こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです!アロマテラピーには優れた殺菌・抗菌作用があり、多くの研究でも効果が確認されています。
アロマオイル(精油)の中で、どの精油の効果が強いのか、どの成分が強いのか疑問に思われたことはありませんか?
正しく感染症予防を行うためにも、今回は具体的な数値を示してご紹介していきたいと思いますので、ぜひ読んでみてください。
アロマオイル(精油)の殺菌・抗菌効果ランキング
古くからアロマテラピーで用いられるアロマオイル(精油)は、殺菌・抗菌効果が期待され、感染症予防に用いられたり、エジプトではミイラを作る際の防腐剤として「ミルラ」や「フランキンセンス」が使われてきました。殺菌・抗菌効果の強さを科学的に検証し、数値として表したものが「フェノール指数」と呼ばれる指標になります。
フェノール指数とは
石炭酸係数ともいわれ、フェノールの殺菌・抗菌効果を「1」とした場合、消毒薬や成分などが、フェノールに比べて何倍の殺菌効果をもつかを示したものです。医療現場においても手指、皮膚、医療機器の消毒にフェノールは用いられます。
アロマオイルのフェノール係数
アロマオイル別でみると殺菌・抗菌作用は下のようになります。
エッセンシャルオイル | フェノール係数 |
オレガノ | 20 |
タイム・チモール | 20 |
クローブ | 17 |
シナモン・カッシア | 15 |
ハルマローザ | 12 |
ラベンダー、ティートゥリーなど | 2〜3 |
感染症予防といえば「ティートゥリー」のイメージもありますが、フェノール類を多く含む、「オレガノ」、「タイムチモール」、「クローブ」が上位を占めています
アロマオイルに含まれる芳香成分のフェノール係数
芳香成分別に殺菌・抗菌効果を比較すると下のようになります。
芳香成分 | 芳香成分を多く含む精油 | フェノール係数 |
チモール | オレガノ、タイム・チモール | 20 |
オイゲノール | クローブ、シナモン | 8.6 |
ゲラ二オール | シトロネラジャワ、ゼラニウム、パルマローザ、ユーカリレモン、ローズ | 7.1 |
シトラール | リトセア、レモングラス、レモンバーム | 5.2 |
シトロネロール | シトロネラジャワ、ゼラニウム、パルマローザ、レモングラス、ローズ | 5 |
リナロール | イランイラン、クラリセージ、ジャスミン、クラリセージ、タイムリナロール、ネロリ、バジル、プチグレン、ベルガモット、ホーウッド、ラベンダー、ローズウッド | 5 |
テルピネオール | カユプテ、タイムサツレオイデス、ニアウリシネオール、プチグレン、ユーカリラディアタ、ラヴィンツァラ | 4 |
シトロネラール | シトロネラ、ユーカリレモン、レモンバーム | 3.8 |
ケイ皮アルデヒド | シナモンカッシア、シナモン | 3 |
メントール | ペパーミント | 2.3 |
1・8シネオール | カユプテ、セージ、ニアウリシネオール、ペパーミント、ユーカリ、ラヴィンツァラ、ラベンダースピカ、ローズマリー、ローレル | 2.2 |
いかがでしょうか?
