こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回はアロマオイルの持続性についてご紹介したいと思います。
「好きな香りなのにすぐに消えてしまう」、「この香りはずっと残っているな」などアロマオイルによって違うと感じたことはありませんか?
香りの持続性を理解することによって、香りのバランスが良いブレンドアロマオイルを作れたり、香りを持続させるための組み合わせがわかるようになります。おすすめの割合などもご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
アロマオイルの香りの持続性
香りの持続性を考えるうえで「香りの揮発度」や「ノート」といったアロマオイルごとの揮発性が重要になります。
ある香りはすぐに消えてしまったり、ある香りは長く持続するのは香りの成分の揮発性の違いによっておこります。香り立ちの時間が早い(揮発性が高い)ものから「トップノート」、「ミドルノート」、「ベースノート」に分けられます。
トップノート
香り立ちが最も早く、香りを嗅いだ時に一番はじめの印象を与えます。香りの持続時間は「すぐ〜2時間程度」であり主には20〜30分間香りが持続します。柑橘類やハーブ類に多くみられます。
【トップノートのアロマオイル】
アカマツ•ヨーロッパ、オレンジ•スイート、カモマイル•ローマン、カユプテ、グレープフルーツ、コリアンダー、シトロネラ、ジュニパー、スターアニス、セージ、タイム•チモール、タイム•ツヤノール、ティートゥリー、ネロリ、バジル、パルマローザ、プチグレン、ベルガモット、ニアウリ•シネオール、マジョラム、マンダリン、ホーウッド、ユーカリ・ラディアタ、ラヴィンツァラ、ラベンダー•アングスティフォリア、ラベンダー•スピカ、リトセア、レモン、レモングラス、ローレス、ローズウッド
ミドルノート
トップノートの次に香り立ちが早いグループです。香りの持続時間は「2〜4時間」でハーブ類、フローラル類、樹木類、スパイス類などの多くが分類されます。香りの全体の骨格となります。
【ミドルノートのアロマオイル】
アジョワン、アトラスシダー、イランイラン、ウインターグリーン、オレガノ、カルダモン、カモマイル•ジャーマン、クラリセージ、クローブ、サイプレス、シダー、シナモン•カッシア、ジャスミン、ジンジャー、ゼラニウム•エジプト、セロリ、タイム•サツレオイデス、タナセタム、ナツメグ、ファンネル、フランキンセンス、ブラックスプルース、ペッパー、ペパーミント、ヘリクリサム、ユーカリ•レモン、ローズ、ローズマリー•カンファー、ローズマリー•シネオール、ローズマリー•ベルベノン
ベースノート
香り立ちが遅く、持続時間は『6時間以上』も持続します。樹木類やオリエンタルがベースノートに分類されます。
【ベースノートのアロマオイル】
クミン、サンダルウッド、スパイクナード、タラゴン、トゥルーバルサム、パチュリー、ベチバー、ロックローズ、ミルラ、ベンゾイン
バランスの良い香りを作るための割合
ここまでアロマオイルの持続性(揮発性・ノート)に関してご紹介いたしましたが、ここからは各ノートの割合に関してご紹介していきたいと思います。
香り立ちが良いトップノートの香りが最初は強く感じるかもしれませんが、時間が立つと香りが変化していきますので、適切な割合でブレンドすることが重要です。
香水を作る
香水はしっかりと香らせること、香りを持続させることが重要です。香水の歴史の中でも著名な調香師であるジャン・カルルさんの割合はトップノート20%(15〜25%)、ミドルノート30%(30〜40%)、ベースノート50%(45〜55%)です。香水であるとベースノートの割合が多くなり持続時間の目安は「5〜7時間」です。
オードトワレを作る
香水の中でも柔らかい香りで、気軽に楽しめるオードトワレを作る場合はトップノート50%、ミドルノート30%、ベースノート20%です。香水に比べ持続時間は劣りますが、軽い香り立ちを楽しむことができます。私はスーツなどの仕事中に使う場合はこの割合が多く、香りが強すぎずお気に入りです。持続時間の目安は「3〜4時間」です。
万能な割合
アロマテラピーを行ううえで、ブレンドオイルでのマッサージやスプレーなどいろいろなものをクラフトされると思いますが、個人的に万能な比率はトップノート40%、ミドルノート40%、ベースノート20%です。この割合の理由としてはバランスが良いこともありますが、アロマオイルはトップノートとミドルノートのものが多いため、ブレンドする際に使えるアロマオイルが多いことです。いろいろな種類をブレンドできると私は楽しいと思いますのでこの比率がおすすめです。ぜひみなさんもお好きな割合を探してみてください。
他にもアロマブレンドオイルを作るときのコツなどを知りたいかたは、こちらも参考にしてみてください。【アロマオイルの希釈】簡単2ステップでできる濃度計算方法、【記事まとめ】調香師が使う簡単ブレンドアロマオイルの作り方と3つのコツ
作ったブレンドアロマオイルで香りの変化を楽しむ
アロマオイルは時間が経つにつれて香りが変化していきます。それは一つのアロマオイルでも変化しますが、ブレンドしたアロマオイルではもっと複雑で深みのある香りの変化があります。ぜひクラフトしたものの香りの変化を楽しんでみてください。
また香りの持続性と香りの変化を楽しむ実験として、トップノート、ミドルノート、ベースノートをムエット(なければティッシュやコットン)に1敵ずつ垂らし、5分おきごとに香りを嗅いでみてください。香りが変化するのがわかると思います。ムエットは「生活の木」などで購入できますので、簡単な実験ではありますが面白いのでぜひ試してみてください。
いかがだったでしょうか?
アロマオイルの持続性(揮発性・ノート)に関してご紹介させていただきました。みなさんがブレンドする際にお役に立てると嬉しいです。みなさんのおすすめの割合やブレンドがあれば問い合わせフォームからでも教えてください!