こんにちは、アロマ薬剤師のふみやです。多くの方が便利だと感じるテレワーク。ある調査では2018年のテレワークの割合は3%程度でしたが、2020年では約50%もの方が、テレワークで勤務しているとの報告があります。またその中で「テレワークが便利である」と感じるかたは90%いらっしゃったようです。
しかし便利である一方で、以前よりも疲労を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それは1日中パソコン作業することで身体に負担がかかっていたり、オンオフを切り替えられずにストレスがたまり、自律神経が乱れているかもしれません。アロマテラピーの研究論文をもとに、テレワークになってから疲労を強く感じるかたのためのアロマオイル、また簡単なアロマテラピーの活用方法をご紹介していきたいと思います。ぜひとも読んでみてください。
テレワークは疲れやすい!?
株式会社明成商会が行った「テレワークにおける身体的疲労」のインターネット調査(東京在住の23歳〜59歳111名を対象)では、テレワークで身体的な負担や疲労を感じる人は40.5%もいっらっしゃるとの報告があります。 また疲労が溜まっている部位は「腰」、「眼」、「肩」との回答が多くありました。
このようなアンケート結果になった理由としては、1日中パソコンの前で仕事することによって、身体的な疲労はもちろんですが、仕事のオンオフを切り替えられずストレスがたまり、自律神経が乱れてしまっている可能性があります。このようなことがテレワークでの勤務を、逆に疲労を強く感じさせる理由の一つになります。テレワークによる自律神経の乱れに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。→テレワークで自律神経の乱れ⁉︎【2つの対策とアロマオイルの効果】
パソコン作業の疲れとストレスに効果的なアロマオイルの研究
パソコン作業中にグレープフルーツ、ペパーミント、真正ラベンダーのアロマオイル(精油)の香りを与えることによって、疲労が軽減した研究結果があります。
研究内容
健常男性8名を対象にアロマオイル(精油)の香りを吸入しながら、120分のパソコン作業を行った前後での、生理学的検査、心理学的検査、免疫学的機能をアロマオイル使用しなかった場合と比較。アロマオイルは、グレープフルーツ、ペパーミント、真正ラベンダー、ブレンドA、ブレンドBを、パソコン作業中にアロマディフューザー(生活の木製)で香りを与えた。
ブレンド内容
- ブレンドA:オレンジ、マジョラム、ゼラニウム、イランイラン
- ブレンドB:ベルガモット、オレンジ、カモミールローマン、真正ラベンダー、シダーウッドアトラス、ローズウッド
研究結果
【肉体疲労】
香りなしと比べて、グレープフルーツ、ペパーミント、真正ラベンダー、ブレンドBで肉体疲労のスコアを有意に改善。香りなしと比べて「全ての群」で肉体疲労の変化量が有意に改善した。
【精神疲労】
香りなしと比べて、ペパーミント、真正ラベンダー、ブレンドA、ブレンドBで精神疲労スコアが有意に改善。香りなしと比べて、ペパーミント、ブレンドA、ブレンドBで精神疲労の変化量が有意に改善した。
【疲労度】※肉体疲労と精神疲労の合計
香りなしと比べて、ペパーミント、真正ラベンダー、ブレンドA、ブレンドBで疲労度のスコアが有意に改善。香りなしと比べて「全ての群」で疲労度の変化量が有意に改善した。
参照:芳香浴によるパーソナルコンピュータ作業の疲労軽減効果―生理,心理,免疫学的指標による検討
アロマ薬剤師ふみやの研究論文に対する私見
ご紹介した研究では、パソコン作業中にグレープフルーツ、ペパーミント、真正ラベンダー、ブレンドされたアロマオイル(精油)の香りを与えることによって、疲労の軽減効果が期待できる結果となりました。研究結果を私なりにまとめてみました。すごく簡単な指標にしていますが…。◎が◯よりも改善効果が優れていたことを表しています。
肉体疲労スコア | 肉体疲労変化量 | 精神疲労スコア | 精神疲労スコア | 疲労度スコア | 疲労度変化量 | |
グレープフルーツ | ◯ | ◎ | ◯ | |||
ペパーミント | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
真正ラベンダー | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | |
