こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【生理中の吐き気をアロマが緩和する】4種類の香りによる対処法と使い方をご紹介します。
生理中に吐き気を感じたことはありませんか?腹痛だけでもツラい生理ですが、実は吐き気を感じる人は少なくありません。いろいろな症状がでるから仕方ないとあきらめてしまい、吐き気ケアを行っている人は多くないのです。そのようなときはアロマテラピーがおすすめ。心地よい香りのアロマオイルには、生理によるイライラや憂鬱な気分を癒してくれるだけでなく、吐き気を緩和する作用があることが研究からもわかっています。どのようなアロマオイルが効果的なのか、またアロマテラピーの使い方もご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
【生理中の吐き気を緩和する】4種類アロマオイルの香り
生理による吐き気を和らげるためには、ペパーミント、レモン、ジンジャー、ラベンダーのアロマオイル(精油)がオススメです。
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイルには、心地よい香りで癒しを与えてくれるだけでなく、さまざまな人にとって嬉しい作用を持っています。これら4種類のアロマオイルは、古くから吐き気の予防や緩和を目的に用いられてきましたが、生理による吐き気、抗がん剤による吐き気、つわりによる吐き気などに、効果的であることが多くの研究からわかっています。その作用は制吐剤である「オンダンセトロン」よりも、吐き気を緩和する効果が高いともされる研究報告があるほどなのです。(研究①)
世界の主要医学系雑誌等に掲載された文献を検索することができる「PubMed」では、90報以上ものアロマテラピーを使った、吐き気緩和を目的とした研究論文が掲載されています
生理中におきる吐き気、その原因とは?
腹痛、頭痛、倦怠感、気分の落ち込みなど、生理中には心身に対するさまざまな症状が現れます。そのなかでもツラい症状のひとつが吐き気ですが、主な原因として「プロスタグランジン」という物質が引き起こしているとされています。
プロスタグランジンは、子宮を収縮されることによって、経血の排出をスムーズにしてくれますが、同時に胃腸の働きを活発にする作用をもっています。プロスタグランジンの分泌量が多すぎることで、胃腸に不快感を感じ、吐き気を感じてしまうのです。また生理による腹痛、頭痛、腰痛にもプロスタグランジンが関与しているとされており、子宮や血管の収縮を起こすことで、それらの症状が現れることがわかっています。
吐き気を緩和する方法
27.2%の女性が経験する生理による吐き気は、生理痛を緩和することで抑えられることがわかっています。そのため血行をよくすることが効果的であり、身体を温めたり、ストレッチ、お風呂、軽い運動、マッサージなどは、吐き気を抑えるためにも大切になります。イライラしてしまったり、ストレスは生理痛の大敵。楽しい動画を見たり、好きな音楽を聴いたり、アロマオイルの心地よい香りを楽しむなど、心身にストレスをためないように心がけましょう。また生理痛を緩和するためには「低用量ピル」も効果的です。日本ではあまり生理痛に使用されることは周知されていませんが、フランスでは30%以上の女性が使用しています。一般的に生理による出血量が半分以下になるとされるほどの、高い効果を持っています。生理中におこる心身の症状がツラいときは、医師に相談することが良いでしょう。
生理による吐き気の対処法として、身体のケアだけでなく、心のケアをしてあげることも大切です
【生理中の吐き気を緩和する】アロマテラピーの使い方
心地よい香りと天然有効成分を活用したアロマテラピーは、吐き気を緩和して、イライラや憂鬱な気分を癒してくれます。生理中の心身トラブルに悩む女性にとって、アロマテラピーは心強い味方となってくれるのです。
吐き気を感じたときに、アロマディフューザーなどで香りを使っても良いですし、シンプルな方法として、ティッシュやコットンにアロマオイルを垂らし、深呼吸するように香りを吸い込むことも効果的です。アロマオイルを2滴垂らし、3度香りを深く吸い込むことで、吐き気が緩和された研究もありますので、そのように使うことも良いでしょう。生理による吐き気を和らげるためには、ペパーミント、レモン、ジンジャー、ラベンダーのアロマオイル(精油)がオススメです。
アロマテラピーの注意点
生理による吐き気に対してアロマテラピーを使うときは、「ご自身が好きな香りを選ぶ」、「良質なアロマオイルを使う」ことが大切です。多くの研究でもアロマオイルが、吐き気の緩和に効果があることがわかっていますが、香りは人によって感じ方や、好き嫌いが大きくわかれます。そのため好きでない香りは逆効果になる可能性もあるため、ご自身が心地よいと感じるアロマオイルを選ぶようにしましょう。また使用するアロマオイルは、「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載された、良質なアロマオイルを使用するようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されているため、精油本来の効果が期待できません。しっかりと効果を実感したいときは、プラナロム/健草医学舎、生活の木、ニールズヤードなどのアロマ専門店の良質なオイルを選ぶと良いでしょう。
