こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回はアロマフットマッサージが癒す、眠れない「むずむず脚症候群」の対処法をご紹介したいと思います。
脚がむずむずする、ピリピリする、かゆいなどの不快感で、眠れない夜はありませんか?アロマフットマッサージを行うことで、そのような不快な症状が緩和された研究報告があります。どのようなアロマオイルのブレンドにそのような効果が認められたのか、また簡単にできる対処法をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
「むずむず脚症候群」対処法としてのアロマフットマッサージ
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイル(精油)を使ったアロマテラピーは、海外では医療として用いられるほどの作用を持っています。残念ながら日本では医療として使うことはできませんが、海外の研究報告において、ラベンダーとオレンジスウィートをブレンドしたオイルを使用することで、「むずむず脚症候群」の不快な症状や、睡眠障害を緩和させる効果が認められています(研究①)。
研究内容
むずむず脚症候群と睡眠障害を有する血液透析患者105名を対象に、ラベンダーとオレンジスウィートのアロマオイルをブレンドしたオイルでフットマッサージを行う群と、一般的なケアを行う対照群においての、むずむず脚症候群の不快症状と、睡眠障害の改善効果を比較検討した。アロマフットマッサージは1回30分、週3回3週間実施した。結果としてアロマフットマッサージを行った群は対照群と比較して、介入1週間後、2週間後、3週間後における、むずむず脚症候群の不快症状と、睡眠障害を有意に改善する効果が認められた。
ご紹介した研究の他にも、ラベンダーのアロマオイルを1.5%濃度に希釈したオイルで、フットマッサージをすることで、むずむず脚症候群の症状が緩和された研究報告があります
むずむず脚症候群とは
むずむず脚症候群とは、レストレスレッグス症候群ともよばれ、じっと座っているときや、夜眠ろうとベッドに入ったとき、新幹線や飛行機に乗っているときなどにおこる、むずむずする、ピリピリする、かゆみ、痛みなどの不快症状が現れる病気です。そのことによって眠れないなどの睡眠障害が引き起こされることがあり、日常生活に大きな影響を及ぼします。むずむず脚症候群は女性が男性に比べ1.5倍かかる率が高く、年齢を重ねるとともに発症率が高くなるとされています。
むずむず症候群の原因
むずむず脚症候群は、現在の医療をもってしても原因が明らかになっていません。もっとも有力な説としては、脳内で神経どうしの連絡を行う物質「ドパミン」がうまく働かなくなることによっておこるとされています。その他にも鉄分不足や遺伝なども関係しているとされ、鉄分はドパミンを作るために欠かすことのできない物質であるため、鉄分が不足することによってドパミンが合成されず、症状を引き起こすとも考えられています。また他の病気や薬などによっておこる二次性の原因として、鉄欠乏性貧血、透析、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチ、妊娠などがあります。
むずむず脚症候群の特徴的な自覚症状
- 脚の不快な感覚があり、脚を動かしたくてたまらない
- 横になったり座ったりしていると症状が現れる、または強くなる
- 脚を動かすと不快な感覚が軽くなる
- 夕方から夜にかけて症状が強くなる
薬物療法以外のむずむず脚症候群の対処法
むずむず脚症候群は鉄分の不足によっておこることがあるため、鉄分を豊富に含むレバーやホウレンソウなどを積極的に摂るようにしましょう。特に女性は月経によって鉄分不足になりやすいので注意が必要です。カフェイン、アルコール、喫煙は、症状を悪化させるため控えるようにしてください。寝る前に行うストレッチやマッサージで筋肉をほぐすことも効果的で、マッサージにアロマテラピーをとりいれるとより良いでしょう。
症状がひどい時は、我慢せず医療機関を受診するようにしましょう。有効な治療薬もありますし、他の病気によって引き起こされているかも診断してくれます
「むずむず脚症候群」の対処法としてのアロマテラピー
むずむず脚症候群によっておこる、むずむずする、ピリピリする、かゆみ、痛みなどの対処法としてアロマフットマッサージがオススメです。アロマオイル(精油)の天然有効成分と、心地よい香りが癒しをあたえてくれます。むずむず脚症候群によって、眠れないツラい夜であっても、アロマが優しく寄り添い、安眠を誘ってくれるでしょう。
アロマフットマッサージオイルの作り方
