こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【副鼻腔炎(蓄膿症)】長引く鼻水と鼻づまりに効果的なアロマテラピーをご紹介したいと思います。
副鼻腔炎はドロっとした黄色い鼻水や鼻づまり、嫌な臭い、頭痛などさまざまな不快な症状がおこる病気です。そんな副鼻腔炎に対するアロマテラピーの研究と、その研究をもとにアロマテラピーの使い方をご紹介したいと思います。ぜひ読んでみてください。
副鼻腔炎(蓄膿症)とは
副鼻腔の粘膜に炎症がおこっている状態のことを「副鼻腔炎」といいます。副鼻腔炎は細菌やウイルス、カビ、花粉、ストレスなどが原因でおこり、風邪をひいた後などにおこりやすい病気です。通常であれば1〜2週間で治りますが(急性副鼻腔炎)、放置して悪化したり炎症を繰り返すことで、2〜3ヶ月炎症が続くことがあり、それを蓄膿症(ちくのうしょう)・慢性副鼻腔炎といいます。蓄膿症はしばしば再発を繰り返します。
副鼻腔炎の主な症状
- 鼻がつまって息苦しい
- ドロっとした鼻水
- 鼻をかんでも奥に残っている感じがする
- 鼻や口から嫌なニオイがする
- 食べ物のニオイがわからない
- 頭痛がする
- 顔面が痛い、歯や目、鼻の周りが痛い
上記の症状がひどい場合や、長引くようであれば医療機関を受診するようにしましょう
【副鼻腔炎(蓄膿症)】の症状に効果的なアロマテラピー
アロマオイル(精油)に含まれる「シネオール」の成分を使うことによって、副鼻腔炎の症状を改善した研究結果があります。シネオールはカユプテ、カルダモン、セージ、タイム、ニアウリ、ユーカリ、ラヴィンツァラ、ローズマリー、ラベンダースピカなどに多く含まれる成分で、タイムのアロマオイルは副鼻腔炎の原因菌や炎症に対しても効果的です。シネオールは優れた抗炎症作用があり、内服薬やトローチ剤、薬用のど飴にも使用されるほどなのです。研究内容を簡単にご紹介したいと思います。
研究内容
副鼻腔炎の患者152名を対象に、シネオールを含んだカプセルを服用した群と、プラセボのカプセルを服用した群においての、副鼻腔炎の症状を比較した。カプセルは1日3回7日間服用した。結果としてシネオールを含んだカプセルを服用した群において、症状の合計スコア、頭痛、鼻づまり、鼻水などの症状が改善された(研究①)。
タイムのアロマオイルをもちいて、副鼻腔炎の原因菌に対する効果と、炎症に対する効果を測定した。結果としてタイムのアロマオイルを用いることで、原因菌と炎症に対する効果が認められた(研究②)。
参照:研究①「Therapy for acute nonpurulent rhinosinusitis with cineole: results of a double-blind, randomized, placebo-controlled trial」、研究②「Anti-inflammatory and antibacterial evaluation of Thymus sipyleus Boiss. subsp. sipyleus var. sipyleus essential oil against rhinosinusitis pathogens」
その他の研究でもシネオールを多く含むアロマオイルが、アレルギー性や炎症性の病気に効果的であった研究が多く発表されています。
長引く鼻水と鼻づまりに効果的なアロマテラピーの使い方
ここからはアロマテラピーの使い方についてご紹介したいと思います。オススメの方法としては鼻水と鼻づまりなどの副鼻腔炎の症状が出たときに、シネオールを多く含むアロマオイルの香りをアロマディフューザーやアロマストーンを使って香りを吸入する方法です。その他にもアロマスプレーを作って、お出かけのときにマスクに使う方法も良いと思います。
アロマディフューザー、アロマストーン
カユプテ、カルダモン、セージ、タイム、ニアウリ、ユーカリ、ラヴィンツァラ、ローズマリー、ラベンダースピカなどのアロマオイルを、アロマディフューザーやアロマストーンで、香りを深呼吸するように香りを吸入すると効果的です。アロマストーンであればアロマオイルを5滴程度使うと、20〜30分香りを楽しむことができます。できればシネオールを多く含むアロマオイルを中心に複数のアロマオイルをブレンドすると良いでしょう。
プラナロム 「プロヴァンス」
