こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【入院中に眠れないときのアロマ】睡眠導入に効果的な病室での使い方をご紹介したいと思います。
入院という環境の変化や、病気や怪我が心配で眠れない。入院中に不眠に悩む人は少なくありません。ご自身、家族、友人で不眠を経験した人もいるのではないでしょうか?そんなときはアロマテラピーがオススメです。アロマテラピーが良質な睡眠を導くことは有名ですが、入院中においての睡眠導入や、睡眠の質を改善する研究が発表されています。効果的なアロマオイルと、病室での使い方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
入院中に眠れないときに効果的なアロマ
オーガニックの有効成分が詰まったアロマオイル(精油)は、入院中の不眠に悩む患者さんを救うべく働きかけてくれるだけでなく、心地よい香りで癒しを届けてくれます。その優れた作用を利用したアロマテラピーの睡眠に関する研究は100報以上報告されていて、日本だけでなく世界中で活用されているほどなのです。入院中の患者さんにアロマテラピーを用いた日本の研究では、下記のアロマオイルに「よく眠れた」と感じることができる効果が認められていますので、入院中に眠れないときにお好きな香りを選ぶと良いでしょう。
睡眠導入・睡眠の質改善に良いアロマオイル
- イランイラン
- ラベンダー
- オレンジスイート
入院中に眠れなくなる原因とは
入院中に多くの患者さんが不眠に悩まされ、ある調査では入院患者さんの40〜50%が不眠を訴えているともされています。慣れていないベッド、病院という環境、病気や怪我の心配、手術後の痛みなどさまざまな原因があり、そのことによって寝つきが悪い、眠っている途中で目が覚める、熟睡できないなど、不眠の症状が起こり患者さんを苦しめるのです。また不眠が続くとストレスとなり、鬱(うつ)病になってしまったり、血圧や心拍数の上昇や生活習慣病のリスクも高めてしまうことも。入院中の不眠は医療現場において大きな問題となっており、アロマテラピーによるケアも注目されています。千歳市民病院が行った研究では、入院中の不眠を軽減した結果が報告されていますので簡単にご紹介します。
研究内容
不眠を訴える入院患者6名を対象に、アロマオイルの香りを使った日と使わなかった日での、睡眠の質と量を比較検討した。アロマテラピーはイランイラン、ラベンダー、オレンジスイートの3種類のアロマオイルの中から、患者もしくはその家族がアロマオイルを選択し、ディフューザーで20時から翌朝8時まで使用した。結果としてアロマテラピーを用いることで、睡眠への満足度が向上する結果が得られた。
入院中に眠れないときのアロマオイルの選び方
入院中の不眠解消に使いたいイランイラン、ラベンダー、オレンジスイート。それぞれの特徴と選び方をご紹介しますので、よかったら参考にしてみてください。
イランイラン
フィリピンの言語であるタガログ語で「花の中の花」という意味をもつイランイランは、甘美で人を陶酔させ、人の心をなごませるセクシャルな香りが特徴的です。シャネルの高級香水などにも用いられ、南国を思わせるエキゾチックで濃厚な花の香りは、心を落ち着かせリラックスさせてくれます。また幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を増やす作用もあり、心を穏やかにして心地よい眠りに導いてくれます。病室で香りを使うと、南国のリゾートホテルにいるかのような気分にさせてくれるでしょう。
イランイランはこんな人にオススメ
- 南国を思わせる甘くフローラルな香りが好き
- 不安や心配で眠れない
- 香りの相性がよいアロマオイル:ジャスミン、ローズ、カモマイル、ゼラニウム、柑橘系
ラベンダー
アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。安眠を導くアロマオイルの代表格でもあるラベンダーには、「リナロール」や「酢酸リナリル」の香り成分が含まれ、不安やストレスを優しく包み込み癒やを与えてくれます。その作用は幸せホルモンとよばれる「セロトニン」だけでなく、「オキシトシン」も増加させることによるものとも考えられています。また爽やかな甘酸っぱいラベンダーの香りは、自律神経を整えることによって、疲労感を緩和する研究報告や、痛みを軽減する研究報告などがあり、入院中の患者さんにとって心強い味方となってくれるでしょう。
