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心のケア

【記事まとめ】認知症予防に効果的_アロマの香りが癒す症状別ブレンド

こんにちはアロマ薬剤師のふみやです。今回は【記事まとめ】認知症予防に効果的!アロマの香りが癒す症状別ブレンドをご紹介したいと思います。認知症予防や認知症の症状改善を目的としたアロマテラピーの研究は、日本だけでなく海外でも数多く行われてきました。

香りと「認知機能」「記憶」には密接な関係があり、心地よい香りのアロマオイルには、認知症を癒す効果が研究結果として発表されています。そのようなアロマテラピーの研究によって効果的であったブレンドを症状別にまとめましたので、ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

認知症とは?主な種類と原因

「認知症」とは、何らかの原因により記憶や認識、判断などの認知機能が低下し、生活に支障をきたしている状態を指します。認知症には「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」などがあります。65歳以上の日本人の4人に1人が認知症になり、その中で約60%がアルツハイマー型の認知症であるとされています。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の原因はいまだ解明されていない部分が多く諸説ありますが、「アミロイドβ」「タウタンパク」とよばれるタンパク質が、脳に異常にたまることによって、脳細胞が損傷したり、神経伝達物質の伝達物質が減少することなどによって、記憶を担っている海馬から萎縮がはじまり、だんだんと脳全体が萎縮することで引き起こされるとされています。アルツハイマー型の認知症では、このようは脳の萎縮や変性がゆっくりと進行していき、年齢を重ねるとともに症状が現れてきます。

 

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症についで多い認知症で、レビー小体という特殊な物質が脳内の神経細胞内にできることが原因でおこります。実際にはいない人が見える「幻視」や、手足が震える、小刻みに歩くなど「パーキンソン症状」がみられることがあります。

 

脳血管性認知症

脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)が原因で発症します。身体の麻痺や嚥下障害(えんげ=食べ物を飲み込むこと)、言語障害などが現れます。

 

 

 

 

 

本人だけでなく、介護者にも負担の大きい認知症の症状

参照:LIFULL「認知症の進行のしかた|中核症状と周辺症状」

 

認知症の主な症状は「中核症状」と「行動・心理症状(周辺症状)」にわけることができます。

 

中核症状とは

中核症状はその名の通り認知症の中核にあるとされており、脳の神経細胞の障害によっておこる症状で、代表的な症状はもの忘れなどの記憶障害です。直前に起きたことも忘れてしまう症状が多く、その一方で過去の記憶はよく残ります。しかしながら症状の進行とともに、過去の記憶も失われることが多いようです。

 

アルツハイマー型認知症の症状

  • 物忘れなどの記憶障害
  • 時間や場所や人物の認識がうまくできなくなる見当識障害
  • 計画を立てて順序よくこなすことが困難になる実行機能障害
  • 計算や言葉の能力の低下

 

行動・心理症状(周辺症状)とは

周辺症状は、中核症状と環境要因、身体要因、心理要因などが相互的に影響して生じる症状を意味します。外出時に道に迷って行方不明になったり、暴言や暴力などの症状があり、周辺症状は本人や家族などの負担が大きいことから、最近では周辺症状とは使わずに「行動・心理症状(BPSD)」と表されることが増えています。

 

主な周辺症状

  • 興奮、暴言、票力
  • 抑うつ、不安、無気力
  • 外出時の道迷いや行方不明(徘徊)
  • 睡眠障害、昼夜逆転
  • 不潔行為
  • 被害妄想
  • 大声
  • 嗅覚障害
  • 性的逸脱行為

 

 

 

 

 

香りと「認知機能」「記憶」は密接に関係している

 

認知症では、記憶や認識、判断などの認知機能が低下し、もの忘れ、時間や場所がわからなくなる見当識障害などがおこります。また認知症患者さんにおいて嗅覚が低下することもわかっており、認知症がはじめる10年以上前から嗅覚が低下し始めることもあります。それは認知症の原因とされるタンパク質によるダメージが、嗅内皮質から脳の海馬に広がっていくためで、嗅覚が低下している人は、認知症に進行するリスクが高いとの報告もあります。

 

香りは直接脳へと伝わる

香りによる嗅覚の刺激はダイレクトに脳の大脳辺縁系に伝わります。大脳辺縁系には記憶を司る「海馬」があり、特定の香りを嗅ぐことによって、昔のことを思い出したりと記憶を呼び起こすことがあります。みなさんもタンスなどの「香り」によって、祖母や祖父のことを思い出したり、以前お付き合いしていたかたの香水の香りによって、当時のことを思い出すなど、そのような経験されたこともあるのではないでしょうか?

