こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回はアロマがメラトニンを増やし体内時計を整える〜アロマが睡眠に良い理由〜をご紹介したいと思います。
ストレスを軽減してリラックスさせてくれたり、快眠へと導いてくれるアロマテラピー。なぜアロマテラピーにはそのような嬉しい作用があるのかご存知でしょうか?アロマテラピーが快眠をサポートしてくれるのにはしっかりした理由があります。就寝時に用いたいアロマオイルとアロマテラピーの使い方をご紹介しますので、寝つきが悪い、眠っても途中で起きてしまう、朝起きれないなど、睡眠でお困りの人はぜひ読んでみてください。
アロマテラピーが睡眠に良い理由とは
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル(精油)には、心地よい香りで眠りに導いてくれるだけでなく、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」を増加させ、体内時計を整える作用を持っていることが研究からもわかっています。また自律神経の乱れを整え、スイッチのオンオフを切り替えるサポートをしてくれることでも、睡眠に良い影響をもたらしてくれます。そんな嬉しい作用を持ったオススメのアロマオイルは、ラベンダー、オレンジスイート、ネロリです。
アロマテラピーが睡眠に良い2つの理由
- メラトニンを増加させ、体内時計を整える
- 自律神経の乱れを整える
快眠のために使いたいアロマオイル
- ラベンダー
- オレンジスイート
- ネロリ
睡眠ホルモン「メラトニン」の働き
メラトニンの基本情報
睡眠ホルモンともよばれ、体内時計を整えることで自然な眠りを誘うメラトニン。睡眠-覚醒のサイクルの調整において、メラトニンは中心的な役割を担っています。メラトニンとは神経ホルモンの一種で、体内では必須アミノ酸であるトリプトファンから生成されます。メラトニンの睡眠に対する効果は多くの研究論文でも発表されており、海外では睡眠薬やサプリメントとして広く用いられているほど。そんな嬉しい作用を持ったメラトニンは夜になると分泌量が高くなり、自然な睡眠へと導いてくれますが、逆に不足してしまうと寝つきが悪くなったり、眠っている途中で起きてしまったりします。メラトニンは明るすぎる部屋の照明、テレビや携帯電話などのブルーライトでも分泌が抑制されてしまうので注意が必要です。
年齢とメラトニンの分泌量
メラトニンは年齢を重ねるとともに分泌量が減ることがわかっており、16歳ごろをピークに徐々に減っていきます。歳をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減ってくるのは、加齢によりメラトニンの分泌量が減ることで、体内時計の調節機能が弱まっているためと考えられています。
肌にも嬉しいメラトニン
メラトニンには強力な抗酸化作用があり、その効果はビタミンCやビタミンEより強いとされています。寝不足の状態が続くと、肌にハリがなく、疲れた印象をもたれた経験はありませんか? これもメラトニンの減少により、体の抗酸化力が弱まったことが1つの原因として考えられます。メラトニンの抗酸化作用による細胞の新陳代謝の促進、疲れを取ってくれる作用などが、病気の予防や老化防止にさまざまな効果を持つと、医療業界や美容業界からも注目されているホルモンのひとつなのです。
体内時計はサーカディアンリズムとも呼ばれています。体内時計の働きに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【サーカディアンリズムを整える3種類のアロマ】睡眠に良いマッサージ
体内時計と自律神経を整える3種類のアロマオイル
アロマテラピーは日本だけでなく、世界中でも良質な睡眠を促すことが注目されており、医療現場などで用いられ研究論文が毎年発表されるほど。睡眠に欠かすことのできないメラトニンを増やす作用を持つラベンダー、オレンジスイート、ネロリには、体内時計・自律神経を整える効果が期待でき、快適な睡眠のために使いたいアロマオイルです。
アロマテラピー研究
高齢者67名を対象にラベンダーのアロマオイルの香りを、1週間に2回、合計8回吸入することで、血中メラトニンレベルの変化を比較検討した。結果としてラベンダーのアロマオイルを使用することで、血中メラトニンレベルが102.3pg/mlから132.5pg/mlに優位な増加が認められた(研究①)。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。安眠に導いてくれるアロマオイルの代表格でもあるラベンダーは、メラトニンを増加させたり、体内時計を整えるなど数多くの研究報告があります。ラベンダーに含まれる「リナロール」や「酢酸リナリル」の成分は、自律神経を整え不安やストレスを緩和して、心を穏やかに保つリラックス作用に優れているため、心地よい眠りのためや、仕事で疲れた心身のケアとして用いたいアロマオイルのひとつです。
