こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです。今回は「女性更年期障害に効果的なアロママッサージのレシピ、時間、期間とは」に関してご紹介したいと思います。マッサージだけでなく、アロマオイル(精油)をブレンドしてマッサージすることが、女性の更年期障害に対して優れた効果があることがアロマテラピーの研究で発表されました。具体的なアロマオイルのレシピや、マッサージの時間や期間もご紹介していきたいと思います。
- 「最近、更年期症状がでているのではないかと心配」
- 「ちょっとしたことでイライラしてしまう」
- 「眠れない、日中眠い、だるさを感じる」
など、更年期障害でお悩みの方におすすめの記事になっていますので、ぜひ読んでみてください。
効果的なアロママッサージ【レシピ・時間・期間】
ラベンダー:ローズゼラニウム:ローズ:ローズマリーのアロマオイル(精油)を、4:2:1:1でブレンドした、3%濃度のアロママッサージオイルで、1回30分、週2回を4週間(計8回)実施することで、更年期障害における症状を改善する効果が研究で認められました。
アロマテラピーの研究の概要をご紹介させていただきますが、内容に興味がない方は最後の項目の「アロマテラピーの使い方」をご覧いただき、日々の生活でのアロマテラピーの使い方の参考にしてみてください。女性の更年期障害の症状などを詳しく知りたい方はこちら→【イライラ、だるさ、眠気】更年期障害に対するアロマオイルの予防効果
女性更年期障害に対するアロママッサージの研究
ここからはアロマテラピーの研究に関してご紹介したいと思います。
研究内容
婦人科病院に受診している更年期障害の女性90名を対象に、アロママッサージを行うグループ、マッサージを行うグループ、またはコントロールグループ(何も実施しない)の3つのグループに分け、更年期障害の症状などを比較した。各グループ1回30分、週2回を4週間(計8回)マッサージを実施。
アロママッサージのブレンドオイル
ラベンダー:ローズゼラニウム:ローズ:ローズマリーのアロマオイル(精油)を、4:2:1:1でブレンドし、アーモンドオイル90%、イブニングプリムローズオイル10%に希釈。アロマオイル3%濃度のブレンドオイルを使用した。
研究結果
更年期障害の症状スコアである「MRSスコア」は、アロママッサージグループとマッサージグループの両方がコントロールグループよりも有意に低下(P <0.001)。またアロママッサージグループとマッサージグループを比較したところ、アロママッサージグループのMRSスコアがより有意に低下した(P <0.001)。
MRSスコアとは
下記の項目などを5段階評価し合計点を測定する、更年期障害の症状を調べる指標です。
- ほてり、発汗
- 睡眠の問題(入眠困難、寝るのが難しい、早く起きてしまう)
- 憂鬱な気分(落ち込んでいる、悲しい、意欲の欠如、感情の不安定)
- 過敏性(神経質、緊張、攻撃的になる)
- 不安(落ち着きのなさ、パニック感)
- 肉体的および精神的倦怠感(パフォーマンス低下、集中力低下、物忘れ)
- 性的問題(性的欲求の変化、性的活動と満足度)
- 膀胱の問題(排尿困難、、排尿の増加、膀胱失禁)
- 関節および筋肉の不快感(関節の痛み、リウマチ症状)
女性更年期障害のアロマテラピー研究のポイント(私見)
今回の研究ではアロママッサージがマッサージに比べ、更年期障害の症状を大幅に改善しており、MRSスコアが約半分になっています。これは腹部のマッサージ自体が更年期障害の症状を改善させる効果があることに加え、アロマオイル(精油)の素晴らしい効果によって、このような結果が得られたのではないかと著者は考察しています。
今回ブレンドされたマッサージオイルですが、ラベンダー、ローズゼラニウム、ローズのリラックス効果や不安を軽減する効果に加え、ローズゼラニウム、ローズのセクシャルな面への効果、ローズマリーの集中力アップや強壮作用などが合わさっています。このブレンドは癒しを与える香りだけでなく、心身ともに更年期障害に対してバランスのとれた素晴らしいレシピだと思います。他にも更年期障害に対して多くのアロマテラピーの研究が行われており、女性ホルモンを増やすなどの効果が認められています。他の研究をを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください→【記事まとめ】更年期障害研究での効果的なアロマテラピーレシピ
