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心のケア

できれば睡眠薬は飲みたくない!代わりになる物としてアロマの可能性

 

こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は「睡眠薬は飲みたくない!代わりになる物としてアロマの可能性」をご紹介します。

5人に1人が何らかの睡眠トラブルを抱えているとされる現代。仕事や家事、人間関係などのストレスで、眠れない日を経験した人もいるのではないでしょうか?私は調剤薬局で薬剤師として勤務していますが、睡眠トラブルに悩む患者さんが増えていることを実感しています。またそのような患者さんたちのなかには、しっかりと眠りたいけど睡眠薬はできれば飲みたくない、睡眠薬を飲むことに不安を感じる、そのように訴えられることが多くあります。

睡眠トラブルを改善するために睡眠薬しかないのか?あるとすればどのような方法があるのか?そのように感じる方々には、アロマテラピーの香りが良いと私は感じています。この記事ではその理由を薬剤師の立場からお伝えしていきます。

 

 

 

 

 

 

睡眠薬の代わりになる?アロマの可能性とは

 

アロマテラピーは睡眠薬の代わりになるのか?

結論から言うと「アロマテラピーは睡眠薬の代わりにはなりません」。睡眠薬は不眠症を治療するものであって、アロマテラピーは治療ではありません。しかしながらアロマテラピーを用いることによって、睡眠トラブルを改善したという研究が、日本をはじめ世界中で数多く発表されており、アロマテラピーは睡眠トラブルを改善するためのサポートになると考えています。ではどのような場面で、どのように使えば良いかを順を追ってご紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

睡眠トラブルの原因とは?

 

睡眠トラブルは不眠症とよばれ、脳の”覚醒”と”睡眠”のバランスが、覚醒系に優位になることによって引き起こされます。そのことによって夜中に眠りたくても寝れず、心身の不調をきたしてしまうのです。覚醒と睡眠のバランスが崩れ、不眠トラブルになる理由はストレス、心の病気、神経の病気、アルコール、薬剤の副作用など数多くあります。

 

睡眠トラブルの3つのタイプ

入眠障害

床に入って寝つくまでに30分以上かかるタイプ。不安や緊張が強いときにおこりやすいといわれています。

中途覚醒

睡眠中に何度も目が覚めたり、一度起きたあとなかなか寝つけなくなるタイプ。睡眠トラブルのなかで最も多く、中高年で頻度が高いとされています。

早朝覚醒

朝、予定時間より2時間以上早く目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまうタイプ。高齢者に多くみられます。

 

ふみや
ふみや

睡眠トラブルはストレスが原因となっていることが増えています。

しっかりと心身ケアを行い覚醒と睡眠のバランスを整えてあげましょう。

 

 

 

 

 

 

睡眠薬は危険なのか!?

 

睡眠薬は怖い!、睡眠薬を飲んだらやめられなくなる!そのようにイメージを持つ患者さんが、私の薬局にも相談にきます。では睡眠薬は危険なのでしょうか?

睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」、「非ベンゾジアゼピン系」の薬に大別されます。睡眠薬を飲んだらやめられなくなる、いわゆる”クセになる”依存性”があるのはベンゾジアゼピン系の薬です。ベンゾジアゼピン系の薬を長期間服用している方が、自己判断で中止しまうと離脱症状が起こることがあります。主に動悸、頭痛、めまい、イライラ、不安感、憂うつな気分などが見られ、睡眠薬が怖いと言われる理由のひとつとして考えられています。ベンゾジアゼピン系には依存性がある一方で、効果を実感しやすいというメリットがあります。医師も依存性のリスクを考え治療を決めており、現在では医師と相談しながら睡眠薬を服用すればリスクを減らすことができ、”睡眠薬は危険”との考えは少なくなっています。

 

ふみや
ふみや

現在の治療では依存性のない薬、依存性の少ない薬も使えるようになっています。

大切なのは医師・薬剤師と相談しながら睡眠薬を使用するということです。

 

睡眠薬の種類

ベンゾジアゼピン系

睡眠系(GABA)に働き、脳の活動を全般的に抑えることで眠りを助けるものです。超短時間型から長時間型までの種類があります。代表的な薬はハルシオン、レンドルミン、リスミー、サイレース、ユーロジン、ドラールなどです。

非ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系と同じく、睡眠系に働きかけ眠りをサポートします。ベンゾジアゼピン系にみられる筋肉を緩める副作用が軽減されており。転倒やふらつきが少ないと考えられています。代表的な薬はマイスリー、アモバン、ルネスタなどです。

