こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。【出血が多い生理をアロマが癒す】続く痛みと大量出血を和らげるブレンドご紹介したいと思います。
腹痛だけでもツラい生理痛。出血が多いことで、貧血、立ちくらみ、動悸などがおこり悩んでいる女性も多いのではないでしょうか?アロマテラピーを使うことで、過度の出血や痛みを和らげる効果が認められた研究報告があります。日々の生活で皆さんが取り入れるためのブレンドレシピや使い方を、研究をもとにご紹介していきたいと思います。生理の出血が多くてお困りの方は、ぜひ読んでみてください。
生理の出血が多い【効果的なアロママッサージのレシピ】
生理前7日間、毎日10分間、シナモン:クローブ:ローズ:ラベンダーのアロマオイル(精油)を、1.5:1.5:1:1の割合でブレンドした、5%濃度オイルでマッサージすることで、生理による過度の出血を軽減した研究結果があります。
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイルには、心地よい香りによって、不安やストレスを癒してくれるだけでなく、優れた鎮痛作用で痛みを緩和してくれたり、ホルモンバランスを整える作用があります。そんな素晴らしいアロマオイルをブレンドして、アロママッサージとして使うことによって、さまざまな角度から生理で悩む女性の心身トラブルを和らげ、乗り切れるように優しくサポートしてくれるのです。
研究内容
95名の看護学生を対象に、シナモン:クローブ:ローズ:ラベンダーのアロマオイルを1.5:1.5:1:1の割合でブレンドした、5%濃度オイルでマッサージしたときと、スイートアーモンドオイルでマッサージするときでの、生理期間中における痛みのスコア、痛みの持続期間を比較検討した。また研究に参加した学生の中で、過度の出血が認められる33名を対象に、過度の出血割合の変化を検討した。(過度の出血の定義として、1日4回以上パッドの交換があるとした)。
結果としてアロママッサージを行うことで、生理1〜3日目の過度の出血割合が有意に改善され、生理の痛みの軽減、生理の痛みの持続期間を24.5時間から19.3時間に短縮させる効果が認められた。
これって普通?人とは比べられない生理の出血量
自分自身の出血量が多いのか少ないのか、生理の期間が長いのか短いのか、人と比べることができないため、不安になることもあるのではないでしょうか。正常とされる生理の日数は3~7日程度、出血は2〜3日目が多く、それから少しずつ減っていきます。1回の出血量の目安は20~140ccとされていますが、これらは個人差があったり、ホルモンバランスによっても変化するため、あまり神経質にならなくても大丈夫です。20代、30代と年齢を重ねるごとに出血が増えてきたなら、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気が隠れている可能性もあります。下記のような場合は、一度婦人科を受診することを検討したほうが良いでしょう。
- 1時間で昼用ナプキンがいっぱいなる、もれやすいなど日常生活に支障を感じる
- 出血が多く、健診で貧血を指摘された
【出血が多い生理に効果的なブレンド】アロママッサージの使い方
シナモン、クローブ、ローズ、ラベンダーのアロマオイル(精油)を、ブレンドしたアロママッサージを行うことで、生理の出血、生理の痛み、痛みの持続を緩和してくれる効果が期待できます。ご紹介した研究では、シナモン:クローブ:ローズ:ラベンダーを、1.5:1.5:1:1の割合でブレンドした5%濃度のオイルで、生理前7日間、毎日10分間マッサージすることで、効果が認められていますので、研究と同じマッサージオイルの作り方をご紹介したいと思います。
アロママッサージオイルの作り方
スイートアーモンドオイルなどのキャリアオイル20mlをガラス容器に入れ、シナモン6滴、クローブ6適、ローズ4滴、ラベンダー4適を加えて混ぜ合わせるだけで、簡単にアロママッサージオイルを作ることができます。毎日10分間優しく、お腹あたりをマッサージしてあげることで、アロマオイルの心地よい香りを楽しみながら、生理痛や出血などを予防してくれる効果が期待できます。夜のリラックスタイムや、お風呂あがりなどに使うと良いでしょう。また敏感肌の方はアロママッサージオイルを、2.5%濃度で試してみるのも良いと思います(キャリアオイル20mlに、シナモン3滴、クローブ3適、ローズ2滴、ラベンダー2適)。アロマオイルをキャリアオイルと混ぜることで、アロマオイルの有効成分を身体の奥まで浸透させることができます。
アロママッサージの注意点
ご紹介したアロママッサージオイルは、アロマオイルの濃度が5%と比較的高いため、パッチテストを行ってから使うようにしましょう。パッチテストはアレルギー反応がおきないかを試す簡便なテストで、作ったアロママッサージオイルを腕などに少量つけ、すぐに拭き取る。翌日赤くなったりして、アレルギー反応が起きないかを確認します。アロマオイルは天然有効成分が凝縮されていて、まざまな効果が期待できる一方で注意も必要です。安全に楽しむために、パッチテストは行うようにしてください。クローブやシナモンには子宮収縮作用があるため、妊婦の方は控えるようにしましょう。