こんなときに使いたいラベンダー
- 爽やかな甘酸っぱい香りが好き
- 不安やストレスで眠れない夜がある
- 香りの相性が良いアロマオイル:パルマローザ、クラリセージ、柑橘系
オレンジスイート
爽やかで甘くフルーティーな香りが多くの人に好まれるオレンジスイート。普段「オレンジ」として食べているのがオレンジスイートであり、果皮から採油したものがアロマオイルとして使われています。みずみずしい甘くフルーティーな香りは、緊張や不安を感じたり、人に気を使いすぎて疲れてしまった心を解放し、明るく前向きな気持ちにさせてくれます。元気を与えてくれる作用と、メラトニンを増やすことで良質な睡眠を促すオレンジスイートは、昼はリフレッシュのために、夜は安眠のためにと、幅広く活躍してくれるアロマオイルです。ラベンダーやネロリとも香りの相性が良いので、ブレンドして就寝時に使うこともオススメ。
こんなときに使いたいオレンジスイート
- みずみずしい甘くフルーティーな香りが好き
- 安眠、リフレッシュのために使いたい
- 香りの相性が良いアロマオイル:ラベンダー、ネロリ、フランキンセンス、ミルラ
ネロリ
ミカン科の植物であるオレンジビターの花から採れるネロリのアロマオイル。果皮から採油したものをオレンジビター、葉から採油したものをプチグレンとよび、アロマテラピーに欠かすことのできない植物です。ネロリのアロマオイルは、柑橘系のフルーティーな香りに、花のフローラルな香りが加わった優雅な香りで、老若男女問わず多くの人を魅了してきました。自律神経を整えて安らぎと穏やかさをもたらすネロリの香りには、メラトニンを増やし心地よい眠りに導くだけでなく、月経前症候群(PMS)のイライラや不快症状にも効果的で、女性の心身ケアに心強い味方となってくれます。
こんなときに使いたいネロリ
- フルーティーとフローラルがマッチした香りを楽しみたい
- イライラする、心が落ち着かない
- 香りの相性が良いアロマオイル:ジャスミン、イランイラン、ローズ
心地よい眠りを導くアロマテラピーの使い方
体内時計を整えるメラトニンを増やしたり、自律神経のバランスを保つことで、快眠を届けてくれるラベンダー、オレンジスイート、ネロリのアロマオイル。そんな癒しの香りを持つアロマオイルは、仕事終わりのリラックスタイムや、寝る前に使うことがオススメです。アロマディフューザーで香りを部屋に満たしてあげたり、アロマストーンをベッドの脇に置く、アロマスプレーを枕やシーツなどの寝具にシュッとひと吹きするなど、お好みの方法で使ってみると良いでしょう。アロマスプレーの作り方はこちらの記事でご紹介していますので、よかったら参考にしてください→【夜勤明けに寝れない人のためのアロマオイル】睡眠に良い森林浴の香り
アロマテラピーの注意点
心地よい睡眠のためにアロマテラピーを用いるときは、精油もしくはエッセンシャルオイルと記載された良質なアロマオイルを使うようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されていて、ご紹介したようなメラトニンを増やしたり、自律神経を整える作用が期待できません。ご自身の心身ケアのためにも、プラナロム/健草医学舎、生活の木、ニールズヤードなどのアロマ専門店で販売されている、良質なアロマオイルを使うようにしましょう。
ニールズヤード 「アロマパルスナイトタイム」
ニールズヤードから販売されているアロマパルスナイトタイムは、ラベンダー、ネロリ、カモミールなどのアロマオイルがブレンドされた、手首や首筋に塗るタイプのロールオンアロマです。ハーブガーデンの中にいるような優しい香りが、頭と体のスイッチをオンからオフに切り替え、心を穏やかにして深い休息へと導いてくれます。就寝前に使うことはもちろん、コンパクトで持ち運びにも便利なアロマパルスナイトタイムは、仕事で疲れてしまったときや、イライラしてしまったときにも、サッと取り出して使うことができます。忙しい社会人には嬉しいアイテム。アロマテラピーを使ったことがない人は、アロマパルスナイトタイムを試してみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「アロマがメラトニンを増やし体内時計を整える〜アロマが睡眠に良い理由〜」をご紹介させていただきました。メラトニンを増やすことで体内時計と整える、自律神経のバランスを整える、そんな嬉しい作用によって、良質な睡眠を促すアロマテラピー。睡眠は心身ケアの基本となりますので、上手にアロマテラピーを活用することがオススメです。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーは簡単な方法でも行えますでの、ぜひ試してみてください。
参照:The effect of aromatherapy with lavender (Lavandula angustifolia) on serum melatonin levels