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身体のケア

抗がん剤の吐き気をアロマでセルフケア_研究で効果が認められた香り

 

こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【抗がん剤の吐き気をアロマでセルフケア】研究で効果が認められた香りをご紹介したいと思います。

日々進歩する抗がん剤の治療。癌と戦うために用いられる抗がん剤の副作用には、吐き気が伴うことをご存知の方も多いのではないでしょうか?吐き気はツラい症状ですが、そんな患者さんを救うべく、日本だけでなく世界中でアロマテラピーを用いた研究が数多く行われてきました。吐き気の予防や緩和に効果的なアロマオイルと、アロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

抗がん剤の吐き気に効果的なアロマオイル

 

オーガニックの成分が凝縮されたアロマオイル(精油)には、心地よい香りで人々に癒しを届けてくれるだけでなく、有効成分が吐き気の予防や緩和のために働きかけてくれます。その優れた作用から数多くの研究でも用いられ、2020年だけでも10報以上の研究論文が発表されています。抗がん剤の吐き気にはペパーミントとジンジャーのアロマオイルがオススメです。

 

抗がん剤による吐き気に使いたいアロマオイル

  • ペパーミント
  • ジンジャー

 

 

 

 

 

なぜ抗がん剤によって吐き気が起こるのか

 

抗がん剤の治療中に患者さんの生活の質を低下させる吐き気。その吐き気はなぜ起こるのでしょうか?

それは抗がん剤が延髄にある化学受容器引金帯(CTZ)を刺激することによって、この刺激が嘔吐中枢に伝わり吐き気が起こるとされています。そのほかにも消化管の粘膜にある細胞を刺激することによっても、大量に5-HT3が分泌され嘔吐中枢に刺激が伝わります。このようにして起きた吐き気を経験することや、緊張や不安などの精神的要因によっても、吐き気が引き起こされると考えられています。

 

日々進歩する抗がん剤と吐き気止め

がんに対する薬物療法には、化学療法、内分泌療法(ホルモン療法)、分子標的療法などの種類があり、がんを治したり、がんの進行を抑えたりすることを目的として用いられます。抗がん剤は化学療法ともよばれ、「細胞障害性抗がん剤」のことをいうことがありますが、一般的にはこの細胞障害性抗がん剤に吐き気などの副作用が多いとされています。20年前には吐き気が強く、そのときのイメージを持たれている方も多いですが、副作用を減らすために薬物療法が進歩したり、免疫本来の力を利用してがんを攻撃する免疫療法などが登場してきました。この免疫療法は吐き気が少なく、また吐き気を抑える薬剤も優れた作用を持ったものが使えるようになったことでも、薬物療法=吐き気であるイメージは変わりつつあります。

 

ふみや
ふみや

吐き気がひどいときは、治療法や吐き気止め(制吐剤)について、医師としっかり相談するようにしましょう

 

 

 

 

 

オーガニックの有効成分を活用したアロマテラピーには、抗がん剤治療中や治療後に用いることで吐き気を予防したり、緩和する効果が数多くの研究で報告されています。

アロマテラピーを行うには、抗がん剤治療中や治療後にアロマディフューザーを使ったり、アロマストーンに5〜6滴アロマオイルを垂らして、香りを使用することが効果的です。そのほかにも吐き気を感じたときに、ティッシュやコットンにアロマオイルを2滴垂らして、深呼吸するように香りを吸い込む方法も良いでしょう。

 

 

ペパーミント

スッキリとした爽快感のある香りで、多くの人に親しまれるペパーミントは、歯磨き粉やガムなどに用いられることでもお馴染み。スペアミントとウォーターミント交配種であるとされ、古くから薬用としても世界中で親しまれてきました。スッキリ爽やかな香りによって、吐き気を感じて落ち込んだ気持ちを明るくさせてくれます。吐き気に対する作用はペパーミントに含まれる香り成分の「メントール」の働きが関与しているともされており、抗がん剤による吐き気だけでなく、心のケアとしても働きかけてくれます。

 

ペパーミントを用いた研究①

抗がん剤を投与した患者90名を対象に、ペパーミントのアロマオイルと制吐剤を併用した群と、制吐剤のみの群で、吐き気と嘔吐の頻度を比較検討した。ペパーミントは1日3回3%濃度のオイルを5日間鼻の下に塗布した。結果としてペパーミントオイルを使用した群で、吐き気と嘔吐の頻度を有意に低下させた。

 

ペパーミントを用いた研究②

抗がん剤を投与する患者84名を対象に、ペパーミントのアロマオイルを使う群と、使わない群での24、48時間後の吐き気・嘔吐を比較検討した。ペパーミントのアロマオイルは20ccの水に40滴加え、抗がん剤治療16時間前から、最長で抗がん剤治療48時間後まで使用した。結果としてペパーミントのアロマオイルを使用した群で、抗がん剤治療24時間後、48時間後の吐き気、嘔吐、食欲不振を有意に改善した。

 

 

 

ジンジャー(生姜)

日本はもちろん、世界中でスパイスや薬用と用いられてきた生姜。その生姜の根から採油されるジンジャーのアロマオイルは、ピリッとしたスパイシーな香りが特徴的で、落ち込んだ気持ちに活力を与え、前向きな気分にさせてくれます。ジンジャーは5-HT3受容体に拮抗する作用や、プロスタグランジンを生成する酵素を阻害する作用などによって、吐き気を緩和するとされており、抗がん剤による吐き気や、妊娠中のつわりなど、幅広く吐き気を抑える目的で用いられてきました。その作用は抗がん剤による吐き気の予防や緩和だけでなく、制吐剤の使用頻度を減らすなどの報告があり、抗がん剤治療中の心身ケアとして心強い味方となってくれます。(研究③)

 

 

 

アロマテラピーの注意点

抗がん剤の吐き気を緩和するためにアロマテラピーを使う場合は、エッセンシャルオイルや精油と記載された良質なアロマオイルを使うようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されており、精油本来の有効成分が含まれていません。アロマ専門店のプラナロム/健草医学舎が私のオススメで、オーガニックでありながら有効成分の管理も徹底されている、高品質なアロマオイルを扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。しっかり心身のケアを行うためにも良質なアロマオイルを選ぶようにしましょう。

ふみや
ふみや

吐き気や嘔吐に効果的なアロマオイルは他にもあります。よかったらこちらの記事も参考にしてみてください→【記事まとめ】5種類のアロマが吐き気に効果的〜症状別での選び方〜

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

「【抗がん剤の吐き気をアロマでセルフケア】研究で効果が認められた香り」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイルには、吐き気を予防したり緩和するために働きかけてくれるだけでなく、落ち込んでしまった気持ちに元気を与えてくれます。アロマテラピーは簡単な方法でセルフケアとして使用することができますでの、よかったら試してみてください。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。

 

研究①参照:The Effects of Peppermint Oil on Nausea, Vomiting and Retching in Cancer Patients Undergoing Chemotherapy: An Open Label Quasi–Randomized Controlled Pilot Study、研究②参照:Antiemetic activity of volatile oil from Mentha spicata and Mentha × piperita in chemotherapy-induced nausea and vomiting、研究③参照:Effects of inhaled ginger aromatherapy on chemotherapy-induced nausea and vomiting and health-related quality of life in women with breast cancer

 

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