こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【子どもの睡眠不足による疲れを癒す】アロマオイルの香りで成績アップをご紹介したいと思います。
大人とは違う社会環境で育つ子供たちは、学習塾や習い事、インターネットやSNS、ゲームなどによって、生活は夜型となり睡眠不足が増えてきています。睡眠時間の不足は、成長の遅れだけでなく、学習力の低下、疲れやすいなどの影響をもたらします。
大切なお子さんだからこそケアしてあげたいものですよね。アロマテラピーの研究では睡眠不足による疲労を癒し、成績をアップさせる効果が発表されました。簡単なアロマテラピーの使い方もご紹介しますので、睡眠不足のお子さんを持つご両親はぜひ読んでみてください。
子どもの睡眠不足による問題
日本小児保健協会が実施した調査では、「夜10時以降に就寝する子ども」の割合は1歳6ヶ月を過ぎた子どもで半数を超えていることがわかりました。また小学生、中学生、高校生と学年が進むにつれて就寝時間が遅くなることや、寝不足を感じている生徒の割合の増加しており問題となっています。子どもの睡眠不足や睡眠障害が続くことで、成長の遅れや学習力の低下だけでなく、肥満や生活習慣病(高血圧や糖尿病)、うつ病の発症率を高める危険性があります。
睡眠不足によって表れやすい症状
注意や集中力の低下、眠気、ボーッとしている、疲れやすい、食欲不振、イライラ、じっとしていられない、キレやすい
【子どもの睡眠不足による疲れを癒す】アロマテラピーの効果
富山大学の神山先生らが行なった研究において、アロマオイルの香り成分である「セドロール」を使うことで、子どもの睡眠不足による疲労を軽減させ、成績をアップさせる効果が発表されています。
セドロールは樹木系のアロマオイル(精油)であるシダー、スギ、サイプレスなどに含まれる香り成分で、日本人にも馴染み深い、森林浴のような香りが特徴です。セドロールは優れた「鎮静作用」によるリラックス効果があり、多くの研究で副交感神経を活発化させることがわかっています。そのような香りの心地よさと、優れた作用によって、子どもたちの疲れやストレスを癒してくれるのです。
研究内容
実験①
専門学生35名を対象に、セドロールの香りを使う場合とセドロールの香りを使わない場合での、睡眠不足に関連する症状を比較検討した。結果として、セドロールの香りを使うことで52%の参加者で睡眠に関連する症状の訴えが軽減し、睡眠習慣が乱れている参加者において高い効果を示す傾向であった。(睡眠不足に関連する症状例:あくびがでる、眠い、横になりたい、目が疲れる、ちょっとしたことが思い出せない、きちんとしていられない、口がかわく、物事が気にかかる、イライラする、することに間違いが多くなる)
実験②
小学生5年生6名を対象に、セドロールの香りを使う場合とセドロールの香りを使わない場合での、算数の問題(図形認識と割り算)に対する影響を比較検討した。結果として、セドロールの香りを使うことで6人中4人の、図形認識と割り算の回答数が増加し、割り算の誤答数も6人中4人に減少が認められた。
成績がアップする理由として、セドロールの香りが「精神を安定」させることで、算数の問題に集中できたのではないかと思います。
【子どもの睡眠不足による疲れを癒す】アロマテラピーの使い方
セドロールを多く含むシダー、スギ、サイプレスのアロマオイル(精油)を使うことで、睡眠不足による疲れを癒す効果が期待できます。
またセドロールは心地よい睡眠を促す効果があり、睡眠時間を長くしたり、ベッドに入ってから寝るまでの時間を短くする、寝ている途中に起きてしまうなどを改善してくれます。そのためアロマテラピーの使う場面として、子どもが睡眠不足で疲れている時や、夜に早く寝て欲しいときなどに香りを使うことがオススメです。アロマディフューザーで勉強部屋や寝室に香りを使ったり、アロマスプレーで部屋にシュッとひと吹きして、香りを楽しめるようにすると良いでしょう。セドロールの心地よい睡眠を促す効果を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【森林浴の香りで心地よい睡眠を】アロマオイルの「セドロール」研究論文
