こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回はアロマオイル(精油)の希釈計算方法をご紹介したいと思います。
ご自身でマッサージオイルやアロマスプレーなどを作りたいと思った時に、濃度の計算をどのようにすればいいのか悩んだことはありませんか?誰でも簡単にできる2ステップの計算方法をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
アロマオイル希釈の基礎知識
一般的にアロマオイル(精油)をドロッパーやスポイトで1滴垂らすと約0.05mlになるようになっています。そのためエタノールやキャリアオイルなどの溶媒5mlに対してアロマオイル1滴を加えると1%濃度になります。
例題
【キャリアオイル5mlでアロマオイル濃度2%にする場合、アロマオイルは何滴必要か】
キャリアオイル5ml × 2% = 0.10ml (アロマオイルの量)
0.10ml ÷ 0.05(アロマオイル1滴の量) = 2滴 (アロマオイルの必要滴数)
「全量5mlに対してアロマオイル1滴加えると1%濃度になる」このことを覚えておけば非常に便利になりますので、ぜひ覚えておいてください。
簡単2ステップでできるアロマオイルの希釈計算方法
それでは今までの内容を応用して、簡単3ステップでのアロマオイルの希釈計算方法をご紹介したいと思います。希釈する際にアロマオイル濃度が10%未満のものを作るか、10%以上のものを作るかによって少し計算方法が異なります。(アロマオイルを使ってマッサージオイルやアロマスプレーと作る時はほとんどが10%未満です)
アロマオイル濃度10%未満の場合の計算方法
「全量◯mlで□%濃度を作りたい時はアロマオイルが何滴必要か」
答え:必要滴数=◯×□÷5
計算方法は「全量5mlに対してアロマオイル1滴で1%濃度」を基本にします。そのためこの式は「全量5mlで1%濃度を作りたい時はアロマオイル1滴」と変更可能です。ご自身が作りたいもの「全量◯mlで□%濃度を作りたい時はアロマオイルが何滴必要か」と考えた時に、全量(◯÷5)ml×濃度(□÷1)%がアロマオイルの必要な滴数になります。
答えは◯×□を5で割るだけでいいのです!
例:全量45mlに対して濃度6%にする
ステップ1
全量◯mlと濃度□%を掛け算する 「◯×□」
例:全量45ml×濃度6%=270
ステップ2
「◯×□」を5で割る
例:270÷5=54滴
この計算式を覚えておけば、簡単に計算できますのでおすすめです!逆にキャリアオイル◯mlにアロマオイル△滴加えると、どのぐらいの濃度になるのか計算したい時は「△×5÷◯」になります。
【例外】アロマオイル濃度10%以上の場合の計算方法
アロマオイル濃度が10%以上の場合は計算方法が少し異なります。
濃度が低いうちは全体に対してのアロマオイルの量は微量であり、アロマオイル自体の量を考えずに計算しても大きな誤差が少ないため、全量(溶液量)=溶媒量と考えて問題ありませんでした。しかしながら10%以上ともなれば全体に対してのアロマオイルの量が占める割合が高くなり、アロマオイルの量も溶媒量を決めるときに計算に含めないと問題が生じるためです。
【用語の解説】
- 「溶質」=液体に溶けている物質(アロマオイル) 例:砂糖
- 「溶媒」=溶質を溶かしている液体(キャリアオイルやエタノール) 例:水
- 「溶液」=溶質が溶媒にとけた液全体(ブレンドオイル) 例:砂糖水
極端な例ですが…全量100mlのアロマオイル濃度1%を作りたいとき、正確にはアロマオイル1mlに対して溶媒は99mlですが、溶媒100ml入れても大差はありません。そのため全量(溶液量)=溶媒量と考えられます。
それに対して全量100mlのアロマオイル濃度20%を作りたいとき、アロマオイル20mlに対して溶媒80mlであり、溶媒を100ml入れてしまうと全体のバランスがおかしくなってしまいますので、全量(溶液量)=溶媒量+アロマオイル量と考えなければなりません。
アロマオイル濃度10%以上の計算方法
「全量◯mlで□%濃度を作りたい時はアロマオイルが何滴必要か」
答え:必要滴数=◯×□÷5
ここまでの計算は変わりません。その後に溶媒(キャリアオイルやエタノール)を入れる量を調整しないといけませんので、全量◯mlから必要滴数×0.05(アロマオイルの1滴の容量)を引いてあげるだけです。
例:全量45mlに対して濃度20%にする
ステップ1
全量◯mlと濃度□%を掛け算して5で割る 「◯×□÷5」
例:全量45ml×濃度20%÷5=180滴
ステップ2
溶媒の必要量は「全量◯ml−必要滴数×0.05ml」
例:45ml-180×0.05=36ml
全量45mlに対して濃度20%にするため、アロマオイルを180滴と溶媒(キャリアオイルやエタノール)を36ml加えれば作ることができます!
おすすめのアロマオイル
さまざまなメーカーのアロマオイルが流通していて、どのブランドを選んでよいか悩んでしまうときは、プラナロム/健草医学舎、生活の木、ニールズヤードなどの、アロマ専門店のアロマオイルがおすすめです。なかでもプラナロム/健草医学舎のアロマオイルは、オーガニックでありながら有効成分の管理も徹底された良質なアロマオイル(精油)を取り扱っており、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。良質なアロマオイルには、医薬品にも用いられる有効成分が含まれており、心身をリラックスさせるなどの効果が数多く研究報告されているため、良質なアロマオイルを選ぶことが大切。安価なアロマオイルは合成香料が使用されているため、研究報告されているような作用があまり期待できませんので、せっかく使うのであれば良質なものを使うようにしましょう。
いかがだったでしょうか?
最初のうちは計算式の意味が難しく思えるかもしれませんが、数回やっているうちにご紹介した計算式が簡単で使い勝手が良いものだと感じていただけると思います。ぜひマッサージオイルをブレンドする時や、スプレーを作る時などにこの方法を取り入れてみてください!
「全量◯mlで□%濃度を作りたい時はアロマオイルが何滴必要か」
答え:必要滴数=◯×□÷5
「全量◯mlにアロマオイル△滴加えるとどのぐらいの濃度になるか」
答え:濃度=△滴×5÷◯