こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【ウィンターグリーン精油は天然の湿布⁉︎】効能効果を成分から考えるをご紹介したいと思います。
ウィンターグリーンという名前を聞いたことはありますか?アロマテラピーの中でも、マイナーなアロマオイルであるウィンターグリーン。名前はマイナーでも素晴らしい効能効果があります。特に痛みや炎症を抑える働きに優れていて、肩こりや腰痛でお悩みの方にはオススメ。ウィンターグリーン精油の詳しい作用と使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
ストーリーと成分
植物名 | ウィンターグリーン |
学名 | Gaultheria procumbens |
科名 | ツツジ科 |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な成分 | サリチル酸メチル(95〜99%) |
主な産地 | カナダ、中国 |
原産地は中国、北アメリカともされるウィンターグリーンは、中国やカナダに生育する植物。アメリカインディアンは葉をすりつぶして、緊張した筋肉や炎症を抑えるために薬草として用いてきました。お茶の代わりとしても使用されていたこともあり、Tea Berry(ティーベリー)とも呼ばれ、ガムや歯みがき粉に使われるなど、人の生活に欠かすことのできない植物として重宝されてきました。成分は「サリチル酸メチル」が95%以上であり、メントール系の目が覚めるような香りが特徴的。その香りは”湿布”そのもののような香りがします。
ウィンターグリーンに期待される効能効果
香りによる効能効果
スーっとするメントール系の湿布のような強い香りをもつウィンターグリーンは、心に活力を与え元気にしてくれます。また仕事や勉強を頑張りたいとき、眠気覚ましにもピッタリな香りで、気持ちをクリアにしてくれるでしょう。湿布そのものの香りに思えますが、よく香りを感じるとハーブのような優しさをもっており、湿布に比べると丸みをおびた香りがします。頭痛の緩和にも効果的であるともされています。
ウィンターグリーンの香り作用
- 仕事や勉強を頑張りたいときに活力を与えてくれる
- 眠気覚ましにピッタリ
- 頭痛を抑えるために働きかける
体に対する効能効果
ウィンターグリーンは「サリチル酸メチル」が、95%以上含まれています。アロマテラピーで用いられる芳香植物から採油されたアロマオイルは、通常であれば複数種類の成分が含まれていることがほとんどで、ウィンターグリーンは珍しいアロマオイルともいえます。痛み、炎症、痙攣を抑える作用に優れており、その理由はなんといっても「サリチル酸メチル」によるものです。ドラグストアなどで市販されている「サロンパス」にも、サリチル酸メチルが含まれており、ウィンターグリーンは、”天然の湿布剤”とも言えるのです。実際にウィンターグリーンを用いた研究では、痛みを緩和する効果が報告されていたり、痛みと炎症の伝達物質であるサイトカインを阻害する作用などが報告されています。肩こり、腰痛、坐骨神経痛、関節炎など、さまざまな痛みや炎症を抑えるために働きかけてくれます。また痙攣を抑える作用にも優れているため、筋肉痛や足のつりの予防やケアとして、運動前後に使用することも良いでしょう。
ウィンターグリーンの体への作用
- 肩こり、腰痛、坐骨神経痛などの痛みを抑える
- 関節炎などの炎症を緩和してくれる
- 筋肉痛や足のつりの予防・ケア
その他の効能効果
ウィンターグリーンの香りは、人には元気を与えてくれる香りであっても、虫にとっては刺激臭になります。ハエ、ゴキブリ、ダニに対しての虫除け作用や、殺虫作用が研究報告されており、害虫対策にも活躍してくれるアロマオイルです。
【柑橘系と4種類のアロマでゴキブリ対策】研究で判明した虫除けの香り
害虫への作用
- ハエ
- ゴキブリ
- ダニ
ウィンターグリーン精油の効果的な使い方
オーガニックの有効成分が詰まったウィンターグリーン精油の、効果的な使い方についてご紹介したいと思います。ウィンターグリーンは”お薬”のような素晴らしい作用をもっているため、使い方には注意が必要です。しっかりとチェックしておきましょう。
香りを楽しむ
アロマディフューザー、アロマストーンなどを使って部屋に香りを満たしてあげましょう。気持ちをクリアにしてリフレッシュしてくれます。仕事や勉強に集中したいとき、眠気を感じる午後などにオススメ。元気を与えてくれる香りなので、寝る前などに使うのは避けるようにしましょう。外出先であれば、コットンやティッシュにアロマオイルを2滴垂らして深呼吸するように、香りを吸い込む方法も簡単で効果的です。ペパーミントなどのミント系の精油、ユーカリ、ローズマリーとの香りの相性が良いので、ブレンドして使うことも良いでしょう。
