアロマオイルを中心に、アトピー性皮膚炎に対しての治療を行なったところ、2〜3週間でかゆみの症状の改善が認められました。アロマオイルは症状に応じて、鎮静作用のあるラベンダーや、抗アレルギー作用の強いカモマイルローマン、抗炎症作用のあるブラックスプルースなどを使用。アトピー性皮膚炎の患者に1日数回塗布し、かゆみが強い場合はカモマイルローマン、カモマイルジャーマンを追加し、発赤、腫脹などの炎症が強い場合にはブラックスプルースやヨーロッパアカマツを加えた。
研究内容②
アトピー性皮膚炎の患者を対象に、ラベンダーアングスティフォリア、ブラックスプルース、カモマイルジャーマンをマカダミアナッツオイルで3%に希釈し、1週間に1回、全8回アロママッサージを行なった。結果として「皮膚のかゆみ」「皮膚の乾燥」などに改善が認められた。
その他にもスギのアロマオイルを塗布することで、80%の患者さんのかゆみのスコアが改善した研究結果や、アロマテラピーを使用することで患者さんのストレスを軽減した研究結果があります。
アトピー性皮膚炎に効果的なアロマテラピーの使い方と使う場面
ここからはアトピー性皮膚炎に効果的なアロマテラピーの使い方と、使う場面についてご紹介したいと思います。オススメの方法としてはアロマバス、またお風呂上がりなどにマッサージオイル、トリートメントオイルとして使用する方法です。
アロマバス
アロマバスとしてアロマテラピーを使うことによって、香りによる癒しの効果が心身をリラックスさせてくれます。特にストレスでかゆみを感じてしまう方にオススメの方法で、アロマ雑貨店でアロマオイル(精油)がすでにブレンドされたものが販売されていますし、ご自身でも簡単に作ることができます。
アロマバスの作り方
【用意するもの】
- 乳化剤:20ml
- アロマオイル(精油):10滴
- ガラス容器(20ml用)
【作り方】
- ガラス容器に乳化剤を入れる
- ガラス容器にアロマオイルを加え、軽く容器振る
【ポイント】
- 入浴2〜3回分になります。
- アロマオイルを15〜30滴程度まで増量可能
オススメのブレンド
アロマオイルを10滴ブレンドする場合は、ティートゥリー、ラベンダー、ブラックスプルース、カモマイルジャーマン、カモマイルローマン、ヨーロッパアカマツ、スギのアロマオイルから6滴、1種類もしくは数種類に加え、お好きな香りのアロマオイル4滴ブレンドすることがオススメです。アトピー性皮膚炎にも効果的なアロマオイルをブレンドでき、お好きな香りのアロマバスにすることもできる配分になっています。
アロマオイルは品質の良い精油を選ぶようにしてください。化学物質が含まれているアロマオイルだと、肌トラブルを起こしてしまう可能性があります。品質の良いアロマオイルの見分け方はこちらの記事を参考にしてみてください→【アロマオイル/エッセンシャルオイル/精油】3つの違いと注意点。また香りのブレンド方法がわからない場合はこちらの記事を参考にしてみてください→【記事まとめ】調香師が使う簡単ブレンドアロマオイルの作り方と3つのコツ
アロマバスの注意点
乳化剤とはバスオイルのことでアロマオイルをお湯に均一に混ぜる作用があり、肌に直接アロマオイルが触れることを防いでくれます。サイトによってはお風呂にアロマオイルを直接入れる方法をご紹介していますが、肌トラブルの原因となることがありますので、乳化剤もしくはキャリアオイルで希釈してから使うようにしてください。特に皮膚のバリア機能が弱まっている場合には注意が必要です。アロマバスオイルを使用する場合は、アレルギー反応が起きないか、バスオイルを洗面器にお湯と加えて、身体の一部分に垂らして1日様子をみると良いと思います。アレルギー反応をみるためのパッチテストを詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください→アロマオイルにも注意が必要!パッチテストの方法と判定時間
オススメのバスオイル
プラナロム/ケンソーの「ケンソーバスオイル」など、アロマ雑貨店ではアロマオイルがブレンドされていないプレーンのバスオイル(乳化剤)を購入することができます。プラナロム/ケンソーのバスオイルは品質も高く、肌に優しいオレス-5が使われているのでオススメです。
マッサージ・トリートメントオイル
アロマオイルがブレンドされたマッサージオイルや、トリートメントオイルを使うこともオススメです。アロマテラピーにはアトピー性皮膚炎に対する効果が研究で認められていますが、日本では医療として使用することができません。そのためアトピー性皮膚炎を医療機関に受診して、お薬をもらっている場合は、しっかりとお薬を使うようにしてください。マッサージオイルやトリートメントオイルを使う場面として、アトピー性皮膚炎が良くなり、お医者さんからお薬は使わなくても大丈夫ですと言われた後に、日々のスキンケアとして使用する方法が良いと思います。アトピー性皮膚炎は再発することがありますので、それを予防するためにもアロマテラピーは役に立つと思います。
マッサージオイル・トリートメントオイルの作り方
【用意するもの】
- キャリアオイル:20ml
- アロマオイル(精油):8滴
- ガラス容器(20ml用)
【作り方】
- ガラス容器にキャリアオイルを入れる
- ガラス容器にアロマオイルを加え、軽く容器振る
【ポイント】
- アロマオイル2%濃度のマッサージ・トリートメントオイルです
オススメのブレンド
アロマオイルを8滴ブレンドする場合は、ティートゥリー、ラベンダー、ブラックスプルース、カモマイルジャーマン、カモマイルローマン、ヨーロッパアカマツ、スギのアロマオイルの中から5滴、1種類もしくは数種類に加え、お好きな香りのアロマオイル3滴ブレンドすることがオススメです。
マッサージ・トリートメントオイルでアレルギー反応が起きないか、作ったブレンドオイルを1滴腕などに垂らした後に拭き取り、1日様子をみるなど、パッチテストを実施してから使うようにしてください
プラナロム/ケンソー 「マッサージオイルSタイプ」
プラナロム/ケンソーから発売されている「マッサージオイルSタイプ」は、ティートゥリーやラベンダーアングスティフォリア、カモマイルジャーマンなどがブレンドされたマッサージオイルです。肌に優しいアロマオイルがブレンドされており、香りも親しみやすいため、どなたにも使用しやすいマッサージオイルです。お風呂上がりや、疲れたときなどの心身のリラックスのために使うのもオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【アトピー性皮膚炎に効果的なアロマオイル】ストレスを感じると痒くなる」をご紹介されていただきました。皆さんのお悩みの解決に少しでもお役に立てると嬉しいです。
アロマテラピーを使うときは、有効成分が入った「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載されているものを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルを香りを楽しむのにはいいのですが、合成香料を使っているため効果は期待できません。私は日々のケアとしてはプラナロムのアロマオイルを使っています。みなさんもよかったら試してみてください。
参照:研究①アトピー性皮膚炎に対するアロマテラピー、研究②KKスケール法を用いた、アトピー性皮膚炎の既往がある被験者に対するアロマテラピー効果の評価