アロマフットマッサージのためのブレンドオイルは、ガラス容器にキャリアオイル20mlを加え、ラベンダーとオレンジスウィートのアロマオイルを6滴ずつブレンドし、軽く混ぜ合わせることで簡単に作ることができます。キャリアオイルを使うことで、アロマオイルの天然有効成分を身体の奥まで浸透させることができます。ご紹介したレシピはアロマオイルが3%濃度になりますので、敏感肌の方はアロマオイルを4滴ずつ加えて、2%濃度のマッサージオイルにしても良いと思います。足先から膝のあたりまで15分程度かけて優しくマッサージしてあげてください。ラベンダーとオレンジスウィートの組み合わせは、安眠にも良いので夜のリラックスタイムや、お風呂上がりなどにマッサージすると良いでしょう。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。むずむず脚症候群は、睡眠中に痙攣(けいれん)を伴うことが多いともされていますが、ラベンダー・アングスティフォリアは、痙攣を抑える作用に優れています。また一部の研究ではドパミンの働きを調整する作用が認められており、ご紹介した研究結果のように、不快な症状を抑制する効果が期待できるのです(研究②)。またラベンダー・アングスティフォリアは、癒しのアロマオイルの代表格でもあり、リナロールや酢酸リナリルの成分を多く含んでいるため、心地よい眠りをサポートしてくれることが多くの研究からもわかっています。眠れないむずむず脚症候群でお悩みの方には、とても心強い味方となってくれるでしょう。
アロマオイルのブランドとしてはプラナロム/健草医学舎がおすすめです。プラナロム/健草医学舎は、オーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されている、品質の高いアロマオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。アロマオイル1本1本に、成分分析表もついてくるため安心して使うことができます。
オレンジスウィート
爽やかで甘くフルーティーな香りが多くの人に好まれる「オレンジスウィート」。普段「オレンジ」として食べているのがオレンジスウィートであり、果皮から採油したものがアロマオイルとして使われています。オレンジスウィートに含まれるd-リモネンの成分は、心身を落ち着かせリラックスさせてくれるため、神経が過敏になっている、むずむず脚症候群の症状を緩和する作用が期待できます。また幸せホルモンとよばれる「セロトニン」を増やす作用も知られており、甘く優しい香りは眠れないツラい夜にも癒しを運んでくれます。老若男女が親しみを持つアロマオイルでもあり、気分をリフレッシュして、明るく元気にさせてくれます。
ブレンドマッサージオイル
プラナロム/健草医学舎から発売されている「マッサージオイル No111」は、ラベンダー・アングスティフォリアを中心に、マンダリン、ラヴィンツァラ、プチグレンが、キャリアオイルとブレンドされたマッサージオイルです。ラベンダーの甘酸っぱい香りに、柑橘系とラヴィンツァラのスッキリした香りが、バランスよく混じり合い癒しを与えてくれます。心地よい眠りを誘うアロマオイルが使われているため、むずむず脚症候群で眠れない夜に悩んでいる方にもオススメです。アロマテラピーを使ったことがない方は、まずはマッサージオイルNo111を使って、アロマフットマッサージを行ってみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「アロマフットマッサージが癒す、眠れない「むずむず脚症候群」の対処法」をご紹介させていただきました。むずむずする、ピリピリする、かゆみ、痛みなどの不快症状で、お悩みの方に少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマオイルは医薬品ではありませんが、天然有効成分が凝縮され、さまざまな素晴らしい作用を持っています。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、よかったら試してみてください。
参照:研究①The effects of foot massage on hemodialysis patients’ sleep quality and restless leg syndrome: a comparison of lavender and sweet orange essential oil topical application、研究②Effect of lavender oil on motor function and dopamine receptor expression in the olfactory bulb of mice