こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【冷え性改善のためのアロマ活用法】原因から考える効果的なレシピをご紹介したいと思います。
寒くもないのに手先や足先が冷たい、布団に入っても手足が冷たくて眠れない、いったん冷えると温まりにくいなどの症状をきたす冷え性。女性に多いとされる冷え性ですが、最近では男性の冷え性も増えており、お悩みの方も多いのではないでしょうか?”冷えは万病のもと”といわれるように、さまざまな不調が起こります。そのためしっかりと原因から解決してあげることが大切。冷え性を改善するためにサポートしてくれるアロマオイルと、アロマテラピーの使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
冷え性改善をサポートするアロマオイル
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル(精油)は、心地よい香りで癒しを人々に届けるだけでなく、冷え性が起こる原因を解消するために働きかけてくれます。そんな嬉しい作用を持ったアロマオイルのなかでも、オススメなのがこちらのアロマオイルです。
冷え性改善に使いたいアロマオイル
- ラベンダー
- マジョラム
- グレープフルーツ
- ゼラニウム
- ジンジャー
冷え性はなぜ起こるのか?
手足が寒くて我慢できない、手先や足先が冷たくて眠れない、そんツラい症状をおこす冷え性ですが、”冷えは万病のもと”ともよばれるように、肩こりや腰痛、頭痛、倦怠感、不眠なども引き起こすとされています。また冷えは痩せにくい、肌がかさつくなど美容の面からも大敵。女性に多いイメージの冷え性ですが、最近では男性も増えてきており、女性の70%、男性の50%が冷え性を実感しているとも言われています。ではなぜ冷え性になってしまうのでしょうか?それは血液が手足の先まで行き渡りにくい”血行不良”が起こることで、本来働くべき体温調整機能がうまく機能していない状態になってしまっているためです。血行不良を引き起こす理由としては、次のような主な原因が考えられます。
自律神経の乱れ
手足などの末梢の血液は自律神経の働きによって調整されています。しかし仕事などによってストレスや緊張を感じると、交感神経が優位になることで血管が収縮して血行が悪くなってしまいます。また不規則な生活によっても自律神経がうまく機能しなくなり、結果として冷え性になってしまうのです。
女性ホルモン
女性ホルモンと自律神経は脳の視床下部でコントロールされています。ストレスを感じたり、更年期になることで女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経にも影響を及ぼして冷え性が生じます。また冷えてしまうことで血行が悪くなり、生理痛が強くなってしまうため、女性はホルモンと冷えに対する対策が大切になります。
運動不足
筋肉は熱を生み出す最大の器官とよばれています。筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、そのぶん多くの熱を生み出すことができるため、身体を暖かく保つことができます。女性は男性に比べて筋肉が少ないため、女性に冷え性が多い原因の一つと考えられています。また運動不足の人も同様に筋肉量が少ないため、冷え性が多いとされています。
冷え性の原因から考える効果的なアロマオイルレシピ
冷え性は「自律神経の乱れ」、「女性ホルモン」、「運動不足」などによって、血行不良が起こることで生じると考えられています。そのためアロマオイルを冷え性がおこる原因にあった使い方をすることによって、効果的に働きかけてくれるのです。
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。ストレス緩和と安眠を導く代表格でもあるラベンダーには、「リナロール」や「酢酸リナリル」が含まれており、自律神経を整えて、不安や緊張で揺らぐ心を穏やかに保ってリラックスさせてくれます。ラベンダーのアロマオイルを使ったアロマバスでは、湯冷めを軽減する効果も報告されており、冷え性の心身ケアにピッタリのアロマオイルです。安眠作用があるので、就寝時や夜のリラックスタイムなどに用いると良いでしょう。
ラベンダーはこんな人にオススメ
- 爽やかな甘酸っぱい香りに包まれたい
- 仕事などで不安や緊張が続いている
- 手足が冷たくて眠れない夜がある
- オススメの使い方:アロマバス、芳香浴
- 香りの相性が良いアロマオイル:オレンジスイート、クラリセージ、ユーカリ
マジョラム
別名スイートマジョラム、和名マヨラナとよばれるマジョラム。幸せを象徴し、長寿を与えるハーブとして、古くから民間薬としてヨーロッパなどを中心に用いられてきました。爽やかでスパイシーなハーブの香りは、自律神経を整える作用に優れ、ストレスから心を開放してくれます。その作用は仕事を頑張りすぎて”燃え尽き症候群”になってしまうことを防いだり、仕事を終えたあとに使用することで疲労を回復させる、睡眠の質を向上させるなどの数多くの研究報告があり、忙しいビジネスパーソンの心強い味方となってくれます。血行を良くする作用によって肩こりにも効果的とされており、肩こりでお悩みの人や、甘味が強い香りやフローラルな香りがあまり好きでない人にオススメ。
マジョラムはこんな人にオススメ
- 爽やかなスパイシーな香りが好き
- 仕事に没頭してストレスや疲れがたまっている
- 肩こりに悩んでいる
- オススメの使い方:芳香浴、アロママッサージ
- 香りの相性が良いアロマオイル:シダー、ペッパー、ラベンダー
グレープフルーツ
果実がブドウの房のように実ることから、グレープの名前が付いたグレープフルーツ。そのみずみずしいフレッシュな香りは、幸せホルモンとよばれる「セロトニン」を増やす作用があり、楽園にいるかのような陽気な気分にさせてくれます。グレープフルーツに含まれるテルペン類には、血液やリンパの流れを促す作用があり、冷えだけでなくむくみの解消にも効果的。そのほかにも胃腸の働きを促進する作用があるため、胃腸が冷えてお腹を下してしまった、風邪を引きやすいなど、胃腸の血行不良が原因でおこる冷え性にも良いでしょう。スポーツをしているときに香りを使うことで、運動がキツいと思う気持ちを軽減してくれるため、運動嫌いの人にもオススメのアロマオイルです。