ラベンダーはこんな人にオススメ
- 爽やかで甘酸っぱい香りが好き
- ストレスを緩和したい
- 病気や怪我などの痛みがある
- 香りの相性がよいアロマオイル:柑橘系、ユーカリ、クラリセージ、パルマローザ
オレンジスイート
爽やかで甘くフルーティーな香りが多くの人に好まれるオレンジスイート。普段「オレンジ」として食べているのがオレンジスイートであり、果皮から採油したものがアロマオイルとして使われています。みずみずしい甘くフルーティーな香りは、リフレッシュにも適していて、入院中に落ち込んでしまった気持ちを明るく元気にさせてくれます。年齢性別問わず多くの人に好まれる香りなので、お見舞いにプレゼントするにもオススメのアロマオイルです。
オレンジはこんな人にオススメ
- みずみずしいフルーティーな香りが好き
- 落ち込んでしまった気持ちをリフレッシュしたい
- 香りの相性がよいアロマオイル:フランキンセンス、ネロリ、ラベンダー、ミルラ
睡眠導入に効果的なアロマテラピーの病室での使い方
心地よい香りと有効成分で、入院中の不眠を解消するために働きかけてくれるアロマテラピー。ここからは病室での使い方をご紹介したいと思います。大部屋病室では周りの患者さんもいますので、香りを強くしすぎて迷惑をかけないようにすることが大切です、
個室病室のアロマテラピーの使い方
個室病室であれば他の入院患者さんのことを気にする必要がないので、眠るときにアロマディフューザーやリードディフューザーを使って、しっかり香りを楽しむ方法がオススメです。アロマディフューザーは、熟睡できない、寝ていても途中で目が覚めてしまう人は、就寝前から翌朝まで使うと良いでしょう。寝つきが悪い人は就寝時だけ使ってみることもオススメ。
個室病室のおすすめアイテム
アロマディフューザー
生活の木から発売されているアロモアミニは、コンパクトで可愛らしいデザインのアロマディフューザーで、インテリアとして病室に飾っても邪魔になりません。水で薄めたり熱を加えないため、アロマオイル本来の心地よい香りと、有効成分をしっかり楽しむことができるのがポイント。また生活の木の5ml、10mlボトルを直接取り付けられるので簡単に使うことができ、電源ONにしてから2時間後に自動にOFFになるので、寝つきが悪い人にはピッタリのディフューザーです。
大部屋病室のアロマテラピーの使い方
大部屋の病室では強く香りを使いすぎてしまうと、他の患者さんに迷惑がかかってしまうことがあります。香りは人によって好みが違うため、ご自身が心地よい香りと感じても、その香りが苦手な人もいるのです。大部屋病室でアロマテラピーを使うときは、アロマスプレーを枕やシーツに使ったり、枕元に置くことのできるアロマストーンがオススメ。この方法であれば香りを広げ過ぎずに使うことができます。
大部屋病室のおすすめアイテム
アロマスプレー
ニールズヤードから販売されているグッドナイトピローミストは、ラベンダー、マンダリン、カモミールなどのアロマオイルがブレンドされており、心地よい香りが幸福感を運んでくれます。ラベンダーの甘酸っぱい香りに、マンダリンのフレッシュな柑橘系の香り、カモミールのりんごのようなハーブ調の香りが、マッチしている人気No1のスプレーです。就寝前にシーツや枕にシュッとひと吹きするだけで使うことができ、不安で眠れない夜にも心地よい睡眠を運んでくれるでしょう。
ロールオン
ニールズヤードから販売されているアロマパルスリラクセーションは、ラベンダー、ゼラニウム、フランキンセンスなど、癒しの香りのアロマオイルがブレンドされた塗るタイプのアロマです。可愛らしいスタイリッシュなデザインで、手首や首筋に塗るだけで使うことができ、香りが広がりにくいので大部屋病室に嬉しいアイテムです。花に包まれているような甘く優しい香りになっているので、女性だけでなく男性にもオススメです。
いかがだったでしょうか?
「【入院中に眠れないときのアロマ】睡眠導入に効果的な病室での使い方」をご紹介させていただきました。オーガニックの有効成分を活用したアロマテラピーは、入院中に不眠で悩み患者さんへ癒しを届けてくれます。簡単な方法でもアロマテラピーは使うことができますので、ぜひ試してみてください。ご紹介した内容が少しでも皆さんのお役に立てると嬉しいです。
参照:入院患者の夜間不眠に対する援助 ~不眠患者にアロマテラピーを用いて~