こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は「【ラベンダーと2種類のアロマ】吐き気に効果的な女性にオススメの香り」をご紹介します。
乗り物酔い、妊娠中、生理中、抗がん剤など、さまざまな原因でおこる吐き気。吐き気を1秒でも早く解消したいと思う人も少なくないのではないでしょうか?そんなツラい症状の吐き気にはアロマテラピーがオススメ。アロマテラピーは吐き気や嘔吐に悩む人を救うべく、日本だけでなく世界中で、吐き気を抑えるために用いられた研究があり、効果的なアロマオイルがあることがわかっています。今回はその中でも女性に好まれる香りのアロマオイルをご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
吐き気に効果的なラベンダーと2種類のアロマオイル
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル(精油)は、心地よい香りで癒しを与えてくれるだけでなく、有効成分が吐き気を予防したり、抑えるために働きかけてくれます。そのなかでもラベンダー、レモン、クラリセージは爽やかな香り、スッキリとした香りで女性にオススメの香りです。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも「真正ラベンダー」(ラベンダー・アングスティフォリア)」の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。ラベンダーに含まれるリナロールや酢酸リナリルの香り成分は、ストレスや不安を癒やし、心を穏やかに保つリラックス作用に優れていています。その作用は幸せホルモンとよばれる「セロトニン」や「オキシトシン」を増加させることによるものとも考えられ、心地よい眠りに導いてくれる嬉しい作用も。吐き気を抑えるだけでなく、吐き気によって落ち込んでしまった気持ちにも働きかけてくれます。生理による心身の不調や更年期障害など、女性特有の不調にも素晴らしい効果があるので、生理中の吐き気や、ストレスからおこる吐き気を感じるときに使うと良いでしょう。安眠を促してくれるアロマオイルなので就寝前などにオススメ。
レモン
料理やジュースなどでお馴染みの「レモン」は、爽やかな清涼感あふれる香りで、リフレッシュしたいときに最適。レモンの心地よい香りにはリモネンが含まれており、交感神経を刺激することによって、明るく前向きな気持ちにさせてくれます。妊娠中のつわり、生理中の吐き気など、さまざまな原因による吐き気の予防や緩和のために、多くの研究で用いられてきました。ラベンダーと同じように、幸せホルモンのセロトニンを増やす作用を持っているレモンのアロマオイルは、吐き気を抑えながらも、気分のリフレッシュと心のケアを行ってくれる心強い味方です。元気を与えてくれる香りなので、日中に使うことが良いでしょう。
クラリセージ
甘くフローラルなハーブ調の香りをもつ「クラリセージ」。クラリセージには女性ホルモンであるエストロゲンに似た「スクラレオール」とよばれる成分が含まれており、ホルモンバランスを整えることによって、更年期障害、生理痛、月経前困難症などの、女性特有の不調に優れた効果を持っています。またクラリセージは自律神経を整えることで、心のケアも得意としており、憂鬱な気分を優しく包み込み、吐き気による不安やストレスを感じる心に癒しを届けてくれます。女性にとって嬉しい作用があるクラリセージは、ラベンダーとの香りの相性が良いためブレンドして使うことも良いでしょう。
ラベンダー、レモン、クラリセージは、私がアロマ講師をしていて女性に人気のある香りでした。そのほかにも吐き気に効果的なアロマオイルがありますので、こちらを参考にしてみてください→【記事まとめ】5種類のアロマが吐き気に効果的〜症状別での選び方〜
吐き気に効果的なアロマテラピーの使い方
体調不良のとき、妊娠中のつわり、生理中に吐き気を感じたときに、ティッシュやコットンにアロマオイルを2滴たらして、深呼吸するように香りを吸入すると良いでしょう。アロマオイルの心地よい香りと有効成分が、吐き気を抑えるために働きかけてくれます。またアロマオイルは吐き気の予防にも効果的なので、乗り物酔いをする人は車に乗る前に使うのもオススメです。生理中にいつも吐き気を催す人は、生理前から1日2回程度、アロマディフューザーなどでしっかりと香りを吸入するようにしましょう。
アロマオイルの選び方
ラベンダー
- 甘酸っぱい香りが好き
- 吐き気で眠れない日がある
- ストレスを感じる
レモン
- 柑橘系のスッキリした香りが好き
- 体調が悪くても頑張らなければならない、元気が欲しい
- 女性特有の不調でないときにも使いたい
クラリセージ
- ハーブのような香りが好き
- 女性特有の不調による吐き気
- 不安やストレスを感じる
ニールズヤード 「アロマパルスリラクセーション」
ニールズヤードから販売されている「アロマパルスリラクセーション」は、吐き気を抑えてくれるラベンダーに加え、ゼラニウム、フランキンセンス、オレンジなど、癒しを届けてくれるアロマオイルがブレンドされた塗るタイプのアロマです。コンパクトで可愛らしいデザインになっていて、持ち運びにも便利。外出先で体調が悪くなってしまった時にも、サッと塗るだけで使うことができることがおすすめポイントです。パルスポイント(脈打つ部分)の手首の内側や耳の後ろ、膝の後ろなどに塗って使ってみてください。アロマテラピーを使ったことがない人は、アロマパルスリラクセーションを試してみることも良いと思います。
参考:吐き気予防・緩和のためのアロマテラピー研究
妊娠中のつわり
妊娠6〜16週の妊婦100名を対象に、レモンのアロマオイルを使用した群、アロマオイルを使用しなかった群での吐き気スコアを比較検討した。レモンのアロマオイルはアーモンドオイルで希釈し、吐き気を感じたときにコットンに2滴垂らして香りを吸入した。結果としてアロマオイルを使った群において、2日目と4日目の吐き気を有意に改善する効果が認められた。(研究①)
手術による吐き気
経皮的腎切石術の手術を受けた患者79名を対象に、ラベンダーとクラリセージのアロマオイルを使用した群、アロマオイルを使用しなかった群での吐き気、嘔吐、痛みのスコアを比較検討した。アロマオイルの香りを手術直後、3時間後、6時間後に吸入した。結果としてラベンダーとクラリセージのアロマオイルを使用した群において吐き気が有意に低下した。またクラリセージのアロマオイルを使用した群では痛みが有意に低下し、ラベンダーのアロマオイルを使用した群は、嘔吐の回数が最も少なかった。(研究②)
吐き気予防・解消効果の比較
手術を受けた184名を対象に、ラベンダー、ジンジャー、ローズのアロマオイルを使用した群と、アロマオイルを使用しなかった群での、15分後の吐き気の改善割合を比較検討した。結果としてラベンダーとジンジャーのアロマオイルを使った群において、アロマオイルを使用しなかった群、ローズのアロマオイルを使用した群と比較して、吐き気の割合を有意に改善した。(研究③)
いかがだったでしょうか?
「【ラベンダーと2種類のアロマ】吐き気に効果的な女性にオススメの香り」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイルは、心地よい香りと有効成分で、吐き気を予防したり、抑えるために働きかけてくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができるので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が吐き気でお困りの方々に少しでもお役に立てると嬉しいです。
参照:研究①The Effect of Lemon Inhalation Aromatherapy on Nausea and Vomiting of Pregnancy: A Double-Blinded, Randomized, Controlled Clinical Trial、研究②Effectiveness of Aromatherapy for Relief of Pain, Nausea, and Vomiting after Percutaneous Nephrolithotomy: A Randomized Controlled Trial、研究③A randomized placebo-controlled study of aromatherapy for the treatment of postoperative nausea and vomiting、