こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【香りだけで血圧を下げる】研究論文で発表されたアロマオイルレシピをご紹介したいと思います。高血圧は日本人でも多くの方が悩まされており、国民病とも言われています。アロマテラピーによる血圧降下作用が報告された研究論文がありますので、研究内容とその内容をもとに日々の生活でのアロマテラピーの使い方をご紹介したいと思います。
- 最近血圧が高くなってきた
- イライラすることが増えた、ストレスがたまっている
そのような方におすすめの記事になっていますので、ぜひ読んでみてください。
【香りだけで血圧を下げる】効果的なアロマオイルレシピ
- ラベンダー、イランイラン、マジョラム、ネロリ
- ラベンダー、イランイラン、ベルガモット
上記の2つのアロマオイルをブレンドした香りを使うことによって、血圧を下げる効果が確認された研究論文があります。
高血圧の概要と研究内容をご紹介させていただきますが、内容にご興味のない方は「アロマテラピーの使い方」の項目をご覧いただき、日々の生活でのアロマテラピーの使い方の参考にしてみてください。
高血圧とは
高血圧とは安静状態で血圧が慢性的に高い状態をいいます。全体として約4,300万人、日本人の3人に1人が高血圧であるとされ、国民病ともいわれています。
高血圧の状態を放置していると動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながります。
- 収縮期血圧が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で20%、女性で15%上昇
- 収縮期血圧が10mmHg上昇すると、心筋梗塞や狭心症のリスクが15%上昇
最近では30代でも患者数が増えてきており、男性では5人に1人が高血圧であるとされています。
高血圧とストレスの関係
高血圧とストレスは密接に関係しています。ストレスには肉体的ストレス(気温の急激な変化、スポートなどで力をいれる、過労、睡眠不足など)と心理的ストレス(人間関係、仕事のプレッシャー、イライラや不安など)があり、ストレスを感じることによって、アドレナリンやノルアドレナリンが放出され、交感神経が亢進することで血管が収縮し血圧が上昇するとされています。仕事のノルマが高いほど動脈硬化の進展が早かったとの研究論文があるほど、高血圧とストレスは関係しています。
高血圧とアロマテラピー
アロマテラピーで使用されるアロマオイル(精油)には、血圧を下げる作用を持っている成分やストレスを軽減する作用を持っている成分があります。それらを組み合わせて使うことによって、直接的・間接的に血圧を下げる効果が期待されており、海外では高血圧の治療薬としても使用されています。
【香りだけで血圧を下げる】アロマテラピーの研究論文
ここでは【香りだけで血圧を下げる】アロマテラピー研究論文を簡単にご紹介したいと思います。
研究①内容
高血圧前症/高血圧患者83名を対象に、アロマオイル(精油)の香りを吸入した群と、人工香料の香りを吸入したプラセボ群で、血圧に対する影響とストレスの指標である唾液中コルチゾールを比較した。アロマオイルはラベンダー、イランイラン、マジョラム、ネロリを20:15:10:2の割合でブレンドし、日中はアロマペンダントを着用、夜間はアロマストーンに2滴垂らして使用した。
研究①結果
アロマオイルを使用した群において日中の「収縮期血圧」「拡張期血圧」「唾液中コルチゾール値」を、プラセボ群と比較して有意に改善した。
研究②内容
本態性高血圧症患者52名を対象に、アロマオイル(精油)の香りを吸入した群と、人工香料の香りを吸入したプラセボ群で、血圧と脈拍、血清コルチゾールレベル、カテコールアミン、主観的ストレス、および状態不安を比較した。アロマオイルはラベンダー、イランイラン、ベルガモットを5:3:2の割合でブレンドし、1日1回5分4週間香りを使用した。
研究②結果
アロマオイルを使用した群において「血圧」「脈拍」「主観的ストレス」「状態不安」「血清コルチゾール」がプラセボ群と比較して有意に改善した。
研究①参照:Essential Oil Inhalation on Blood Pressure and Salivary Cortisol Levels in Prehypertensive and Hypertensive Subjects、研究②参照:The effects of the inhalation method using essential oils on blood pressure and stress responses of clients with essential hypertension