アロマテラピーは生理中トラブルだけでなく、生理前トラブルを緩和する嬉しい作用がたくさんあります。よかったらこちらの記事も読んでみてください。【生理前/中のアロマ記事まとめ】生理痛、イライラなど症状別7レシピ
ペパーミント
スッキリとした爽快感のある香りで、多くの人に親しまれる「ペパーミント」は、歯磨き粉やガムなどに使われることでもお馴染み。ペパーミントは幅広い優れた作用を持っていることがわかっており、吐き気、腹痛、頭痛などの緩和を目的として、古くから伝統療法としても用いられてきました。数多くの研究において、吐き気を緩和する効果が認められていますが、なぜペパーミントが、吐き気の緩和に良いのかは完全にはわかっていません。一部の研究ではペパーミントに含まれるメントールが作用して、吐き気を抑えるともされています。いずれにせよ素晴らしい作用を持っているため、吐き気を抑えるために取り入れたいアロマオイルのひとつです。またペパーミントの香りには、心を落ち着かせて、心身をリラックスさせてくれるため、心のケアにもおすすめです。
スティックアロマ スーッとノーズ
生活の木から販売されている「スティックアロマ スーッとノーズ」は、ペパーミントやライムのアロマオイルがブレンドされた、スティックタイプのアロマです。キャップを取るだけでいつでも、どこでも香りが楽しめるので、外出先や会社でもサッと取り出して使うことができます。スッキリとしたクリアな香りで、吐き気をケアしてくれるので、ミントの香りが好きで外出先でも使いたい人にオススメです。
レモン
料理やジュースなどでお馴染みの「レモン」は、爽やかで清涼感あふれる香りで、リフレッシュしたいときに最適。レモンのアロマオイルには「幸せホルモン」とよばれるセロトニンを増やす作用もあり、生理で悩む女性の心身のケアとして活躍してくれます。レモンによる吐き気の予防や緩和の効果は、大学病院に勤務する医師が、抗がん剤の吐き気に対しておすすめしているほど。元気にさせてくれる香りをもつアロマオイルなので、お昼の時間帯に吐き気を感じたときに使うことがオススメです。
ジンジャー
日本はもちろん、世界中でスパイスや薬用と用いられてきた生姜。その生姜の根から採油される「ジンジャー」のアロマオイルは、ピリッとしたスパイシーな香りが特徴的で、その香りには落ち込んだ気持ちを、明るく前向きにさせてくれる効果があります。ジンジャーは5-HT3受容体に拮抗する作用や、プロスタグランジンを生成する酵素を阻害する作用などによって、吐き気を緩和するとされており、抗がん剤による吐き気や、妊娠中のつわりなど、幅広く吐き気を抑える目的で使用されてきました。またジンジャーのアロマオイルは血行を良くしたり、身体を温める作用を持っているので、生理痛を和らげるために、アロママッサージやアロマバスとしても活用したいアロマオイルのひとつです。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、もっともラベンダーらしい香りと称されます。ラベンダー・アングスティフォリアは、リナロールや酢酸リナリルの成分を多く含んでいるため、吐き気や生理痛を和らげるだけでなく、寝れないツラい夜や、憂鬱な気分、イライラしてしまう気持ちなどを癒してくれます。心地よい香りによってメラトニンを増やすことができ、安眠を誘う作用に優れているため、夜のリラックスタイムなどに適しているアロマオイルです。
グッドナイトピローミスト
ニールズヤードから販売されている「グッドナイトピローミスト」は、ラベンダー、カモミール、マンダリン、ゼラニウムなど、心地よい香りで眠りを誘うアロマオイルがブレンドされた、スプレータイプのアロマです。枕やシーツなどの寝具にシュッとひと吹きするだけで、簡単に使うことができ、幸福感が包み込みこんでくれます。ラベンダーの香りにフローラルな香り、柑橘系の香りがマッチした、さすがニールズヤードの商品だと思わせてくれる、人気No.1アロマスプレーです。生理のトラブルで寝れない人におすすめです。
いかがだったでしょうか?
「【生理中の吐き気をアロマが緩和する】4種類の香りによる対処法と使い方」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイルは、心地よい香りで生理トラブルに悩む女性を癒してくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容がみなさんのお役に立てると嬉しいです。
研究①Aromatherapy Versus Oral Ondansetron for Antiemetic Therapy Among Adult Emergency Department Patients: A Randomized Controlled Trial