メラトニン受容体作動薬

体内時計を調整するホルモン「メラトニン」に似た働きをすることで、自然な眠りを促します。睡眠サイクルを整えてくれるため、睡眠リズムが乱れてしまう方に有効とされています。代表的な薬はロゼレムです。

オレキシン受容体拮抗薬

覚醒を維持する働きがあるオレキシンを抑えることによって、覚醒状態から睡眠状態へと移行させ、睡眠を促します。代表的な薬はデエビゴ、ベルソムラです。

 

ふみや
ふみや

アロマテラピーには体内時計を調整するホルモン「メラトニン」を、増やす作用が認められた研究があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください→アロマがメラトニンを増やし体内時計を整える〜アロマが睡眠に良い理由〜

 

 

 

 

 

 

睡眠薬の代わりになる物としてアロマの可能性

 

アロマテラピーの心地よい香りには睡眠の質を改善する、睡眠時間を長くさせるなどの作用が期待されており、日本をはじめ世界中でアロマテラピーが睡眠に良いとの研究報告があります。

それはアロマテラピーで用いられるアロマオイル(精油)に含まれる成分が、脳へと働きかけるからと考えられていて、アロマオイルの成分が嗅覚を通じて大脳辺縁系に伝わり、癒しを届けてくれるからなのです。大脳辺縁系は好き嫌い、心地よいと感じる、不快と感じるなどの「感情」、睡眠欲、食欲、性欲などの「本能」を、コントロールしている脳の一部であり、私たちの感情や気持ちは香りによって大きく左右します。そのため好きな香水でモチベーションが上がったり、花の香りで癒されたりするのは、嗅覚と脳につながりがあるからともいえます。また大脳辺縁系の近くには間脳(視床下部)があり、視床下部は自律神経の調整を担っています。嗅覚からの香りの情報は大脳辺縁系だけでなく、視床下部にも伝わるため、自律神経のバランスにも影響を与えるのです。

これらのことからもアロマテラピーは、気持ちが落ち着かない、日々ストレスを感じるなどで、眠れないと悩む人たちにとって、睡眠をサポートする心強い味方となってくれるのです。

 

快眠のためのアロマの使い方

冒頭ではアロマテラピーは睡眠薬の代わりにならないとお伝えしましたが、間接的には睡眠薬の代わりになると考えています。例えば眠れず困っている人が、病院を受診する前にセルフケアとしてアロマを使ってみる。また睡眠薬を飲んでいる人が薬を減らしていきたいと考えたときに、睡眠の質を改善するためにアロマを取り入れてみるなどが良いと感じています。アロマテラピーの使い方をご紹介したいと思います。

仕事や勉強終わりのリフレッシュ

仕事や勉強、家事など人にはそれぞれの役割がありますが、それらを行なっているとカラダは交感神経が高まり”覚醒”状態が強くあらわれています。仕事などが終わったあとは早めに香りで心身ケアを行い、交感神経からリラックス状態の副交感神経に切り替えてあげましょう。職場などでは手軽に香りを使えるように、塗るタイプのロールオンアロマ、キャップをはずして香りを楽しむスティックタイプが良いでしょう。そのほかにもアロマオイルを持ち歩き、ティッシュに2滴垂らして香りを楽しむこともオススメです。

ぐっすり快眠サポート

私たちは夜になると”覚醒”状態から”睡眠”状態へと切り替わっていきます。このときには副交感神経の働きを強めてあげることで、心地よい眠りへと促してくれるため、リラックス効果が高いアロマオイルを用いることが大切です。アロマストーンに5滴程度アロマオイルを垂らしたり、アロマディフューザーを使う、アロマスプレーを枕にシュッとひと吹きするなどの使い方がオススメです。

 

 

 

 

 

 

心地よい眠りをサポートするアロマ

 

ここでは心地よい眠りをサポートしてくれるアロマオイルについてご紹介します。ご自身の好きな香りやタイプによって使うアロマオイルを選んでみてください。

 

マンダリン

インドのアッサム地方が原産とされる常緑低木のマンダリン。かつて中国では高級官僚のことを「マンダリン」と呼んでいた歴史があり、そうした官僚に敬意を示すために献上されていた果実を、マンダリンと呼びようになったとも言われています。日本でお馴染みの温州みかんもマンダリンの仲間になり、甘酸っぱくフルーティーな香りはシャンプーや香水などに使用され、多くの人に親しまれてきました。マンダリンのアロマオイルには「アントラニル酸ジメチル」が含まれており、幸せホルモンとよばれる”セロトニン”合成に関わるため、優れた抗不安作用を持つとされています。また柑橘系の香りにより、仕事終わりのリフレッシュにも最適で心を明るくしてくれます。

