こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【薬が効かない生理痛にはアロマがおすすめ】心身への作用で痛みを抑えるをご紹介したいと思います。
生理の痛みは人それぞれですが、痛くて会社や学校に行けない、家事ができないなど、日常生活に影響を及ぼします。いざ服用してみた鎮痛薬があまり効かない…、そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。アロマオイルの中には鎮痛作用に優れたものがいくつもあり、鎮痛薬と併用することによって、鎮痛作用が増加した研究報告があります。その研究をもとに日々の生活でアロマテラピーを取り入れるための、レシピや使い方をご紹介したいと思います。鎮痛薬を使っても効果がない、鎮痛薬の量を増やしたくない、そのようにお考えの方はぜひ読んでみてください。
【薬が効かない生理痛】アロマの心身への作用で痛みを癒す
オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイル(精油)を使うことで、生理による痛み、イライラ、憂鬱な気分など、心身に対するトラブルを優しく包み込んでくれます。アロマオイルには直接的な鎮痛作用に優れたものや、心地よい香りによって痛みを和らげるなど、さまざまな角度から生理中のトラブルを癒してくれるのです。そんなアロマテラピーを用いることで、生理痛を緩和した数多くの研究報告があり、香りだけで痛みを緩和した研究、生理の痛みの持続時間を短縮できた研究、過度の出血が改善したなどの報告があるほど。今回はそのなかでも、鎮痛薬とアロマテラピーを併用した研究内容を簡単にご紹介したいと思います。その研究内容をもとにアロマテラピーを取り入れることによって、鎮痛薬だけでは抑えられない、ツラい生理痛を緩和することが期待できます。
研究内容
月経困難症の患者100名を対象に、ジクロフェナクナトリウム(75mg)を単独で使用する群と、ジクロフェナクナトリウムと、2%濃度のローズアロマオイルを併用する群で、10分後、30分後の痛みのスコア(VAS)を比較検討した。結果として両群ともに使用前に比べ、痛みのスコアが有意に改善された。またローズアロマオイルを併用した群において、ジクロフェナク単独群に比べて、30分後の痛みのスコアを有意に軽減させる効果が認められた。
ジクロフェナクは、ドラックストアで発売されている湿布薬や塗り薬、病院で処方される飲み薬など、「ボルタレン」に含まれている薬用成分です
生理痛で使う薬はそもそも何なのか
生理痛のときに服用する薬の代表的なものとして、ロキソニン、アスピリン(バファリンなど)、ボルタレンなどがあります。これらはいずれも、非ステロイド性抗炎症薬「NSAIDs」とよばれ、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生を抑えることで、鎮痛・抗炎症・解熱作用を発揮します。NSAIDsを使うことで、素早く痛みを緩和してくれるので、生理痛や頭痛に使う方も多いのではないでしょうか。少しだけ注意点があるのでご紹介したいと思います。
鎮痛薬は効きにくくなる?
用法用量をしっかり守って、短期間の服用であれば効かなくなることはありませんので、生理のときに数日〜1週間飲む程度であれば問題ありません。しかし生理痛に加えて頭痛持ちであると、どうしても鎮痛薬の服用回数が増えていってしまいます。1ヶ月に10日以上鎮痛剤薬を飲んでいると、薬に依存する可能性があり、またかえって痛みに対して敏感になってしまったりします。用法用量での服用では痛みが治りにくいと異常を感じたら、婦人科などに相談するようにしましょう。
効果的な服用タイミングは?
生理痛がツラいのに、鎮痛剤を服用することを我慢する方がいますが、その飲み方は間違いです。非ステロイド性抗炎症薬「NSAIDs」などの鎮痛剤は、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生を抑えることで、鎮痛作用を発揮するため、痛みが本格的になってから服用しても、すでにプロスタグランジンが大量に作られてしまっているため、本来の効果を十分に発揮することができません。そのため「そろそろ痛くなりそう」と感じるタイミングなど、早めに飲むようにしましょう。
他の鎮痛剤と併用してよい?