プラナロムから発売されている「プロヴァンス」は、ラベンダーのアロマオイルを中心に、ユーカリ、ローズマリー、レモンなどがブレンドされた、アロマオイル100%のルームコロンです。ラベンダー畑でそよ風に揺られるような香りで、気分を落ち着かせてくれます。疲れたときやストレスを感じたときなどにオススメで、アロマオイル100%なのでアロマストーンにそのまま垂らして使うことができます。プラナロムのアロマオイルはオーガニックであり、有効成分の管理も徹底されているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。
ニールズヤード 「エナジー」
ニールズヤードから発売されている「エナジー」は、ローズマリーやグレープフルーツのフレッシュな中にも温かみのあるアロマオイルがブレンドされたオイルです。スッキリと元気を出してくれるアロマオイルが使われているので、一日の始まりや、元気を出したいときにオススメです(ローズマリーのアロマオイルは集中力をアップさせる研究結果があり、仕事の効率アップをサポートしてくれます)。
アロマスプレー
アロマスプレーは部屋にスプレーして香りを楽しんだり、マスクに使うことで香りを持ち歩くこともできるためオススメです。アロマスプレーの作り方をご紹介しますので、よかったら作ってみてください。
【用意するもの】
- 無水エタノール:30ml
- 精製水:20ml
- エッセンシャルオイル:10滴
- スプレー容器(50ml用)
【作り方】
- スプレー容器に無水エタノール入れる
- スプレー容器にエッセンシャルオイルを加え、軽く容器振る
- 精製水を加え、容器に蓋をして、再度混ぜ合わせる
【保存方法】
- 使用前に振ってから使う
- 2〜4週間を目安に使い切る
【ポイント】
- 無水エタノールや精製水は薬局、ドラッグストア、アロマ専門店、ネットで購入可能
- (精製水が購入できない場合は浄水器の水、もしくは水道水で代用)
- (無水エタノールが購入できない場合は、市販のウォッカで代用)
- アルコールが苦手な方は、無水エタノール5ml、精製水45mlでも可能
【使い方】
出かける前にマスクの外側に1〜2回シュッと吹きかけたり、部屋にスプレーして使ってみてください。
ブレンド方法
カユプテ、カルダモン、セージ、タイム、ニアウリ、ユーカリ、ラヴィンツァラ、ローズマリー、ラベンダースピカの中からアロマオイル6滴を加え、お好みの香りのアロマオイル4滴を加えると、副鼻腔炎に対する効果が期待できると共に、好きな香りにすることもできて、香りによって気分も明るくさせてくれるのでオススメの配分です。香りのブレンド方法がわからない場合はこちらの記事を参考にしてみてください→【記事まとめ】調香師が使う簡単ブレンドアロマオイルの作り方と3つのコツ
サプリメント
アロマオイルそのものを含んだサプリメントや、アロマオイルの成分を含んだサプリメントもオススメです。プラナロムから発売されている「イミュネッセンス」は。ラヴィンツァラやクローブ、タイムなどのアロマオイルがブレンドされています。心身を元気にさせてくれるアロマオイルが多く使用されていて、私は日々の体調管理や病気になってしまったときに飲んでいます。
アロマテラピーを使う場面
アロマテラピーにはさまざまな効果があり、海外では医療に使われますが、日本では医療としては使うことができません。そのため症状がひどい場合や長引く場合は必ず医療機関を受診するようにしてください(処方される薬のほうが効果も高いです)。それをふまえて私のオススメの使う場面としては、副鼻腔炎の症状がではじめたタイミングや、再発を繰り返す病気でもあるので、副鼻腔炎の治療を終えた後に日々の体調管理として使うことが良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「【副鼻腔炎(蓄膿症)】長引く鼻水と鼻づまりに効果的なアロマテラピー」をご紹介させていただきました。みなさんのお悩みに少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーを使うときは、有効成分が入った「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載されているものを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルを香りを楽しむのにはいいのですが、合成香料を使っているため効果は期待できません。私は日々のケアとしてはプラナロムのアロマオイルを使っています。みなさんもよかったら試してみてください。