このような時にアロマテラピーがオススメ
- 集中力がないとき
- 勉強中に眠気を感じている
- 朝起きてすぐに疲れているとき
- イライラいしているとき
- 夜更かしをしているとき
アロマスプレーの作り方
【用意するもの】
- 無水エタノール:20ml
- 精製水:10ml
- アロマオイル:12滴
- スプレー容器(50ml用)
【作り方】
- スプレー容器に無水エタノール入れる
- スプレー容器にアロマオイルを加え、軽く容器振る
- 精製水を加え、容器に蓋をして、再度混ぜ合わせる
【保存方法】
- 使用前に振ってから使う
- 2〜4週間を目安に使い切る
【ポイント】
- 無水エタノールや精製水は薬局、ドラッグストア、アロマ専門店、ネットで購入可能
- (精製水が購入できない場合は浄水器の水、もしくは水道水で代用)
- (無水エタノールが購入できない場合は、市販のウォッカで代用)
- 勉強部屋、枕や寝室にシュッとひと吹きして、香りを楽しむ
アロマスプレーに使うアロマオイルは、シダー、スギ、サイプレスのアロマオイルを半分ほど使い、残りをお子さんのお好きな香りのアロマオイルをブレンドすると、お子さんの好きな香りも楽しむことができるのでオススメの割合です。寝室に使うときはラベンダーを加えることで、より安眠効果を高めることができますし、勉強部屋に使う時は、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系をブレンドすると気分をリフレッシュさせてくれます。ブレンド方法がわからない場合はこちらの記事を参考にしてみてください→【記事まとめ】調香師が使う簡単ブレンドアロマオイルの作り方と3つのコツ
プラナロム/ケンソー 「シダー」
プラナロム/ケンソーから発売されている「シダー」は、穏やかな森林の香りで、睡眠不足の疲れを癒し、良質な睡眠をサポートしてくれます。プラナロムはオーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されており、高品質のアロマオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。私もしっかりと効果を期待したいときは、よく使っているブランドなので、ぜひ試していただきたいアロマオイルです。
生活の木 「ナチュラルフォレスト」
生活の木から発売されている「ナチュラルフォレスト」は、シダーウッドやサイプレス、フランキンセンスがブレンドされたアロマオイルです。森の中の樹木のクリアな香りと、シャープなフランキンセンスの香りが、子どものストレスを包み込んでくれ、心地よい眠りを演出してくれます。アロマオイル100%なので、無水エタノールなどに加えてアロマスプレーを作るときも、そのまま使えるので簡単でオススメです。
生活の木 「アロモアミニ」
生活の木から発売されている「アロモアミニ」は、水で薄めたり、熱をかけないため、アロマオイルの本来の香りを楽しむことができるアロマディフューザーです。生活の木で発売されている5ml、10mlのアロマオイルをそのまま装着して使うことができますので、ナチュラルフォレスト10mlを使うこともオススメです。6畳~12畳の空間を香らせることができ、10mlのアロマオイルであれば、約1ヶ月間使用可能です。電源ONにしてから2時間後に、自動で電源がOFFになるので、勉強を始めたときや寝るときでも、安心して使うことができます。
いかがだったでしょうか?
「【子どもの睡眠不足による疲れを癒す】アロマオイルの香りで成績アップ」をご紹介させていただきました。みなさんのお悩みの解決に少しでもお役に立てると嬉しいです!睡眠時間の不足は、成長の遅れだけでなく、学習力の低下、疲れやすい、生活習慣病のリスクを高めるなどの影響をもたらします。大切なお子さんだからこそ、睡眠不足による疲れや、良質な睡眠を取れるようにアロマテラピーでサポートしてあげてください。
参照:香り環境 : 子ども達の睡眠習慣の現状と香気成分セドロールによる疲労症状の改善効果