そのように香りによる嗅覚の刺激は「記憶」と密接に関係しています。アロマオイルの香りは、嗅覚を刺激したり、嗅覚刺激によって記憶をつかさどる「海馬」にも影響を与え、認知機能の改善や、認知症の初期段階から予防する効果があると考えられていました。そのことをもとに日本だけでなく、海外でも多くの研究が行われ、認知機能を改善したり、行動・心理症状(周辺症状)を低下されるなどの結果が報告されています。アロマテラピーによる心地よい香りは、認知症患者さんにとって心強い味方なのです。嗅覚に関して詳しく知りたいかたは、こちらの記事を参考にしてみてください

 

 

 

 

 

【認知症予防に効果的】認知機能改善が期待できるアロマブレンド

朝:ローズマリー&レモン、夜:ラベンダー&オレンジ

鳥取大学の浦上先生らが発表したブレンドレシピで、これらのアロマオイル(精油)の香りによって、認知症患者さんの認知機能改善が認められました。ローズマリーレモンのアロマオイルには、集中力を高め記憶力を強化する作用があり、交感神経を優位にさせる作用に優れています。その一方でラベンダーオレンジには心身をリラックスさせる作用に優れており、副交感神経を優位にさせます。このようにお昼には交感神経を優位にさせることで脳を活発化させ、夜には副交感神経を優位にすることによって、活性化された脳を鎮めリラックスさせることによって、脳の活動にメリハリをつけることができ、自律神経のリズムを整えることができるレシピになっています。認知症の原因タンパク質に対しても、このレシピが効果的であったとの研究が2020年に発表されています。浦上先生らの研究やアロマオイルの使い方、原因タンパク質に対しての研究を詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。

 

 

レモングラス

レモングラス」はレモンソウ、レモンガヤともよばれインド原産の植物で、伝統医学であるアーユルヴェーダに薬効のあるハーブとして使用されたり、タイの代表的なスープであるトムヤンクンの香り付けなどに用いられ、多くの人に親しまれてきました。レモングラスのアロマオイルは、その名の通り強いレモンに似た香りと、甘くグリーン調の香りを合わせ持つ、癒しを与えてくれる香りが特徴で、レモングラスにも認知機能を改善する効果が認められています。研究内容やレモングラスの使い方を詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

 

 

スギ

杉は北海道から屋久島まで広い範囲に日本で生息する固有種です。建材としても古くから使用され、アロマオイルの香りも森林浴のような心地よい香りで、子供から高齢者まで日本人にとてもなじみ深い香りが特徴です。杉の花粉症をお持ちの方が、花粉症が悪化するのではないかと心配されますが、花粉と同じ刺激はないので、問題なく使用することができます。認知機能の改善効果が認められたのは「秋田スギ」を使用したアロマオイルになります。詳しい研究内容を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

行動・心理症状改善が期待できるアロマブレンド

行動・心理症状(周辺症状)は認知症患者さん本人が、もの忘れなどによって不安を抱いたり、焦りを感じることで、それをなんとかしようと努力するもののうまくいかないことで、周囲に攻撃的になってしまったり、不眠に悩まされたり、ご本人に精神的なダメージが加わることがあります。そのような不安や焦りをアロマテラピーの心地良い香りが、優しく包み込んでくれ心を穏やかにしてくれます。

 

メリッサ(レモンバーム)

メリッサ」はレモンバームともよばれ、古代アラビア人が薬用として用いたり、ヨーロッパのハーバリストたちが優れた鎮静作用を評価して、神経衰弱や不安、興奮の緩和などに好んで使うなど、心身のケアに優れたアロマオイルです。レモンに似た清涼感のある甘い香りが、気持ちを明るく元気づけてくれます。メリッサには行動・心理症状を改善する効果が研究でも認められていて、特にイライラしたり、興奮による暴力・暴言などの症状を癒すのに役に立ちます。

 

 

ラベンダー

アロマテラピーの万能精油ともよばれ、多くの人に親しまれている「ラベンダー」。なかでも真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)の品種は、爽やかな甘酸っぱい香りが特徴で、リナロールや酢酸リナリルの成分によって、不安な気持ちやストレスを軽減する作用に優れています。行動・心理症状だけでなく良質な睡眠を促す作用もあるため、寝る前に香りを使ったり、寝室に香りを満たして使う方法が良いでしょう。

 

 

睡眠に良いラベンダー、オレンジ、森林浴の香り

  • 真正ラベンダー
  • 真正ラベンダーとオレンジスウィートのブレンド
  • ヒノキ、シダーウッド、サイプレスのブレンド

これらのアロマオイルのブレンドレシピを使うことで、認知症患者さんの睡眠障害を改善した研究報告があります。癒しを与えてくれる香りがラインナップされており、多くの方が親しみを持ちやすいアロマオイルでもあります。詳しい研究内容や、それぞれのアロマオイルの特性を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

 

 

混乱や不安によっておこる症状に良い「シネオール」の香り

  • カユプテ
  • カルダモン
  • セージ
  • タイム・マストキナ
  • ニアウリ・シネオール
  • ユーカリ
  • ラヴィンツァラ
  • ラベンダー・スピカ
  • ローズマリー
  • ローレル

上記のようなシネオールを含むアロマオイルを使うことで、認知症患者さんのもの忘れや、近所で迷子になってしまったりするなど、混乱や不安によっておこる症状に改善が認められました。シネオールは清涼感のあるスッキリとした香りが特徴的です。気管支炎、副鼻腔炎、慢性鼻炎、喘息、鼻副鼻腔炎を治療するための医薬品の成分として使用されたり、化粧品にも含まれています。またシネオールには脳を活性化させる作用もあるため、認知症患者さんにとって心強い味方になってくれます。詳しい研究内容や使い方を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

「【記事まとめ】認知症予防に効果的!アロマの香りが癒す症状別ブレンド」をご紹介させていただきました。みなさんのお悩みに少しでもお役に立てると嬉しいです。アロマテラピーには認知症患者さんと、介護をされるご家族を癒す効果があります。簡単な方法でもアロマテラピーを行えますので、ぜひ試してみてください。

 

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