トリートメントオイルでボディケア
ガラス瓶やプラスティック容器にホホバオイルなどのキャリアオイルを10mlいれ、ウィンターグリーン精油を4滴加えて軽く混ぜ合わせるだけで、簡単にトリートメントオイルを作ることができます。さするように優しくマッサージしてあげると、肩こりや腰痛などを緩和するために働きかけてくれます。足のつりを予防するためにスポーツ前に塗ったり、翌日の筋肉痛で悩みたくないときは、スポーツ後のケアとしても良いでしょう。クリームのような使用感が好きな人は、キャリアオイルをシアバターに、サッパリとした使用感が好きな人は、中性ジェルを使うことがオススメです。私はウィンターグリーンとジンジャーの精油をブレンドして使います。ジンジャーの身体を温める作用によって、”温湿布”のような働きをしてくれます。冷え性によっておこる肩こりでお悩みの人には、特に良いと思います。
プラナロム/健草医学舎 アロマフォースクリーム
プラナロム/健草医学舎から販売されている「アロマフォースクリーム」は、ウィンターグリーン、ユーカリ、アルベンシスミントなどの精油がブレンドされた、ボディ用クリームです。キャリアオイルとして、シアバターとアプリコット油が使用されており、しっとりとした使い心地。スッキリとした爽やかな香りで気分をリフレッシュさせてくれます。プラナロム/健草医学舎は、オーガニックでありながら品質管理も徹底されている、良質なオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。アロマテラピーを使ったことがない人は、アロマフォースクリームを試してみること良いと思います。
虫除けの害虫対策にはアロマスプレーがオススメです。アロマスプレーの作り方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【手作りアロマでダニ対策】ダニ駆除に効果的な5種類のアロマオイル
ウィンターグリーン精油の注意点
アスピリン喘息がある人は、ウィンターグリーン精油の使用は避けるようにしましょう。アスピリン喘息(ぜんそく)とは、解熱鎮痛薬喘息ともよばれ、アスピリンなどをはじめとする解熱鎮痛薬によっておこる、喘息症状や鼻症状のことをいいます。ウィンターグリーンの主成分は「サリチル酸メチル」であり、サリチル酸メチルは、アスピリンやバファリンなどに含まれる「アセチルサリチル酸」と同じ経路で代謝されます。そのためアスピリン喘息をお持ちの方は、同様の症状が出てしまう可能性があるのです。アスピリン、バファリン、ロキソニン、イブなどは、解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)になりますので、「NSAIDs」によって喘息症状がおこったことがあるかは確認が必要です。
また敏感肌の人は、トリートメントオイルとして使う場合は、アレルギー反応がでないかパッチテストをしてから使うようにしましょう。湿布を貼ると肌が赤くなることがありますが、ウィンターグリーンもそのようは反応がおこる可能性があります。
いかがだったでしょうか?
「【ウィンターグリーン精油は天然の湿布⁉︎】効能効果を成分から考える」をご紹介しました。オーガニックの”恵”が詰まったウィンターグリーン精油。元気を与えてくれる香り、肩こりや腰痛を緩和するために働きかけてくれる作用、虫除けなど、さまざまな場面で活躍してくれます。簡単な方法でアロマテラピーを取り入れることができますので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。
研究参照:自律神経による生体制御とその利用、Fumigant toxicity of plant essential oils against Camptomyia corticalis (Diptera: Cecidomyiidae)、Salicylate and Procyanidin-Rich Stem Extracts of Gaultheria procumbens L. Inhibit Pro-Inflammatory Enzymes and Suppress Pro-Inflammatory and Pro-Oxidant Functions of Human Neutrophils Ex Vivo