こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです。今回は過敏性腸症候群(IBS)に関してご紹介したいと思います。
みなさんは重要なプレゼンや会議の前、テストなどプレッシャーがかかる時に腹痛を起こし、トイレに駆け込んだ経験はありませんか?くり返す腹痛と下痢は「過敏性腸症候群」かもしれません。
過敏性腸症候群の紹介と、日本消化器病学会ガイドラインでも推奨されているペパーミントのアロマオイル(精油)のデータも併せてご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
過敏性腸症候群(IBS)とは
過敏性腸症候群は主にストレスによって、引き起こされる下痢と便秘がくり返し起こる病気です。
過敏性腸症候群は大腸の炎症や大腸ガンなどがないことが確認されてているのにも関わらず、症状が続く場合に診断されます。アステラス製薬が行った2万人に対する調査の結果では、日本人男性の8.9%が過敏性腸症候群であり、その中の63%の患者さんが「病気でないと思う」と回答しています。これは多くの人が症状があるにも関わらず、ただの下痢や便秘だと考え、病気として捉えていないことを意味しています。
過敏性腸症候群には主に3種類の、下痢型・便秘型・混合型(下痢と便秘が交互に繰り返される)があり、30代より若い世代に多くみられる傾向があります。
過敏性腸症候群(IBS)の原因
過敏性腸症候群はストレス(不安や緊張)が原因になることによって、自律神経や内分泌が乱れ、大腸の運動機能に異常をきたし、下痢や便秘を引き起こします。ストレスを腸に伝達する物質として「セロトニン」が関与していると考えられています。
過敏性腸症候群(IBS)の治療と対策
医療機関においては、腹痛、下痢、便秘などの症状を改善する薬剤が処方されます。腹痛には抗コリン薬、 下痢にはセロトニン受容体拮抗薬、止痢剤(下痢止め)、便秘には緩下(かんげ)剤などが処方され、ストレスや不安の緩和の目的で抗不安薬、抗うつ薬が用いられることがあります。
日々の生活で気をつけるポイントとしては、規則正しい生活を心がけることが重要です。適度な運動で気分転換やリフレッシュして、ストレスをためないようにすること。食事は暴飲暴食をせず、香辛料や脂っこいものを少なくするようにしてください。人によってはコーヒーやアルコール、乳製品なども症状が悪化する場合がありますので、食べた時に症状が出やすい場合は控えるようにすると良いでしょう。
ストレスでおこる腹痛と下痢に対するアロマテラピー研究
過敏性腸症候群の原因はストレスであると紹介いたしましたが、ストレスの軽減や過敏性腸症候群の腹痛、便秘、下痢の症状に対してアロマテラピーの効果が期待されており、その中でも特に「ペパーミント」が注目されています。
過敏性腸症候群の症状改善にペパーミントが有効であったとの臨床試験の結果もあり、日本消化器病学会のガイドラインにも、ペパーミントによる治療が推奨されています。これはペパーミントに含まれるメントールによる、腸の筋肉を弛緩させる効果によるものと考えられています。
研究論文の内容
過敏性腸症候群の患者392名(25%が便秘型、75%が下痢型)を対象に、ペパーミント(錠剤もしくはカプセル)を投与する場合としない場合を比較。26%の患者で腹痛、便秘、下痢などの症状が持続的に改善。
参照:Effect of fibre, antispasmodics, and peppermint oil in the treatment of irritable bowel syndrome: systematic review and meta-analysis
日本消化器病学会は医師会員数が多い学会で、著名な先生方が多く在籍されている歴史ある学会です。そんなガイドラインにペパーミントが推奨されているなんてすごいですよね!
ストレスでおこる腹痛と下痢に対するペパーミントの使い方
ここからは日々の生活の中で、取り入れられるアロマテラピーの方法をご紹介していきたいと思います。簡単な方法で行えますので、ぜひ試してみてください。
ペパーミントの香りを楽しむ
ペパーミントのアロマオイル(精油)をアロマディフューザーやアロマストーンを使って、香りを楽しむことがおすすめです。過敏性腸症候群はストレスが原因になる病気ですので、ペパーミントだけでなく、癒し効果が期待できるアロマオイルを複数ブレンドすることで、より効果が期待できるようになります。ストレスがかかって腹痛や下痢が起こりそうな時に嗅いでも良いですし、緊張しそうな場面の前にアロマオイルをティッシュやハンカチに垂らして香りを嗅ぐこともおすすめです。
【おすすめブレンド】
- ペパーミント 2滴
- ラベンダー・アングスティフォリア 1滴
- ベルガモット 1滴
ラベンダー・アングスティフォリアの甘酸っぱい香りとベルガモットが柑橘系の香りが、ペパーミントの爽やかなな香りとマッチして、ストレスを忘れさせてくれます。
ブレンドオイルの香りを楽しむ
アロマテラピーを行ったことがない方は、まずはブレンドされた商品を試してみてから、いろいろなアロマオイルを購入されるのも良いと思います。
プラナロム/ケンソー「アロマフレグランス タイヤード」
プラナロム/ケンソーから発売されている「タイヤード」は、ペパーミントやシナモンカッシア、ティートゥリーなど、疲れを癒してくれるアロマオイルがブレンドされています。アロマフレグランスになっているので香水のようにして使うこともでき、外出先や会社でも使うことができて便利です。プラナロム/ケンソーはオーガニックかつ品質管理も徹底している高品質な商品なので、アロマテラピー経験者にも人気のブランドです。
サプリメントやハーブティーで取り入れる
今回ご紹介した研究ではペパーミントを1日400〜600mgが投与され、過敏性腸症候群の症状の改善が認められました。日本ではペパーミントのサプリメントを取り扱っているメーカーが少ないので、iHerb.comなどで海外の製品を購入されても良いかと思います。アロマ雑貨店ではペパーミントのハーブティーも発売されているので、ハーブティーおすすめです
生活の木「有機ペパーミントハーブティー」
生活の木から発売されている「有機ペパーミントハーブティー」は、オーガニックのペパーミントが使われていて、清涼感のあるさわやかな味と香りのハーブティーです。ストレスを感じた時の気分のリフレッシュや、食後のお口直しにもおすすめです。
いかがだったでしょうか?
「ストレスでおこる腹痛と下痢に効果的なペパーミントのアロマオイル」をご紹介させていただきました。過敏性腸症候群での腹痛や下痢、便秘などにお悩みの方に少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーも簡単な方法で行えますので、ぜひ試してみてください。