また使うアロマオイルは「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載された、良質なアロマオイルを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されていて、精油本来の有効成分が入っていないため効果が期待できません。プラナロム/健草医学者、生活の木、NEAL’S YARDなどのアロマ専門店のアロマオイルを選ぶと良いでしょう。私の個人的なおすすめはプラナロム/健草医学者です。プラナロム/健草医学者はオーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されている高品質なオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。
アロマテラピーは生理中トラブルだけでなく、生理前トラブルを緩和する嬉しい作用がたくさんあります。よかったらこちらの記事も読んでみてください。【生理前/中のアロマ記事まとめ】生理痛、イライラなど症状別7レシピ
シナモン
世界最古のスパイスともよばれる「シナモン」は、紀元前4000年頃前からミイラの防腐剤として、エジプトで使われ始めました。甘く気分を高揚させてくれる香りが特徴的で、日本では正倉院に宝物として奉納され「薬物」としても古くから利用されてきました。シナモンは身体を温める作用を持っており、冷えからくる生理痛などの痛みを得意としています。シナモンのアロマオイルは、葉付き小枝から採油されるもの、樹皮から採油されるもの、葉から採油されるものがあります。葉から採油されるシナモンリーフには、オイゲノールが多く含まれており、優れた鎮痛作用や、痛みを緩和する麻酔作用を持っています。またシナモンのアロマオイルには、ケラチンやコラーゲンの生合成を促し、美肌効果もあるため女性に嬉しいアロマオイルのひとつです。
クローブ
日本では丁子(チョウジ)として、昔から知られていたスパイスである「クローブ」。エキゾチックで甘くオリエンタル調の香りが特徴的で、歯医者さんの匂いとも表現されます。ヨーロッパなどでは歯の痛みなどにも使用され、シナモンと同じようにオイゲノールを多く含むため、優れた鎮痛作用と麻酔作用を持っています。クローブは肌への刺激が強いアロマオイルでもあるため、敏感肌の方は少量ずつ使うと良いでしょう。
ローズ
甘く気品あふれる香りで多くの女性を魅了する「ローズ」。心身のトラブルを心地よい花の香りで癒す作用に優れており、生理痛だけでなく、生理前のイライラなどの月経前症候群(PMS)、更年期障害においても、改善する効果があることが研究報告されています。水蒸気蒸留法で採油されてものをローズオットー、溶剤抽出で採油されてものをローズアブソリュートといい、ローズオットーは16℃以下になると固化していきます。採油量の少ないローズオットーのほうが高価であるため、偽物が流通することがあり、本物の天然ローズであることを見分けるために、冷蔵庫などで冷やして固化するかどうかで見分けることもあります(固化しても手などで温めれば液体に戻ります)。非常に高価なアロマオイルでもあるので、生活の木から販売されている1mlなどの少量のものを購入されたり、ゼラニウムなどで代用することも良いでしょう。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。ラベンダー・アングスティフォリアは、癒しのアロマオイルの代表格でもあり、リナロールや酢酸リナリルの成分を多く含んでいるため、生理によるイライラや不安を軽減してくれます。直接的な鎮痛作用や、心地よい眠りをサポートする安眠作用もあるため、生理で眠れないツラい夜にはピッタリのアロマオイル。「幸せホルモン」とよばれる、セロトニンやオキシトシンを増やす作用もあるので、落ち込んだ気持ちを前向きに明るくさせてくれます。
プラナロム/健草医学舎「マッサージオイル タイプA」
プラナロム/健草医学舎から販売されている「タイプA」には、ラベンダー、クローブなどのアロマオイルが6種類ブレンドされていて、アロマオイルの濃度は5%としっかり含まれているマッサージオイルです。ラベンダーやクローブの香りに加え、フローラルなイランイランの香り、バジル、ローズマリーなどのスッキリした香りがマッチしています。優れた鎮痛作用をもつアロマオイルがふんだんに使われているので、アロマテラピーを使ったことがない方は、マッサージオイルAタイプを試してみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「【出血が多い生理をアロマが癒す】続く痛みと大量出血を和らげるブレンド」をご紹介させていただきました。腹痛だけでもツラい生理痛。出血が多いことで、貧血、立ちくらみ、動悸などで悩んでいる、皆さんのお悩みの解決に少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマオイルの天然有効成分が凝縮されたアロマオイルを用いるアロマテラピーは、さまざまな角度から女性の心身のトラブルを癒してくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。
参照:The Effect of Aromatherapy Abdominal Massage on Alleviating Menstrual Pain in Nursing Students: A Prospective Randomized Cross-Over Study