参照:Menopause: The Journal of The North American Menopause Society: September 2012 – Volume 19 – Issue 9 – p 995-999「Effect of aromatherapy massage on menopausal symptoms: a randomized placebo-controlled clinical trial」
更年期障害に対するアロマテラピーの使い方
ここからは日々の生活でのアロマテラピーを行う方法をご紹介したいと思います。アロママッサージを行なってくれるサロンなどに週2回、4週間通うことができれば最も良いのですが、忙しく時間を確保できない方にオススメの方法になります。
アロマテラピーの研究で使用されたマッサージオイルを作る
ご紹介した研究で使用されたのは、下記のブレンドになります。全量40mlの3%濃度マッサージオイルを作る時の分量を記載しておきますので、参考にしてみてください。
- ラベンダー:12滴、ローズゼラニウム:6滴、ローズ:3滴、ローズマリー:3滴
- アーモンドオイル:36ml
- イブニングプリムローズオイル:4ml
ガラス容器にアーモンドオイルとイブニングプリムローズオイルを入れ、それぞれのアロマオイル(精油)を加える、フタを閉めて軽く混ぜ合わせるだけで簡単に作ることができます。お風呂上がりやリラックスタイムに、30分かけてマッサージしてあげてください。お時間がない場合はアロママッサージは15分でも効果があったとの研究もありますので、15分以上を目安にしてみてください。
ちょっと簡単・節約したマッサージオイルを作る①
- ラベンダー:12滴、ローズゼラニウム:6滴、ローズ:3滴、ローズマリー:3滴
- アーモンドオイル:40ml
上記のアロマオイル(精油)の中では、やはりローズが非常に高価な精油になります。香りの良さや効果において、素晴らしいローズなのですが…。そのような時は、生活の木から発売されている「有機ダマスクローズ」がおすすめです。1mlと少量から発売しているのでお値段を抑えることができ、なおかつオーガニックのローズを使うことができます。
NEAL’S YARD(ニールズヤード)から発売されている「ウーマンズバランス」は、ローズやゼラニウム、フランキンセンスなどのアロマオイルがブレンドされた、フローラルで贅沢な気分にさせてくれる香りが人気のアロマオイルです。このアロマオイルにラベンダー、ローズマリーとキャリアオイルをブレンドしてマッサージオイルを作る方法も良いと思います。
ちょっと簡単・節約したマッサージオイルを作る②
ローズの代わりにパルマローザで代用する方法もオススメです。パルマローザはローズに似た甘美な花の香りが人気であり、ローズと同じ成分を多く含んでいます。その他にもローズゼラニウムのブレンド量を多くすることも良いでしょう。アロマテラピーを行ったことがなければ、市販のマッサージオイルを購入し、お試しになることも良いと思います。使ってみてアロマテラピーが良いと感じたら、お自身でブレンドすることに挑戦してみてください。
プラナロムから発売されている「Cタイプマッサージオイル」はラベンダー、イランイラン、パルマローザ、ローズマリーがブレンドされたマッサージオイルです。フローラルな香りの心地良さから心身のストレスを和らげ、身体をリラックスさせてくれます。プラナロムはオーガニックであり、有効成分の管理が徹底されているアロマオイルを使用しているので、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。
NEAL’S YARD(ニールズヤード)から発売されている「アロマティックマッサージオイル」はラベンダーやゼラニウムがブレンドされた、創業以来30年以上愛され続ける初めてアロマテラピーを使う方にもオススメのボディーオイルです。リラックス感あふれるハーバルフローラル調の香りと、なじみやすい潤いが人気です。
いかがだったでしょうか?
「女性更年期障害に効果的なアロママッサージのレシピ、時間、期間」に関してご紹介させていただきました。少しでも皆さんのお役に立てると嬉しいです。ぜひご自宅でアロマテラピーを試してみてください。