ロキソニンとボルタレンを一緒に服用しても良いのか?そのような質問をいただくことがありますが、これは控えるようにしましょう。いずれの薬剤の添付文書には「他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい」と記載されています。
【薬が効かない生理痛に】効果的なアロマテラピーの使い方
鎮痛薬とアロマテラピーを併用することによって、鎮痛作用を増強させることが期待できます。その効果を利用することによって、薬だけでは抑えることができない、ツラい生理痛を緩和してくれたり、鎮痛剤の服用回数を減らすことができるかもしれません。またアロマテラピーを併用することは、痛みを緩和してくれるだけでなく、心地よい香り成分によって、生理によるイライラ、憂鬱な気分など、心身のトラブルを癒してくれます。
アロマテラピーの使い方
アロマオイルをキャリアオイルにブレンドして、アロママッサージをすることがおすすめです。アロママッサージは心地よい香りを楽しみながら、アロマオイルの有効成分を身体の奥まで浸透させ、生理による心身トラブルを癒してくれます。マッサージ方法は10分程度を目安に、痛みがある部分を優しく撫でるようにマッサージしてあげると良いでしょう。強くマッサージすると逆効果になることがありますので、ご注意ください。
アロママッサージオイルの作り方
スイートアーモンドオイルなどのキャリアオイル10mlをガラス容器に入れ、ローズのアロマオイル4滴加えて混ぜ合わせるだけで、簡単に2%濃度のアロママッサージオイルを作ることができます。アロマオイルをキャリアオイルと混ぜることで、アロマオイルの有効成分を身体の奥まで浸透させることができます。
アロママッサージの注意点
アロママッサージで使うアロマオイルは「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と記載された、良質なアロマオイルを選ぶようにしましょう。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されていて、精油本来の有効成分が入っていないため効果が期待できません。プラナロム/健草医学者、生活の木、NEAL’S YARDなどのアロマ専門店のアロマオイルを選ぶと良いでしょう。私の個人的なおすすめはプラナロム/健草医学者です。プラナロム/健草医学者はオーガニックでありながら、有効成分の管理も徹底されている高品質なオイルを取り扱っているため、アロマテラピー経験者からも人気のブランドです。
アロマテラピーは生理中トラブルだけでなく、生理前トラブルを緩和する嬉しい作用がたくさんあります。よかったらこちらの記事も読んでみてください。【生理前/中のアロマ記事まとめ】生理痛、イライラなど症状別7レシピ
ローズのアロマオイル
甘く気品あふれる香りで多くの女性を魅了する「ローズ」。ローズは心身のトラブルを癒す作用に優れており、生理痛だけでなく、生理前のイライラなどの月経前症候群(PMS)、更年期障害においても、有効であることが多くの研究で報告されています。優雅でフローラルな香りは、憂鬱な気分を明るく元気にしてくれるとともに、鎮痛作用に優れる「ゲラニオール」の有効成分によって、直接的に痛みを緩和してくれます。ローズのアロマオイルは、さまざまな角度から生理による心身のトラブルに優しく寄り添ってくれるのです。
水蒸気蒸留法で採油されてものをローズオットー、溶剤抽出で採油されてものをローズアブソリュートといい、ローズオットーは16℃以下になると固化していきます。採油量の少ないローズオットーのほうが高価であるため、偽物が流通することがあり、本物の天然ローズであることを見分けるために、冷蔵庫などで冷やして固化するかどうかで見分けることもあります(固化しても手などで温めれば液体に戻ります)。非常に高価なアロマオイルでもあるので、生活の木から販売されている、1mlなどの少量のものを購入されたりすることも良いでしょう。
生活の木 「ローズウーマン」
生活の木から販売されている「ローズウーマン」は、ローズ、イランイラン、パルマローザなどのアロマオイルが、キャリアオイルとブレンドされたトリートメントオイルです。オーガニックの植物原料を使い、合成香料を使わず精油を使っているローズウーマンは、奥深い香りでうっとりするような贅沢な気分にさせてくれます。アロマテラピーを使ったことがない方は、まずはローズウーマンを試してみることも良いと思います。
いかがだったでしょうか?
「【薬が効かない生理痛にはアロマがおすすめ】心身への作用で痛みを抑える」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が凝縮されたアロマオイル(精油)は、生理による痛み、イライラ、憂鬱な気分など、心身に対するトラブルを優しく包み込んでくれます。ご紹介した内容が、生理痛でお悩みの方に少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーは簡単な方法でも使うことができますので、よかったら試してみてください。
参照「Investigating the effect of rose essential oil in patients with primary dysmenorrhea」