こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです。今回はアレルギー性鼻炎に関してご紹介したいと思います。アレルギー性鼻炎は鼻水、鼻づまり、くしゃみが三大症状ですが、季節に関係なく症状が出るかたも多いのではないでしょうか?
- 季節に関係なく鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状が出てツラい
- 特に鼻づまりが気になる
- 夜ぐっすりと眠れない
などにお悩みのかたにおすすめの記事になっています。
アロマテラピーの研究論文と簡単な日々の生活でのアロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください!
アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎とは、主な原因として、空気中に浮遊する花粉やハウスダストなどの原因物質「アレルゲン」を吸い込み、その成分が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こるアレルギー反応です。
日本人の39.4%がアレルギー性鼻炎に悩まされており、アレルギー性鼻炎にはスギやヒノキなどの花粉によって引き起こされる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」と、ハウスダストなどが原因で、季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。季節性アレルギー鼻炎は日本人の29.8%、通年性アレルギー性鼻炎は23.4%が罹患しているとされています。
通年性アレルギー性鼻炎はハウスダストやダニが主な原因ですが、蛾やゴキブリなどの昆虫、ペットの毛、カビ、フケなどもアレルゲンとなります。掃除なども有効な手段ですので、部屋を清潔にするように心がけましょう!
アレルギー性鼻炎の治療
お薬による治療の「薬物療法」、粘膜を硬くするレーザー手術などの「手術療法」や、アレルゲンを徐々に投与し慣れさせることで治療を行う「アレルゲン免疫療法」があります。手術も日帰りで実施できることもありますので、症状がひどい場合は医療機関を受診して、医師と治療方針に関して相談してみるとよいでしょう。
アレルギー性鼻炎に対するアロマテラピー研究
サンダルウッド、フランキンセンス、ラヴィンサラのアロマオイル(精油)をブレンドしたアロマテラピーによって、通年性アレルギー性鼻炎の症状を改善した研究論文があります。
研究内容
通年性アレルギー性鼻炎の男女54人(平均年齢29.8歳)を対象に、サンダルウッド、フランキンセンス、ラヴィンサラのアロマオイル(精油)を、スイートアーモンドオイルで0.2%に希釈したブレンドオイルの香りを与える群と、スイートアーモンドオイルだけの香りなしの群で、アレルギー症状の自覚症状スコア(TNSS)、生活の質アンケート(RQLQ)の変化を比較。香りは1日2回7日間、鼻から30cm離し通常の呼吸で5分間吸入。
研究結果
【TNSS】
ブレンドオイルを使用した群で、アレルギー性鼻炎に伴う自覚症状の「トータルスコア」と「鼻づまり」を有意に改善。
【RQLQ】
ブレンドオイルを使用した群で、アレルギー性鼻炎に伴う生活の質の「トータルスコア」と「行動制限」、「睡眠障害」などを有意に改善。
参照:Effect of Inhalation of Aromatherapy Oil on Patients with Parennial Allergic Rhinitis: A Randomized Controlled Trial. Evid Based Complement Altenat Med
アレルギー性鼻炎に対する研究から考えられること
ご紹介した研究ではサンダルウッド、フランキンセンス、ラヴィンサラの0.2%濃度ブレンドオイルを1日2回7日間吸入することで、通年性アレルギー性鼻炎の自覚症状と生活の質を改善しました。
これにはフランキンセンスに含まれる「α-ピネン」のアレルギー症状の改善効果、ラヴィンサラに含まれる「1•8シネオール」の抗炎症効果などが、今回の結果に影響したのではないかと著者は考察しています。また今回の研究で疲労も改善することがわかりましたが、それはサンダルウッドによるリラックス効果によるものと考えられています。
アレルギー性鼻炎による「鼻水」、「鼻づまり」、「くしゃみ」の症状でお悩みであったり、症状のせいで寝苦しい、またアレルギー性鼻炎のせいで出かけたくないなど、さまざまな悩みにアロマテラピーが有効であると考えられます。今回の研究ではブレンドオイルを、1日2回7日間、鼻から30cm離し通常の呼吸で5分間吸入。そのような方法でここまでの素晴らしい効果が確認されましたので、日々の生活にも簡単に取り入れることのできる方法だと思います。
アレルギー性鼻炎に効果的なアロマオイル3種類の使い方
研究で使用されたブレンドオイルの作り方をご紹介したいと思います。研究では0.2%濃度のブレンドオイルを1回1mlが使用されましたので、1回あたりのアロマオイルの量が同じぐらいになるように使い方を考えてみました。
【用意するもの】
【作り方】
- ガラス容器にスイートアーモンドオイルを入れる
- ガラス容器に精油を加え、軽く容器振る
【ポイント】
- 1日2回ブレンドしたオイルを2滴使用
- アロマストーンなどに垂らし、5分間香りを楽しむ
上記の方法で使用すれば、1回あたりの精油の使用量は研究と同じ程度になります。2%濃度のブレンドオイルになりますので、香りをもっと楽しみたい場合は4〜6滴使っても良いと思います。
計算内容
研究では0.2%濃度のブレンドオイルを1回1ml使用されました。アロマオイルの1滴は約0.05mlになりますので、0.2%濃度のブレンドオイルが20滴使用されたことになります。そのため、2%濃度のブレンドオイルを使用する場合、2滴にすることで1回あたりのアロマオイルの量が同じになります。
おすすめのブレンドオイル商品
アロマテラピーを行ったことがない方には、市販のブレンドされた商品をまずは試してみることも良いと思います。使ってみてアロマテラピーが好きになれば、いろいろなアロマオイル(精油)を集めてみてください。
ケンソー/プラナロム 「アロマフレグランス アンミン」
ケンソー/プラナロムから発売されている「アンミン」は、研究でも使われたラヴィンサラや、癒しの効果があるラベンダーやオレンジがブレンドされているアロマフレグランスです。アレルギー性鼻炎にも効果が期待でき、心地よい眠りを手助けしてくれるアロマオイルが使用されています。寝る時にベッドの側に数滴垂らしてお使いになるのが良いと思います。特にアレルギー性鼻炎でぐっすり眠れないかたにおすすめです。
生活の木 「マスクスプレーレモンバーム」
生活の木から発売されている「マスクスプレー レモンバーム」は、研究で使われたフランキンセンスや、抗菌効果のあるレモンバームやベルガモットがブレンドされたマスクスプレーです。マスクの外側にシュッと2〜3回スプレーすることで、お出かけの際に柑橘系の爽やかな香りとともに、アレルギー性鼻炎の症状を抑えてくれることが期待できます。
いかがだったでしょうか?
「眠れない鼻づまり!アレルギー性鼻炎に効果的なアロマオイル3種類」をご紹介させていただきました。アレルギー性鼻炎でお悩みの方に少しでもお役に立てると嬉しいです!アロマテラピーも簡単に行えるので、ぜひ試してみてください。