今回の結果をみると殺菌・抗菌効果が最も強いのは「オレガノ」、「タイム・チモール」になりました。調査によってもフェノール係数が異なることがありますが、オレガノ以外にも表の上部に書いてあるものは殺菌・抗菌効果が強いとご判断いただいて問題ないかと思います。ただし殺菌・抗菌効果が高い反面、香りが独特だったり、皮膚への刺激が強くなりますので、ご使用される際はよく調べてから使用してください。(フェノール類を多く含む、オレガノ、タイム・チモール、クローブなどは10%以下に希釈)
アロマオイル(精油)最強のサプリ⁉︎
オレガノは高い殺菌・抗菌作用からサプリメントとしても発売されています。
私の友人は風邪やインフルエンザの予防で、オレガノのサプリメントを服用しており、風邪やインフルエンザに全くかからなくなったと言っています。それだけでなく、風邪をひいてしまったときのリカバリーにも人気です。もし服用するのであれば、プラナロム/ケンソーから発売されている「オレガノカプセル」がおすすめです。プラナロム/ケンソーは100%オーガニックであり、有効成分などの品質管理が徹底されています。
個人の感想としては、服用すると胃の中?にオレガノの香りが残る印象でした。私はそれが少し苦手なので、毎日の服用ではなく、仕事などで絶対風邪を引けない時や、体調を崩してしまったときに服用しています。
家庭でできる4つの菌対策
ここからはおすすめの家庭でできる菌対策に関してご紹介いたします。ご自身でブレンドしてお好みの香りにすれば、殺菌・抗菌効果だけでなく、良い香りも楽しむことができますので、ぜひ試してみてください。
部屋の消臭・カビ対策
アロマディフューザーを使って部屋に拡散させると、部屋の消臭やカビ対策になるだけでなく、香りを楽しむことができます。
お風呂、キッチン、トイレの水まわりの抗菌・カビ対策
アロマオイルを加えたアロマスプレーを作ると、お風呂やキッチン、トイレの水まわりに簡単に使うことができます。それ以外にゴミ箱に使用すると、防臭効果も発揮してくれます。
【作り方】
スプレー容器に無水エタノール5mlを入れ、お好みのアロマルオイル10滴を加えて軽く混ぜる。精製水を45ml入れて蓋をしめてよく振ったら完成。使う前にも降って、混ぜてから使用してください。
【おすすめレシピ】
- 水まわり:レモン4滴 + ペパーミント3滴 + クローブ3滴
- 服の防臭:グレープフルーツ5滴 + プチグレン2滴 + イランイラン2滴
感染予防のマスクに+α
こちらもアロマスプレーがおすすめです。
アロマスプレーにすることによって、外出先でも気軽に使うことができます。作り方の詳細はこちらをご参考にしてみてください。→【ウイルス・風邪予防のマスクに】手作りアロマスプレーの作り方
シューズボックス、玄関の消臭
シューズボックスや玄関の消臭には重曹で作る消臭剤がおすすめ。
消臭だけでなく、水虫の原因菌にも効果が期待できるアロマオイルを使うと良いですよ。水虫に効果が期待できるアロマオイルはこちらをご参考にしてください。→これって水虫⁉︎水虫の原因と治療【4つの効果的なアロマオイル】
【作り方】
ガラス容器に重曹100gをいれ、お好みのアロマオイル10〜20滴を加えて軽く混ぜる。
【おすすめレシピ】
ラベンダー4滴 + ティーツリー3滴 + ユーカリレモン3滴
いかがだったでしょうか?
殺菌・抗菌効果の強さの理解や、家庭でできる菌対策にお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーは本当に多くの用途があります。もし何を購入していいかわからない場合は、プラナロム/健草医学舎の「トライアルキット」もおすすめです。
少しお値段はしますが、60種類の精油にキャリアオイルやガラススポイト瓶などもついています。いろいろ試せるのが魅力で、私もこちらのセットを購入しています。こんな感じではいっていますよ。
余談:殺菌・抗菌とは
「殺菌」と「抗菌」の言葉の違いはご存知でしょうか?各言葉の定義は下のようになります。
殺菌 | 殺菌の意味は、言葉のとおり「特定の菌を殺す」ことです。とくに菌の種類や数は問いません。すべての菌を殺さなくても、数が減れば殺菌といえます。また、特定の1種類の菌が減っただけでも殺菌といえます。医薬品・医薬部外品のみが使える表現。 |
抗菌 | 抗菌の意味は、「菌の増殖を抑制する」こと、つまり菌が住みにくい環境をあらかじめつくることを意味します。殺菌のように、直接菌を殺したり取り除いたりする効果ではなく、菌の増殖を抑制あるいは阻害することをいいます。 |
アロマテラピーは医薬品や医薬部外品でもありませんので、殺菌作用があるとはいえないのですが、実際は菌やウイルスの数を減らす報告などがでています。
だからアロマテラピーは、抗菌と書かれているものが多いのです