アロマテラピーに血圧降下作用がある理由
- ラベンダー、イランイラン、マジョラム、ネロリ
- ラベンダー、イランイラン、ベルガモット
上記の2つのアロマオイルをブレンドした香りを使うことによって、血圧を下げる効果が確認されたました。海外ではラベンダー、マジョラム、イランイラン、ネロリ、ベルガモットが高血圧患者に使用されており、それぞれの精油は「リナロール、酢酸リナリル」「テルピネン-4-オール」「酢酸ベンジル」「リナロール」「d-リモネン」を主成分として含んでいます。酢酸リナリルの神経のバランスを整える作用、テルピネン-4-オールの副交感神経系を活性化しリラックスさせる作用、酢酸ベンジルの不安を和らげる作用、ラベンダーやネロリなどに含まれるリナロールやベルガモットに含まれるd-リモネンの血圧降下作用などの効果が相まったことで、直接的な血圧降下作用やストレスを軽減し間接的に血圧を下げる効果が現れたのだと考えられます。
研究では合成香料(合成アロマオイル)と比較されましたが、アロマオイル(精油)がより優れている効果が確認されています。合成香料の香りは癒しを与えてくれますが、効果を得るためには、有効成分がしっかりと含まれている精油を使う必要があります。
【香りだけで血圧を下げる】アロマテラピーの使い方
ここからはアロマテラピーの使い方についてご紹介したいと思います。
研究で使用されたアロマオイル(精油)のブレンドレシピを使って、寝る前やリラックスタイムに使ったり、ストレスを感じたときに香りを使う方法がオススメです。アロマディフューザーを使うとしっかりと香りを吸入できますが、お持ちでない方はアロマストーンやティッシュ、ハンカチなどにアロマオイルを垂らして使っても良いと思います。アロマストーンは2〜3滴を目安に、しっかりと香りを吸入したい場合は5〜6滴を使用すると良いでしょう。深呼吸をするように香りを吸入すると効果的です。
研究で使用されたレシピ
- ラベンダー、イランイラン、マジョラム、ネロリを20:15:10:2の割合でブレンド
- ラベンダー、イランイラン、ベルガモットを5:3:2の割合でブレンド
オススメのアロマオイル
プラナロム/ケンソーのようにオーガニックであり、品質の高いアロマオイル(精油)を使うことがオススメです。合成のアロマオイルには含まれていない数多くの有効成分がありますので、少しお値段が高くても効果を期待したいときには精油を選ぶようにしてください。アロマオイル・エッセンシャルオイル・精油の違いと見分け方を詳しく知りたい方や、オススメのブランドを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください→【アロマオイル/エッセンシャルオイル/精油】3つの違いと注意点、アロマ薬剤師がおすすめ!アロマオイル人気ブランド5選
ニールズヤード 「アロマパルスナイトタイム」
ニールズヤードから発売されている「アロマパルスナイトタイム」は、ラベンダーやネロリ、カモミールなどがブレンドされた塗るタイプのアロマです。ハーブガーデンの中にいるような優しい香りで、眠る前に手首や首筋に塗るだけで心身をオフにしリラックスさせてくれます。コンパクトサイズで持ち運びにも便利なので、外出先でストレスを感じたときなどにサッと塗って使うにもオススメです。
生活の木 「フローリーフルーリー」
生活の木から発売されている「フローリーフルーリー」は、イランイランやネロリ、ローズがブレンドされたアロマオイル100%の商品です。数種類の花のアロマオイルの香りが部屋をお花畑にいるような気分にさせてくれ、ストレスを感じたときなどに使うと明るく前向きにさせてくれます。お花の香りが好きな方や女性にオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【香りだけで血圧を下げる】研究論文で発表されたアロマオイルレシピ」をご紹介させていただきました。アロマテラピーにはさまざまな効果があり、それは天然精油を使うからこそ効果があるといっても過言ではありません。ぜひアロマテラピーを行うときは天然精油を使ってみてください。皆さんのお悩みに少しでもお役に立てると嬉しいです。