グレープフルーツはこんな人にオススメ
- 柑橘系の香りでリフレッシュしたい
- 冷えだけでなく身体がむくみ、胃腸が冷える
- 運動が嫌い、運動不足
- オススメの使い方:芳香浴、アロママッサージ、アロマバス
- 香りの相性が良いアロマオイル:コリアンダー、ゼラニウム、ラベンダー
ゼラニウム
ゼラニウムはニオイゼラニウムあるいは、ローズのような甘美でセクシャルな香りを持つことからもローズゼラニウムとも呼ばれます。ゼラニウムのアロマオイルはローズの香りに、ミント調がアクセントとして加わったような香りが特徴。ゼラニウムは女性ホルモンのバランスを整える作用に優れているため、生理トラブルがある人や、更年期の人の冷え性解消に働きかけてくれます。またゼラニウム含まれる香り成分のゲラニオールには、皮膚にハリを与え美しい肌にしてくれる作用や、皮脂のバランスを整える、優れた抗菌作用からもスキンケアとしても使いたいアロマオイルの一つです。
ゼラニウムはこんな人にオススメ
- ローズのような香りにウットリしたい
- 女性特有のトラブルに悩んでいる
- スキンケアとしても使いたい
- オススメの使い方:芳香浴、アロママッサージ
- 香りの相性が良いアロマオイル:クラリセージ、サンダルウッド、ネロリ
ジンジャー(生姜)
日本はもちろん、世界中でスパイスや薬用と用いられてきた生姜。その生姜の根から採油されるジンジャーのアロマオイルは、ピリッとしたスパイシーな香りが特徴的で、その香りには落ち込んだ気持ちを、明るく前向きにさせてくれます。血流を良くして身体を温める、消化を促進させる作用があることでも有名なジンジャーですが、アロマオイルにもその嬉しい作用があるため、冷え性にはピッタリのアロマオイル。肩こりにも良いとされており、幅広く冷え性を解消するために働きかけてくれます。男性にも人気の香りです。
ジンジャーはこんな人にオススメ
- スパイシーな香りに元気をもらいたい
- 全身の冷え、胃腸の冷え
- 肩こりに悩んでいる
- オススメの使い方:アロママッサージ、アロマバス
- 香りの相性が良いアロマオイル:ベンゾイン、イランイラン、ローズウッド
冷え性解消に効果的なアロマテラピーの使い方
ここではラベンダー、マジョラム、グレープフルーツ、ゼラニウム、ジンジャーのアロマオイルを使った、冷え性解消のための効果的なアロマテラピーの使い方をご紹介します。
芳香浴
アロマディフューザーやアロマストーンなどを使って、部屋に香りを満たしてあげましょう。ストレスや疲れがたまっているときは、深呼吸するように深く香りを吸い込むと効果的です。ラベンダーやマジョラムは心地よい眠りに導いてくれる作用があるため、夜のリラックスタイムや就寝時に使うことも良いでしょう。
アロママッサージ
ガラス瓶にキャリアオイル20mlをいれ、アロマオイルを4滴加えて軽く混ぜ合わせるだけで、簡単にマッサージオイルを作ることができます。アロマオイルをキャリアオイルにブレンドすることによって、アロマオイルの有効成分をしっかりと身体に浸透させることができますので、キャリアオイルと混ぜて使うようにしましょう。手足のマッサージや、胃腸が冷える人はみぞおちあたりのマッサージがオススメ。優しくなでるようにマッサージしてあげると、身体が温まっていくのを感じることができるでしょう。
アロマバス
ガラス容器にバスオイル(乳化剤)20mlをいれ、アロマオイルを10滴加えて混ぜ合わせることで、2〜3回分のアロマバスを作ることができます。そのほかにもバスソルト(天然塩)大さじ3〜4杯に、アロマオイルを4滴加えて1回分のアロマバスソルトを作ることもオススメです。いつものお風呂にアロマを加えることで、より身体がポカポカしてきます。アロマバスの注意点としては、お湯に原液のアロマオイルを入れないことです。アロマオイルの原液には皮膚を刺激するものがありますので、バスオイルもしくはバスソルトで薄めるようにしましょう。バスオイルやバスソルトはプラナロム/健草医学舎、生活の木などのアロマ専門店で購入することが可能です。
アロマテラピーの注意点
冷え性解消のためにアロマテラピーを使うときは、精油もしくはエッセンシャルオイルと記載された良質なアロマオイルを選ぶようにしてください。100円均一などで販売されているアロマオイルは、合成香料が使用されているため、ご紹介したような精油本来の効果が期待できません。冷え性対策に使うときは良質なアロマオイルを選ぶようにしましょう。またグレープフルーツのアロマオイルは、日光に当たると光感作作用によってシミができてしまう恐れがありますので、肌に使うときは4〜5時間外出を控えるようにしてください。
おすすめアイテム
ニールズヤードではラベンダー、マジョラム、ゼラニウムのアロマオイルがブレンドされた「アロマティックバスソルト」が販売されています。冷え性対策に嬉しいアロマオイルが3種類も入っているうえに、保温作用に優れ、豊富なミネラルを含む海塩が使用されており、身体をポカポカに温めてくれます。香り豊かなハーバルフローラルな香りは、一日のストレスや疲れを忘れさせてくれるでしょう。アロマテラピーを使ったことがない人は、アロマティックバスオイルを試してみることもオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【冷え性改善のためのアロマ活用法】原因から考える効果的なレシピ」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイルは、冷え性の原因から解消するために働きかけてくれます。心地よい香りで幸せな気分を楽しむこともできますでので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が皆さんのお役に立てると嬉しいです。