ブレンドA | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
ブレンドB | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
全体的に素晴らしい効果が期待できる結果となりましたが、肉体疲労には、グレープフルーツ、ペパーミント、真正ラベンダーのいずれも効果的で、精神疲労にはペパーミント、真正ラベンダーが良い思います。
特にペパーミントの疲労回復効果は優れており、結果ではご紹介しませんでしたが、ペパーミントのみが「活力」を改善しており、そのことが疲労回復に繋がったのではないかと著者は考察しています。このような効果が確認されたのは、ペパーミントに含まれる「モノテルペンアルコール」や「メントール」によって、神経強壮作用や筋肉弛緩作用が働いたからかもしれません。
またブレンドオイルの効果も素晴しく、アロマオイルを数種類組み合わせることによって、それぞれのアロマオイルが、さまざまな角度から疲労の回復に作用したのではないかと思います。みなさんがアロマテラピーを行う時も、複数のアロマオイルをブレンドすることがおすすめです。
テレワーク疲れとストレスに効果的なアロマオイルの使い方
ここからは私が考えるおすすめのアロマオイル(精油)の使い方を、ご紹介していきたいと思います。皆さんがご自宅でできるように考えてみましたので、よかったら試してみてください。
研究論文で使われたブレンドオイルを作る
ブレンドBではベルガモット、オレンジ、カモミールローマン、真正ラベンダー、シダーウッドアトラス、ローズウッドが使用されました。
このブレンドは癒しを与えてくれるアロマオイルが多く、真正ラベンダーとカモミールローマンの甘酸っぱい香りに、柑橘系・森林浴の香りが加わったバランスがとれたブレンドです。ローズウッドは入手が困難になってきておりますので「ホーウッド」で代用したり、カモミール・ローマンの代わりに、ペパーミントをご使用されても良いでしょう。多くのアロマオイルを揃えるのが大変であれば、ベルガモット、真正ラベンダー、ペパーミントの3種類のブレンドもおすすめです。
ブレンドオイルのおすすめの使い方
アロマディフューザーを使用する
今回の研究では「生活の木」のアロマディフューザーが使用されましたが、生活の木のアロマディフューザーの中でも「アロモアミニ」がおすすめです。熱を加えたり、水で薄めないためアロマオイルの本来の香りが楽しめます。コンパクトなのでデスクに置くにも場所をとらず、テレワークの際に良いと思います。
アロマストーンに垂らして香りを楽しむ
アロマストーンにブレンドオイルを垂らして、香りを楽しむ方法もおすすめです。6滴垂らすと約30〜60分香りが持続しますので、朝の仕事を頑張りたい時と、午後の疲れがたまりやすい時間に、2回に分けてお使いになると良いと思います。
アロマテラピー未経験者の方へおすすめ
アロマテラピーを行ったことがなければ、まずは市販にブレンドされたものを購入されることがおすすめです。アロマオイルを複数購入すると、それなりのお値段になってしまうので、まずは市販にブレンドされたものを試してみて、アロマテラピーに魅力を感じたらなら、ご自身でいろいろな種類のアロマオイルを購入していくのも良いと思います。
プラナロム/ケンソー 「アロマフレグランス」
プラナロム/ケンソーから発売されているアロマフレグランスの「コンセントレート」は、ペパーミントに加え、集中力をアップさせてくれるローズマリーやバジルがブレンドされています。集中して仕事をしたい時にピッタリの商品で、そのあとの疲労回復にも効果が期待できます。
「タイヤード」にも、ペパーミントがブレンドされていて、シナモンの甘い香りとティートゥリーのスパイシーな香りがマッチした、疲れを忘れさせてくれる香りになっています。午後の疲れを感じ始めた時に使うのがおすすめです。
これらの商品はアロマフレグランスになっていますので、香水のように少量使って香りを楽しむことができますし、アロマストーンに数滴垂らしても良いと思います。プラナロム/ケンソーの製品は100%オーガニックかつ、有効成分の品質管理が徹底された高品質の商品なので、ぜひ試してみてください。
いかがだったでしょうか?
「【論文から考える】テレワーク疲れとストレスに効果的なアロマオイル」をご紹介させていただきました。テレワークで疲れを感じている方々に少しでもお役に立てると嬉しいです!アロマテラピーも簡単な方法で行えますので、ぜひ試してみてください。