 

マンダリンはこんな人にオススメ

  • 甘酸っぱいフルーティーな香りで元気になりたい
  • 仕事や勉強のオンオフをはっきりさせたい、不安や緊張で眠れない
  • 香りの相性が良いアロマオイル:ゼラニウム、イランイラン、ラベンダー

 

 

 

シダーウッド

穏やかな森林を想わせる香りのシダーウッド。日本では鉛筆などにも使われる植物であるため、エンピツビャクシンとも呼ばれています。ヒノキやサイプレスなどと同じ森林浴の香りですが、シダーウッドは少し甘みが強いことが特徴。癒しを届けてくれるとともに、心を強く持つために働きかけてくれる香りともされ、ささいなことで怒ってしまうなどの、感情がコントロールできなくなってしまったときに、心強い味方となってくれます。また睡眠時間を延長したり、睡眠の質の改善、寝付くまでの時間の短縮など、睡眠障害にも効果的であったとの研究報告が数多くあることからも、安眠のためのアロマオイルとしても活躍してくれます。

シダーウッドはこんな人にオススメ

  • 森林浴の香りで癒されたい
  • イライラして眠れない、気持ちが落ち着かない
  • 香りの相性が良いアロマオイル:ローズマリー、ラベンダー、ベルガモット

 

 

 

ラベンダー・アングスティフォリア

アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれているラベンダー。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、最もラベンダーらしい香りと称されます。ストレスケアや安眠に導く代表格でもあるラベンダーには、「リナロール」や「酢酸リナリル」の成分が含まれており、乱れがちな自律神経を整えて、心を穏やかに保ってリラックスさせてくれます。ヨーロッパでは鎮静剤としても用いられるラベンダーは、寝つきが悪い人、仕事や勉強による疲れで自律神経が乱れがちな人にとって、心強い味方となってくれるでしょう。

 

ラベンダーはこんな人にオススメ

  • 爽やかな甘酸っぱい香りに包まれたい
  • 寝つきが悪い、寝ても途中で起きてしまう、疲れで自律神経が乱れがち
  • 香りの相性が良いアロマオイル:ベルガモット、クラリセージ、マジョラム

 

 

 

マジョラム

別名スイートマジョラム、和名マヨラナとよばれるマジョラム。幸せを象徴し、長寿を与えるハーブとして、古くから民間薬としてヨーロッパなどを中心に用いられてきました。爽やかでスパイシーなハーブの香りは、自律神経を整える作用に優れ、高ぶってしまった神経を落ち着かせて、癒しを届けてくれます。マジョラムの香りは仕事を終えたあとに使用することで疲労を回復させる、睡眠の質を向上させるなどの数多くの研究報告があり、忙しいビジネスパーソンの心強い味方となってくれます。甘味が強い香りやフローラルな香りがあまり好きでない人、男性にもオススメの香りです。

マジョラムはこんな人にオススメ

  • 爽やかなスパイシーな香りが好き
  • 仕事や勉強が頭から離れない、疲れているのに眠れない
  • 香りの相性が良いアロマオイル:シダー、ペッパー、ラベンダー

 

 

 

おすすめアイテム

アロマテラピーには心地よい睡眠をサポートしてくれる研究結果が数多くありますが、それらの研究には精油といわれるアロマオイルが使われています。精油とは100%植物から抽出された天然のアロマオイルで、植物のパワーが凝縮されています。安価なアロマオイルも販売されており、香りを楽しむだけであれば良いと思いますが、しっかりと心身ケアを行う場合は、精油を使うことをおすすめします。プラナロム、ニールズヤード、生活の木などで販売されている良質な精油を試してみてください。またニールズヤードから販売されているアロマパルスは、オシャレで可愛らしい見た目のロールオンタイプのアロマで、職場や外出先にも簡単に持ち運べることができ、サッと取り出して香りを楽しむことができます。アロマパルスリラクセーション、アロマパルスナイトタイムはラベンダーを含む複数の精油がフレンドされていて、眠りを促してくれます。また就寝前にも塗るだけで使うことができるので、アロマ初心者さんで精油を複数揃えるのが大変と感じる人にもおすすめです。

 

 

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

「できれば睡眠薬は飲みたくない!代わりになる物としてアロマの可能性」をご紹介させていただきました。アロマテラピーには自然の恵がつまった”力”を持っており、睡眠トラブルで悩む人にとってのサポートになると感じています。ご自身の心身ケアのためにも、ぜひ試してみてください。

 

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